見出し画像

守破離と状況対応リーダーシップ:日本の伝統と現代理論の融合


守破離と状況対応リーダーシップの共通点

「状況対応リーダーシップ」という理論は、米国のP. ハーシーとK. ブランチャードによるリーダーシップモデルですが、私自身は部下指導の手法として捉えています。特にティーチング、コーチング、エンパワーメントという要素が上手く組み込まれています。

この理論を知るうちに、日本の「守破離」の考え方と似ていると感じました。「守破離」とは、道を究める3つの段階「守」(基礎を守る)、「破」(他流を学ぶ)、「離」(独自の境地を拓く)を指し、茶道や武道に見られる日本の伝統的な教育の段階を示します。

「守破離」とリーダーシップの共通点

  1. 守(指導・ティーチング)
    最初に、部下が基本的な業務や知識を習得し、リーダーの指導を忠実に守る段階です。この段階ではティーチングが有効であり、部下がリーダーの指示に従い、成長していく過程を支援します。

  2. 破(コーチング)
    基本を習得した後、部下は他のやり方や新しい視点を取り入れ始めます。ここでリーダーはコーチとしての役割を果たし、部下の自主性を促しながら、成長の手助けをします。部下が自分なりのアプローチを試みることが推奨される段階です。

  3. 離(エンパワーメント)
    最終段階では、部下が独自の考えや方法を確立し、リーダーからの支援を離れて自立した業務遂行が可能になります。リーダーはエンパワーメントの手法を通じて部下に自由と責任を与え、さらに成長できる環境を提供します。

日本文化との融合

欧米の理論だけでなく、日本の「守破離」という伝統的な考え方もリーダーシップに活用できる点は非常に興味深いです。日本の『道』文化が、現代のビジネスやリーダーシップにどのように適応できるかを考えることは、国際的なビジネスにおいても重要な示唆を与えてくれるでしょう。

まとめ

リーダーシップはただの指導に留まらず、部下の成長段階に応じた適切なサポートが必要です。「守破離」と状況対応リーダーシップの共通点を理解することで、リーダーがどの段階でどのように部下を支援すべきかが明確になります。日本の伝統的な「道」と現代のリーダーシップ論を組み合わせたアプローチを大切にすることが、長期的な成長に繋がるでしょう。

(この記事は、2016年4月14日にオフィスKojoのブログ「伝刻の詞」にエントリーしたものを再編集したものです。)

いいなと思ったら応援しよう!