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【小噺メイキング #6】絆

私が小噺の構成を考えていることを信じてもらえないかもしれないので、ここで明らかにしようと思う。

構成などと生意気なことは言えないかもしれない。ただのプロンプトであるが、以下がそれ。

以下の構成カツ各人に名前を付けてショートストーリーを創作してください。

一卵性双生児の双子がいる。
仲も良いが喧嘩もする。
二人はいつも同じ格好をしているので見分けがつかない。
小学生時代に大喧嘩をして兄が大腿骨骨折した。
高校時代海に遊びに行き、二人は海で溺れた。パニック状態になり、それがきっかで二人の魂が入れ替わってしましった。
しかし、双子があまりに似すぎているため周囲の人間も本人達すらもそのことに気づかなかった。
ふたりとも意識がなくそのまま入院したが、命をとりとめた。
双子は同じ見た目だが、弟には彼女が居た。
彼女は心配いで泣きじゃくったが、弟の意識が戻り一安心した。と同時に弟に対してある種違和感を感じたが、それが何かはわからなかった。
あるひ、弟と女は映画「君の名は。」を一緒に観た。「オレと兄貴と入れ替わったら面白いよな」などと冗談を言った。
それから数年、皆、社会人になり、弟と女は結婚をし、家庭を築いた。
それがそれは幸せな家庭であり人生だった。
ある日家族で川遊びへ出かけた。男の娘が川で溺れかけていたので、助けようと男は川に飛び込んだ。
娘は助かったが、悲しいことに男は帰らぬ人となった。
葬儀を終え、女は夫の遺骨と対面した。
遺骨を整理する葬儀屋が言った。「ご主人は昔大腿骨骨折をされたようですね。ほら、ここに痕が残ってます。」
その言葉で女はすべてを悟った。
女は最後に呟いた。「あなたはあなたですよ。ありがとう。」


※追記
心が入れ替わったというよりはそっくり体が入れ替わっただけ。ですので、「少しずつ変わっていった夫の仕草」は違うと思います。
入れ替わったことに、美咲以外、親も本人も気づかなかったことを取り込んでください。最後はありがとうと締めくくりたい。泣かせるような落ちが良いですね。

他にも途中で指示を出した。結果が以下。

本ストーリーは、双子が海で溺れ意識が遠のき何等かの超常現象により二人の心が入れ替わったというところが肝なのであるが、それを明文化せずに読者に分かってもらえるように書きたかった。

次に心はどこかにあるのかという命題。現在の考え方では、心は、脳や心臓の一箇所にあるのではなく、身体の要所要所に分散されているらしい。

故に超常現象的に心が入れ替わったとしても、元の身体に何かしら心の一部が残っているのではないか、それ故に美咲は違和感を感じたのではないか、という演出をしたかった。そこで、美咲は心がどこにあるのかという問いかけをしたのである。

両親でも間違えるほどそっくりな双子。本人達ですら心が入れ替わったことに気づいていない前提。それでも美咲は違和感を感じた。そして体は義兄のものであると知った。

現実に起こり得ると仮定して、このような事実を知ったら誰でも何らかのおぞましさを感じるかもしれない。

しかし、美咲は、夫の心は中学時代から付き合っている翔太のものであったことが何より嬉しかった。心は変わっていなかったのだと。


というストーリーを仕立ててみたかった次第です。

ではまた。


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