「かみ」も救ひの糸こそ垂らしつれ、さは掴ませがたく工夫の凝らしたまふぞ~完全版・書評『死なないノウハウ』雨宮 処凛~
この国には、いわゆる弱者を救済するための社会保障制度というものがある。
ただ、近代国家というのはどこも「官僚機構」というからくりによって運営されているので、その制度を利用するには一定の「手続き」が必要になってくる。
しかし、この手続きというのは国家機構にとっては必要不可欠なものだが、その一方でその制度を利用したい弱者にとっては一定の障壁にもなっている。
分かりづらいし、煩雑だし、なにより不親切なのだ。
本書によると、貧困問題の社会活動で著名な湯浅誠氏(年越し派遣村の村