「わが子に煙たがられる親」が知らない"7つの鉄則"
「勉強させよう」「躾よう」が徒労に終わる真因
皆さんの家庭では親子の関係は上手くいっていますか? それともあまり上手くいっていないと感じていますか?
私の経験ですと、親子関係を良くする事よりも躾や勉強を優先している家庭では親子関係が悪くなる事が多いです。
※今回は、教育評論家: 親野 智可等さんの教えからです。
否定的に責める言葉で叱る事が増え…
躾や勉強を優先する親には次の様な思いがあると考えられます。
1、 勉強させて学力を上げていい学校に行かせなくては。そうしないといい仕事につけないし負け組になってしまう
2、 世間から見てみっともない事にならない様に、躾をしっかりしなくては。自立した子にしなくては
そして、この様な思いが強い親は「躾や勉強の為なら親子関係が多少悪くなっても仕方がない」位の気持ちでいる様です。
その結果、「勉強しなきゃダメでしょ」「なんでちゃんと片づけないの」「食べる時は肘をついちゃダメ」などと否定的に責める言葉で叱る事が増えます。
これは非常にまずい事で、子供は「自分はダメな子だ」と感じる様になって自己肯定感が下がります。そうなると、勉強でも運動でも生活習慣でもがんばる気力・向上心・チャレンジ精神などがしぼんでしまいます。
同時に、「お母さん・お父さんは自分の事をダメな子だと思ってる様だ。こんな自分はもう大切にされてないかも」と感じます。それで親に対する不信感を持つ様になります。
それでますます親の言う事に耳を傾ける気持ちがなくなります。反発心が出て敢えて逆の方にいきたくなったりする事もあります。この様な悪循環に陥ってしまうと親子関係はどんどん悪くなります。
この様に、躾や勉強を優先する事で叱る事が増え、それで親子関係が悪くなっている例は本当に多いです。親子関係が悪い状態で親が幾ら「躾よう」「勉強させよう」と思っても逆効果になるだけです。
親子関係を良くするには?
ですから、私はとにかく親子関係を良くする事を最優先にする事をお勧めします。躾や勉強は100番目でいいです。1番から99番まで親子関係が大事です。
そして、親子関係を良くする為には次の7つの事が大切です。
1、否定的に責めたり叱ったりするのをやめる
2、ほめるなど肯定的な言葉を増やす
3、子供の話は共感的に聞く。「ノー」と言わなければならない時も最後に言う
4、子供の意思を尊重し親の考えを押躾ない
5、子供の好きな事ややりたがる事を応援する
6、短所に注目せず長所に注目する
7、他の子と比べない
この様な事を心がけていれば親子関係は必ず良くなります。そして、親子関係が良くなれば、それに続いていい事がたくさん起こってきます。
●親子関係がよければ自己肯定感が上がる
まず、親子関係がよければ子供の自己肯定感が上がります。そうすれば「自分はがんばれる。やれる」という気持ちが出てきますので、勉強・運動・生活習慣など何事においてもがんばる気力・向上心・チャレンジ精神などが出てきます。
躾の面でも親子関係がよい方が上手くいきます。何故なら、親の事が大好きならその言葉にも素直な気持ちで耳を傾ける様になるからです。
更に、人間には大好きな人の行動を真似したいという本能がありますので、親がよい生活習慣を心がけて生活していれば、それだけで子供も親と同等程度の生活習慣は身につける事が出来ます。
ある父親は子供に食事のマナーを躾ようとして、やたらと叱っていましたが、その結果、子供は父親の事が大嫌いになり、食事のマナーもあえて逆の事をやる様になりました。
そんな事はしなくても、親子関係を良くする事に努めながら親が一般的なマナーで食事をしていれば、子供も大好きな親を真似して親と同等のマナーは身につけるのです。
●親子関係がよければ他者信頼感が育つ
親子関係は子供にとって一番はじめの人間関係です。親子関係がよければ、子供は他者を信頼していいのだと感じます。これが他者信頼感です。そして、その後の人間関係も信頼感を土台にして作る様になります。
例えば兄弟関係・友達関係・先生との関係・その他諸々の人間関係の土台が信頼感になり、良好な人間関係を作り易くなります。
親子関係が悪いと、子供は他者は信頼出来ないと感じます。これが他者不信感(人間不信)といわれるものです。すると、その後の人間関係も不信感を土台にして作る様になりかねません。
●親子関係がよければ悪い誘惑や危険から自分を守る様になる
子供が成長してくると友達から悪い誘惑を受ける事もあります。例えば思春期に万引きに誘われる等です。
そういう時に、親子の関係がよければ「自分の事を大切にしてくれる大好きな親を悲しませたくない。心配させたくない」という意識が働いて正しい選択が出来る様になります。
ところが、親子関係が悪い場合、そのブレーキが利かなくなってしまう可能性が高まります。場合によっては、ブレーキどころか「親が自分の事を心配するか見てみたい」という気持ちすら生じて、アクセルになってしまう事すらあります。
