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OJTを効果的に進めるためのリーダーシップ論:守破離と状況対応型リーダーシップの共通点
OJTとリーダーシップ
OJT(On-the-Job Training)を進める上で、効果と効率を高めるためには、指導者としてどのようなリーダーシップを発揮するかが非常に重要です。リーダーシップの理論の中で、アメリカの行動科学者ポール・ハーシィと作家ケン・ブランチャードが提唱した「状況対応型リーダーシップ」というモデルは、部下や後輩の能力や意欲に応じて指導方法を変えるという点で大変有用です。
この理論によると、指導者はまず部下がどの程度のスキルを持っているかを見極める必要があります。次に、部下の心理的な状態、例えば意欲が高いのか、それとも不安を抱えているのかを評価します。そして、これらの要因を総合的に判断し、適切なリーダーシップスタイルを選択して指導を行うことが推奨されます。
日本における伝統的な指導の考え方
一方、日本の伝統文化には、同様の考え方が古くから存在しています。それが「守破離」という概念です。守破離は、特に武道や伝統芸能において師匠から弟子へ技術や知識を伝える際のプロセスを表すもので、3つの段階に分かれています。
守 - 師匠の教えを忠実に守り、基本を身につける段階です。この段階では、型を正確に習得することが重視されます。
破 - 基本を身につけた上で、そこに自分なりの工夫を加えて新たな技を形成していく段階です。
離 - 最終的には、習得した技をさらに発展させ、自分独自のスタイルを確立し、それを次世代に伝えていく段階です。
この「守破離」のプロセスは、状況対応型リーダーシップの考え方と非常に類似しています。両者ともに、指導される側の能力や意欲の段階に応じたアプローチが必要であることを示唆しているのです。
山本五十六の名言
また、この考え方は、山本五十六元帥の有名な言葉にも表れています。彼の言葉は、リーダーシップと人材育成の真髄を見事に表現しており、次のように続きます。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
この言葉が示すように、効果的なOJTには、まずは模範を示し、その後に具体的な指導を行い、最終的には部下の自主性を尊重しつつ見守る姿勢が重要です。
さいごに
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