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これまでの多肉ライフを振り返る。

丁度昨日の2024/11/7、我が家にアガベ チタノタ シーザーがやってきたので、私が多肉の世界に飛び込んだ話やその経緯など、当時の日記を元に振り返ってみようと思う。

初めはしがないビーチコーミング作家だった

私は海辺でシーグラスや流木を集め、アクセサリーを作るのが好きだった。ある日インスタを眺めていると、流木に多肉植物を植えているのが目に止まった。かわいい、そう思った私は多肉植物について色々調べ、園芸店へと向かう。ちなみにこの頃の私は、自分の事をブラウンハンド(園芸下手)と自負していた。

あまりにも大きすぎるスリット鉢


2023年の2月頃、初めてエケベリアを買った。外は寒くて雨が降る、けど屋外で管理しなきゃいけない。当時そんな設備はなく、百均で申し訳程度の雨避けを作った。焦った私はひとまず植物用ビニール温室を1購入し、カーメン君のガーデンチャンネルとか、エケベリアの土づくりをやってる人とかの動画を沢山見ては、園芸店で春萌、ブロンズ姫、オウレイなどを買った。
初めは増やすためだったのを覚えている。

多肉専門店との出会い

偶然『多肉植物園』という看板を見かけて、多肉が購入できるならと寄ってみた。
そこはまるでオアシスのようだった。可愛く紅葉した韓国苗が、当時見たこともなかった多肉植物が沢山並んでいた。気がついたら物珍しさで爆買いしていた。ひとつひとつ品種名でググッて日記アプリで観察日記を付けながら属名を書き足し、毎朝見に行った。

初めはまだ1カゴに収まる状態だったのか…
爆買い第二陣。この頃から当初の目的を忘れる

いつの間にか流木に植えるから多肉を買うのではなく、可愛くて集めたいから多肉を買うという目的に変わっていく。

韓国苗(輸入品)のヒューミリスはとにかく白い

なんせ紅葉真っ盛りの時期だ。温室内は可愛いエケで埋めつされている。感動しないわけがない。

そうしてカゴは2つに増えた。
一応増やすという目的は残していたらしい(他人事)

葉刺しの成功率をあげる方法は、片っ端から試したと思う。今考えると紅葉しまくったおねむの葉っぱからそう簡単に根っこがでるかよ、と思うが、当時は必死だった。

この頃はまだ増えた後の事なんて考えて無い様子
そして追加購入されるビニール温室

『増えたなー。』ではないのだ。そして32株で済むはずがないのだ。オマケに入念な前準備と管理をした葉刺しもあるのだよ、自分。一体どうする気だったんだろうか?(ちょいおこ)

ぎゅうぎゅうのぎゅう。とは。

知らないうちに増えたのではない、買ったから増えたのだ。そう、多肉初心者が陥りやすい『植物欲に支配される』という状態に完全に陥ってしまったのだ。この頃の私は完全に理性を失い狂い散らかしていた。あ、今もか…。

シナモンが防虫・殺菌になると話題になっていた頃

コミュニティにも参加した。そこでは春先という事もありカット苗の発根方法が度々話題に上がっていた。色々試すのが理科の実験みたいでとても楽しかった。成長が遅く1~2ヶ月しないと結果が分からない多肉植物、『土づくり』『模索』『環境作り』『発根』という皆が抱える課題を共有し研究する事に燃えていた。正解のない育成法。恐らく多肉植物達がタニラーをしっかり掴んで離さないのは、こういった要素があるからなのだと思う。

とうとう棚が3つに増えた。サキュレーターまで購入。

ちなみに充電式なので購入したサキュレーターは交換用に2台ですありがとうございます。
この春は色んな出会いがあり、タニラー仲間さんと対面して沢山お話をし、先輩方から沢山の知恵をご教授頂き、増えたからと多くの苗を頂いた。
そう、置き場所に困ったタニラー先輩方からのプレゼントもすさまじかったのである。(しかも全部かわいい)

