1月14日夜
人生に意味を問うたって意味がない。人生が意味を与えてくれるわけじゃない。意味を探すのが人生だもの。
ぼくなんかいまだに分からないよ。きっと分からないまま、最後の瞬間に、これが人生か、と思えりゃいいけど、どうだろう。
ぼくがぼくとして生きるのは、1回限りだもの。これがぼくの人生。それは確かにあった、と言えるだけだもの。
こんな人生はクソだ、と君は自分で幕を引いたんだろ。許しがたい決断だけど、今となってはね。
ぼくと、君の好きなお母さんの子として生まれてきてさ、少しは面白いことがあったかなあ。あってほしいとは思うけれど、これもね、今となってはね。
君も知ってるNさんから、どう? という電話あり。再々の気遣いに、少し落ち着く。
君にも一緒に泣ける友人がいたなら、こんなことにはならなかったのだろう。君が苦手なら、ぼくが友達づくりを手伝ってやりゃよかった、と思う。
要は、ぼくは君を大人になれとせかしていた。でも君は、大人になるのが怖かった。そういうことじゃないのかなあ、という気もしている。
列車に飛び込む勇気がありゃ、何でもできるのに。でも、それができないのが、うつ病という病気のようだ。列車に飛び込む方が楽だなんて、そんな恐ろしいことがあるか。
うつ病の怖さを、残りの人生でみんなに伝えていくよ。昨日まで元気そうだった人が、今日命を絶ってしまう。今ならあれがサインだったか、と思い当たることもあるけれど、その時は分かんないもの。みすみす見逃してしまうもの。
ぼくの経験を、他の誰かのために役立てられないだろうか、と今は思っているよ。面倒だけどね。
君が途中退場した人生を、ぼくは生きて生きて生き抜いてやろう。ぼくはあれから、まずまずやったぜ、と君に自慢できるように。
でも、君と再会しても、お互い分かるのかねえ。その点はちょっと心配だねえ。