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わたしのおじいちゃん

ふと、祖父のことを考える。 あらゆる布を煩わしく感じるような猛暑日でも、祖父はいつも「寒い」と言い長袖に毛布をかぶっていた。 クーラーは入っているが、熱中症にならないか心配になる。世話焼きな祖母が定期的に声をかけ、ポカリを飲ませているから大丈夫か……。 布越しに浮かぶ、骨と皮になった腕や脚を見る度に、いつの間にこんなに痩せ細ってしまったのだろうと心がくにゃりと歪んだ。 バスの運転手をしていた祖父は、私が生まれた時には家にいた。 車で5分のところに住んでいて、0歳〜7

    • わだかまり

      WBC決勝戦。 松坂大輔さんが当たり前のように発した言葉 「野球少年、野球少女」 瞬間、胸がカッとなって熱くて、苦しくなった。 忘れようと努め、時間をかけ奥深く沈めたはずのものがフツフツと沸き立ちはじめたのを感じたのだ。 私には1歳年下の弟がいる。 当時、幼稚園から帰ると、弟と隣に住む2歳年上のお兄ちゃんと一緒にサッカーや野球をして遊んだ。飽きもせず、それは私がスポーツ少年団でバレーボールを始める小学4年生の頃まで毎日のように続いた。 幼稚園児の私は、何も疑問に思うこ