自分はじぶんで変えなくても大丈夫。 ―ヒトはなぜ不安になるのか―

 ヒトが不安になったり、ストレスを感じるコトには、ちゃんとした理由があった。
不安になるのも、ストレスを感じるのも、人間から取り除いてはならない機能らしい。

 不快な刺激を受け取ると、扁桃体が反応し、脳の視床下部(Hypothalamic)がCRH(コルチコロトピン放出ホルモン)を放出し、脳の下垂体(Pituitary)が刺激され、下垂体(Pituitary)がCTH(副腎皮質刺激ホルモン)を放出することにより、副腎皮質(adrenocortical)からホルモンの1つであるコルチゾールが分泌される。感情をつかさどる側頭葉は扁桃体の強い働きによって、大脳前皮質の前頭葉、短期記憶を長期記憶にする役割をもつ記憶の中枢である海馬とのバランスが崩れ、感情的・突発的な行動に出て、思いもよらぬ代償を払う可能性もある。
 前頭葉や海馬による抑制をはねのけて扁桃体が暴走すると、これまでの経験からなる理論的な思考ができなくなる。これが不安のメカニズム。いってしまえば、大脳前皮質にある前頭葉と扁桃体の綱引きと海馬と扁桃体の綱引きで前頭葉と海馬が扁桃体を下すことができれば、不安はなくなるのだ。不快な刺激によるコルチゾールの血中濃度が上がらなければよいし、新生神経細胞(ニューロン)の遊びをアミノ酸GABAによって止めればよい。
 脳の細胞は死滅するが、新しい神経細胞を自分で生み出すことが可能だ。感情の起伏が激しくなるのも、衝動的になるのも、常に何か悩んでいるのも扁桃体の凄まじさに圧倒されているだけ。脳は可塑性が高い臓器。同時発火っした新生神経細胞(ニューロン)のつながりが強くなり、同時、不要となった神経細胞のつながりを断つ〈刈り込み〉をすれば、誰でもじぶんを大切にできる。

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