ちょうどこの年の3月頃にライムの育成も始めた。

ブラウンハンドの私でも、環境作りをすればなんとかなる植物なら行けるかもしれないと思った。

季節ごとに環境を調節したら、あとは様子を見に行くだけでいい。水やりは植物が欲しがるサインを見せてから。屋上には水道がないので、春と秋の育成期には週一回、リキダス水のペットボトルを抱えて階段を上がる。夏はジュレた多肉の手術に挑戦し、冬はビニール温室に戻し水を切って凍結に備える。
そのくらいが自分には合ってたのだ。

人様のお知恵を全力でお借りした葉刺しスペース。

多肉コミュニティというのは、まぁすごい。対面すればとにかく沢山の事を教えてくれて、ひたすら楽しく話した後には『じゃあこれ持っていってね』と苗を頂く事がまぁまぁある。このハオルチアも、しなしな状態のものを手渡され、外置き明るい日陰でお水をあげたら蘇ったもの。めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えている。

お部屋の中にも緑が欲しかったのでポトスも収集しだす

2023年の3~12月までを振り返ると、春先に沢山葉刺しをし、夏はとにかく多肉の手術に追われ、冬はしっかり防寒対策をとる(この頃はアガベにまで手を出したので屋内育成ライトも買うことになった)。
それだけではない。お友達からクリスマス当日に箱が届いて、何かと思ったら沢山の苗が入っているというサプライズもあった。
苗でお返しすると向こう様の置き場所が大変になると思い、リメ缶やリメ鉢を先方の好きな色、好きなモチーフを使って作ったりもした。
植えてくれた写真を見て喜んだりもした。
ご近所さんの陶器屋さんの奥様が偶然多肉をやっていて、仲良くなって多肉話に花を咲かせたこともあった。

…こうして振り返ってみると、私は1人でタニラーをしていた訳ではなかったのだと思う。
同好の士と出会った先で、自分が多肉が好きで勉強していると言うと、先輩方は皆、快くご自身の経験則を話し続けてくれた。気になった事にも答えてくれた。今の自分があるのは、こうした心優しい先輩方のお陰なのだ………。

そう、お陰…
お陰…
玄関先のフェンスが多肉に侵食された
葉刺しセットが全力で育ったけどどうするん???


そして2024年11月。今私は置き場所問題に直面している。
流石に今年の県内最大イベント『富士山フェスタ』では、エケベリアに手を出さなかった。
戦利品はサボテン、アガベ、オベサになった。
そして金銭感覚が狂った。

近所のタニラー陶器屋さんで鉢合わせ

最近は陶器の世界にまで興味が行き渡り、実株を持ってマスターに鉢を選んでもらっている。

陶器屋さんにて、いつもありがとうね、と言われた私はついこう発言してしまった。

『いやー、鉢は資産ですからね!!』

繰り返そう。私は1人でタニラーをしている訳ではない。ご縁で結び付いた関係がタニラーの私を作っている。そこの奥様は陶芸もしていらっしゃり、私は全力で応援している。
また、先輩方からお譲り頂いた多肉も可愛く育成させることに奮闘している。

1人でしている訳ではないからこそ、ここまで真剣に勉強と環境作りを楽しめている。

多肉の世界は楽しい。
一期一会の出会いは苗だけではない。
同好の士との一期一会もまた、タニラーの世界の魅力だった。2度目の冬越しを迎えようとしている今、しみじみ感じている。

~余談~

先日、ホームセンターにて塊根植物が大量入荷されており、まじまじと見ていたら隣で一生懸命見ている奥様がいた。思い切って『あの…塊根植物ってやっぱり冬は屋内ですかね?』と声を掛けてみたのを皮切りに、あの『タニラー同士が出会った時に起きる現象』と同じ空気になった。ホームセンターを去るまで品物を見ては話し合い、連絡先も交換してないのに去り際の挨拶は『ではまた』であった。
お互い名前も知らないのに、まるで知り合いのような挨拶。
塊根植物の世界もまた、同好の士との縁が自然と結び付きやすい世界だったのだ。

奥様がめちゃくちゃ早口で押し気味に教えてくれたおすすめのお店と品種名をスマホにそっと潜め、私は帰路についたのだった…。

次回予告~塊根植物の世界に手を出す~

来年をお楽しみに。

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