同じ様な理由で、子供の様々な事故を予防する為にも親子関係は大事です。日頃から「自分は愛されている。大切にされている」という実感を持てている子は、自分でも「自分を大切にしたい」という気持ちでいるので、危険な状況をあらかじめ避ける様になるからです。
●親子関係がよい子はいじめを止める側になる
大阪市立大学の森田洋司名誉教授の研究も親子関係を良くする事の大切さを示しています。その研究によると、自分の学級にいじめがあるとわかった時、生徒の行動は次の3群に分かれるそうです。
1 傍観者群
2 いじめを止め様とする群
3 いじめを増大させる群
そして、2の行動をする生徒たちは親子関係が良くて、3の行動をする生徒たちは親子関係が悪いという顕著な相関関係がある事が明らかになりました。
既に親子関係が上手くいってない人へ
同時にもう1つ親がすべき事は、子供にとって心地よい言葉をかける事です。子供の望ましい言動に対しては、承認したりほめたり感謝したりしましょう。もし子供との雑談が可能なら、その時は子供の話は徹底的に共感しながら聞く様にしましょう。まとめると、子供にとって不愉快な言葉はやめて心地よい言葉に徹する事です。
【※もちろん、子供が次の様な事をしている時は上記の限りではなく、慎重かつ冷静に正対する必要があります】
・いじめなど他者の人権を侵害する事
・命に関わる事や非常に危険な事
・反社会的な事
・他者に大迷惑をかける事
この2つに徹しましょう。その上で、子供本人が好きな事ややりたい事が出来る様に応援して、たっぷりやらせてあげる事も大切です。親がやらせたい事を優先するのは絶対にやめましょう。
この様にしていればだんだん親子の関係が良くなります。全てはそれからです。くどい様ですが、とにかくまずは親子の関係を良くする事が一番大切です。それがなければ何をやっても上手くいきません。これはプリントアウトして毎日見る様にして欲しい位大事です。
※よかれと思って、子供を否定してしまう様な子育て、教育をしてはいませんか? 子供が「自分なんかダメだ」思う様な言い方や態度をしていないでしょうか。この連載では、教育評論家の親野智可等先生が、子供を伸ばす「親の力」についてお伝えしていきます。
今回の“教え”に当てはまる項目は、かなり思いつく事が多くありました。前回での中高生の娘の居る家庭もご紹介させて頂きましたが、我が家は、私自身が難病患者・精神障害者2級・ヘルニア骨折手術後の腰痛に日々悩まされていた環境で育った為、私からは彼女を叱ったのは、20歳になる迄にたった一度だけ彼女の了承を得て“ゲンコツ”をしただけです。「親の背を見て子は育つ」とよく言ったモノですが、私の場合は、彼女自身が成長して行く中で「病弱で頼りにならないお父さん」という認識から、妻の言動や行動に対して冷めた感情に育ってしまった感じです。今回、投稿させて頂いた内容とかなり乖離しているケースの実例ではありますが、私は、彼女にことある毎に「君は私の一番の宝だよ」と言い続けて来ました。この投稿を読まれた方々の中に重い難病を持った方や精神障害に限らず、発達障害、身体障害を背負って生きている方もおられるかもしれないと考え、決して自分自身を卑屈に捉えず、「付き合いたくないモノとどうしたら上手く付き合い暮らせるか?」を考えて、半世紀以上が経ちました。全て上手く行く事などありませんが、気をつけて暮らしを営み続ける様にはしております。どなたも1人きりでは生きては行けません。娘も少なからず私が支えた事もあります。
親子関係は良いのか?否か?我が家の場合はハッキリと出来ませんが、有り難い事に娘は、人に迷惑や親に心配を掛ける行動は一切しておりません。ただ世間に出た際のカルチャーショクは大きいと考えております。
皆さまも親から巣立って自分で仕事や税金支払い、家賃・光熱費など生活力も絶対に必要な知識と経験だと親から離れてみて、改めて痛感した事だと思います。(お察し致します。)
沢山の知識・経験が、自分自身を成長させて気づけば親になり、それでも時の流れの変化対応に応じて暮らしを支えて行かなければなりません。自分が生まれ育った故郷から離れ、失敗を沢山して悲惨な状態にもなりました。でも自分が「生かされている」事に必ず意味があるのだと歳を重ねる毎に考え・感じます。生きたくても生けられなかった方々を日々、ニュース等で目にします。年相応の方が亡くなるのはその方の寿命ですが、幼くして命を、若くして命を奪われた方々。自然災害、事故で命を奪われた方々。そして一番避けなくてはいけない戦争によって命を奪われた方々が、今現在も至る所で起きてます。ですからせめて生きている限りは親子関係くらいは良くしておこうと思いませんか?皆さま。 以上
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。 「W」より