うなげろりんが好きだ

『マユリカのうなげろりん!!』が好きだ。

兵庫県出身の幼馴染コンビであるお笑い芸人・マユリカによるトーク番組、うなげろりん。今や芸人Podcastの代表格となり、もはや紹介不要の人気コンテンツと言っても過言ではない。

だからこそ思う。すでに160回ものアーカイブが存在するこの番組を、これから聴き始める人に「波に乗り遅れたかも」だなんて思ってほしくない。

今回は、個人的な趣向で選んだうなげろりんのおすすめ回を挙げていく。誰かにとって、琴線に触れる回と出会うきっかけになりますように。

#118 腹ハラ/#120 愛のバクダン

まずはマユリカの二人の関係性がうかがえる2本を。「お前って昨日あったことを俺に全部言ってくれるやん」とトークの口火を切った阪本さん。冒頭から不穏な雰囲気が漂う中で、報告魂たくましい相方・中谷さんから聞かされてきた具体例を挙げていく。「『お肉』がトピックのトークのオチが『美味しい』」「これを聞かされるのは何ハラスメントにあたるのか」とうとうとそう問い掛け続ける、Podcastらしい緩やかな笑いに満ちているのが#118だ。
それを踏まえて聴きたいのが#120。トークの入りで「これ前に聴いたな」という感覚になるのがすでに面白い。とある希望があるという中谷さんに、「こてんぱんにしてやる」と強気の姿勢で臨む阪本さん。何故か徐々に追い込まれていく中谷さんと、ニヤニヤした阪本さんの顔が浮かぶ後半の展開が妙に心地いい。
※#118の該当のトークは9分31秒あたりから


#105 日記帳

公式でもおすすめされている、中谷さんの若かりし頃の内面が曝け出される必聴回。中谷さんが綴っていた日記の一部が晒されるこのシリーズ、ぜひ#2から聴いていただきたいが、個人的にはお笑いコンビ・マユリカ誕生当時の様子が垣間見れる#105が気に入っている。ケタケタ笑いながら日記を読み上げていく阪本さんだが、その中にたまに現れる10数年前の「阪本」は、中谷さんに負けず劣らずしょうもない。金も仕事も能力もまだないけれど時間だけはある、そんな若々しさに頬が緩む。


#119 ウス

モーニング娘。の野中美希さんの大ファンである阪本さん。番組側が折に触れて野中さんとの接点を作ってきたつながりで、コンビ揃ってライブに行ったマユリカ。中谷さんに向けて「お前にも好きになってほしい」と意外にも素直に言う阪本さんだが、普通のコンビではあまりない感性に思えて仕方がない。終演後にメンバーと挨拶する機会をもらったというエピソードトークにて、「自分のキモさ」を振り返る阪本さんの言葉選びと表現が秀逸。#100では野中さんがスタジオゲストとして出演しているが、面白い阪本さんはいないのでご留意を。
※該当のトークは10分45秒あたりから


#47 とりもち/#93 3Pって何がいいん?/#95 くんくんくん

うなげろりんといえば、の下ネタ回3本セット。下ネタトークを十八番とするような芸人は他にもいるだろうが、こんなにも自分の下半身事情を赤裸々に、ギリギリのラインを攻めつつ語る番組があっていいのか。#93については説明不要だが、#47、95のタイトルが何を指すかはぜひ自分の耳で確かめてほしい。#95は、Podcastで聴いた後はYouTubeの動画版で「答え合わせ」するのも楽しい。類似に「#160 トマトと春巻き」があるが、なかなかに玄人向けなので上記3本で耐性をつけてから聴くことを強くおすすめしたい。


#14 単価を上げないと(ゲスト:滝音)

マユリカのNSCの同期である秋定さんが組んでいるコンビ・滝音のゲスト回。中谷さんがコロナ関連で欠席となり、阪本さんと滝音の二人によるリアルなトークが興味深い。「同期に売れてほしくない」と思っていたという若手時代、「ギャラの単価を上げたい」と熱望する収録当時。約3年前に収録されたトークを今聴くと、二組の活躍がより一層うれしくなる。近しい距離の三人ならではのトークは、お笑い好きにとってはありがたいことこの上ない。


#22 DとE(ゲスト:ロングコートダディ)/#23 店長(ゲスト:ロングコートダディ)

またもや中谷さんが欠席となった2回。今回のゲストはマユリカの先輩であるロングコートダディの二人。普段は中谷さんにとって優位気味な阪本さんが、仲の良い先輩たちに翻弄される様子が新鮮だ。私が特に好きなのは#23。独特の空気感を持つロングコートダディの兎さんを中心に展開されていく引っ越しと「魚を飼いたい」というトークは、あまりにも雑談すぎるのになぜか何度でも聴きたくなる。上記で紹介した#14でも兎さんのエピソードが登場するが、後輩から好かれている様子がよくわかるのであわせてぜひ。

今回は10本紹介したが、私はうなげろりん全体に漂う「二人のワードセンスの良さ」と「隠しきれない友達感」が好きだ。些細な一言がずっと印象に残ったり、無意識の会話の中に二人の関係性が透けて見えたり。気付いた時にはクセになっている、うなげろりんの世界の住人がもっと増えていくといいなと、いちファンとして思う。


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