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500ページ以上の文庫サイズ同人誌を作った話

500ページを超える文庫同人誌を作った時の話です。
元々は一次創作もしていた字書きですが、2023年夏、ふと自分が書いた一次創作を本にしたい!と思い立ちました。
※前置き(上下巻を作った話)もあるので読み飛ばして貰っても大丈夫です。

幸いと言うべきか、Xの相互さんが読みたい!と言って下さったので自分の分と2部作ることに。
印刷をお願いしたのは今回もRED TRAIN(onebooks)さん。

https://red-train.co.jp/onebooks


前置き

ざっと数えて見たところ、本文が29万字近くあったので1冊に纏めるのは難しいかもしれない、となりました。
薄い本文用紙は基本、5部〜の使用になります。
淡クリームせんだい 55kg(0.080mm)は1部から使えますが、最大ページは486ページになるのでおさまらない。
どうせなら上下巻に、本文用紙は好きなソリストN 56kg(0.110mm)に決めました。

実際に作ったものがこちら

上巻
[ ページ数 ] 276
[ 本文用紙 ] ソリストN 56kg
[ 表紙用紙 ] 紀州の色上質 最厚口 空
[ カバー用紙 ] コート(オーロラ) 110kg
[ オビ用紙 ] コート(オーロラ) 110kg
[ PP加工 ] カバーにクリアPP加工

下巻
[ ページ数 ] 314
[ 本文用紙 ] ソリストN 56kg
[ 表紙用紙 ] 紀州の色上質 最厚口 空
[ カバー用紙 ] コート(オーロラ) 110kg
[ オビ用紙 ] コート(オーロラ) 110kg
[ PP加工 ] カバーにクリアPP加工

商業本のようにしたかったので特殊紙などは使わず、シンプルなものにしています。
流石にソリストNは56kgでも厚みが0.110mmなので300ページになると若干読みづらさがありました。
ソリストNは柔らかいとは言え、厚みがあるのでノドをもう少しとった方がよかったかもしれません。

こちらをXに上げたところ、相互さんやフォロワーさんに、欲しい!と言って頂けたので5部〜から使える本文用紙を使って1冊に纏めることに。


500ページ超えの本を作ろう

印刷は引き続き、onebooksさんにお願いしました。onebooksさんは本文用紙が豊富で他の印刷所にはない紙があります。
500ページを超えるものを作るとなると選択肢は2つ。
プリンセスノベル 32.5kg(0.072mm)とミステリッククリーム 32kg(0.073mm)

どちらも最大ページは612Pになりますが、プリンセスノベルは以前使ったことがあったので、ミステリッククリームにしました。
※2025年2月現在、ミステリッククリームは在庫限りとなるのでスピン加工+10部〜しか使用できません。

普段から余白は多めに取っているので、今回も普段と同じく、余白は 天:18mm 地:16mm 左右:17mm。
本文が29万字近くあるのでページを節約するために42字×18行と少し詰め気味にしました。

使用したフォントは今回も源暎こぶり明朝。源暎こぶり明朝はーーが繋がるので重宝しています。


カバーと帯

本文は558ページになりました。
かなり文字を詰めた(42字×18行)ので、普段通りの組版(37字×17行)だともう少し増えていたと思います。
カバー背幅は21.5mmでした。

作成したカバーと帯

背表紙のバーコードはこちらで申請、発行して頂いたものを使用しています。
ISBN(国際標準図書番号)のパロディ、同人作品のための ISBN です。

カバーと帯の作成はメディバンペイントで行っています。同人誌を作り始めて2年近く経過し、自分でもある程度できるようになったので素材を購入、文字入れをして作成しました。


出来上がり

2週間程度で本が手元に届きました。

[ ページ数 ] 558
[ 本文用紙 ] ミステリッククリーム 32kg
[ 表紙用紙 ] 紀州の色上質 最厚口 空
[ カバー用紙 ] コート(オーロラ) 110kg
[ オビ用紙 ] コート(オーロラ) 110kg
[ PP加工 ] カバーにクリアPP加工

仕様自体は上下巻と変わりません。
せっかくなので中扉はカラーに

こちらは下巻のものですが、onebooksさんはお値段変わらずカラーが使えるので中扉と目次はカラーにしてみました。

本文はこんな感じ。

詰めた割に詰まった感じはあまりなかったです

ミステリッククリームは500ページ超えていても柔らかいので開きやすく、軽かったです。

上下巻と比べてみました。

558ページあるのにスリム!

左からミステリッククリーム 32kg(0.073mm)558ページ、ソリストN 56kg(0.110mm)276ページ、314ページです。
薄い本文用紙なので全然鈍器ではないです。


まとめ

500ページを超える本を作ったのは初めてでしたが、装丁や組版に関しては普段使っているものを流用したため、それほど困りませんでした。
ただ10年以上前に書いたものだったのでとにかく校正が大変でした。それも29万字あるとなれば誤字脱字を見つけるのも一苦労です。

やってもやっても終わらない!
私はこの見直しが作業の中で一番苦手なので、ひたすら画面と向き合うのが辛かったです……!

10部以下で500ページ超えのカバーつき文庫本を作るとなると選択肢が少ないので、onebooksさんにはお世話になりました。ありがとうございます。

長々と読んで頂きましてありがとうございました。少しでも参考になれば嬉しいです。