勝手に泣けるってそういうことなのかも
まず。江國香織の風に舞いあがるビニールシートってお話が私は好きで、学生時代から事あるごとに読んでいて、しょっちゅう泣いて、私の中では泣きたい時に読む話くらいの位置付けになっています。度重なる引っ越しでも捨てられず残った精鋭たちのうちのひとつ。
次に。私、国連とかユニセフとかの募金系に弱くて、働き始めて自分1人食べて行くのに余裕が出来てきた頃から、気分で募金していました。貯金や保険なんて思い付きもしなかったし、結婚って好きな人と一緒に紙切れ提出するだけでしょ?だった頃。セックスは好きだけど私[なんか]の遺伝子残したってマジで意味ないしって心から思っていた頃。
でも、私の中で、この2つは全く結びついていませんでした。江國香織はあくまでお話の中のことで、イスラエルもパレスチナもきっとどこまでも現実なんだろうし。だいたい地理も歴史も苦手、英語の授業は好きだったけどカタカナは覚えられない、宗教は興味あるのにテレビの池上彰と旦那に助けられてノート書いてやっと理解出来る程度…今もイスラエルとパレスチナの説明は出来ません。全然胸張れることじゃない。わかってる。大人なのに。でもだから私に出来るのは頭の良い人と現地に行ける人へ、先月自分が生きて余った分のお金を差し出すことくらいだ、って、思ってた。思ってたんだけど。
独身の頃、募金しまくったからか久しぶりに国連からお手紙。助けてって。でも、今の私は貯金も保険も節税も知ってて、結婚していて子供もいてこの先夫婦でいくらくらい稼いでいくらくらい子供にお金を掛けて日々の暮らしにいくらくらい使っていくか。二人で話をして、ざっくり計画を立てて生きている。もう私の独断でぽんぽん募金は出来ないので(気分的に)、夫に話してみることにした。
もちろんこれまでも何度かお手紙は来ていて、何度か募金はしたし、その都度夫からは言われていた。根本を解決しないと何にもならないんじゃないの、って。戦争して助けてって繰り返すんじゃなくて戦争そのものを無くすよう働きかけるべきなんじゃないの。意味がないとは言わないけど。って。国連はアメリカに本部があってアメリカは今回の戦争ではロシア側で…?って、この辺ですでに私の興味は薄れてしまっていてそんな自分が本当に残念なんだけど、つまり夫的には私の募金活動にあまり意味を見出だせないようで。でも私のお金だから募金自体は止めないし、好きにしたらと思っている、ただ自分はこう思っている、と、今回も話してくれました。
興味がないので覚えられないだけで理解は出来る。でもね、風に舞い上がるビニールシートは後を絶たないんだよ、と伝えたら、でっかい石を重石にするんじゃなくて家を建てて守る必要があると。網戸ばっかりだから舞い上がるんだよ、って。じゃあ家を建てるためには具体的にどうすればいいと思う?私達に何が出来る?やっぱ教育かね、選挙かな、って辺りでお互い眠くなって話はおしまい。でもこうしている今も、食べられなくて今日を生きることが出来ない人はいるのに。
事象を説明するだけなのに、なんでか知らないけど勝手に涙が出てくるってことは、私、なんとかしたいんだなって、ここへきてやっと思った。江國香織も国連も私の中で全く別の場所にカテゴライズされていたのに、急に同じ引き出しに入って来て。直接ご飯をあげたい。短くない期間を管理栄養士として働いてきて、そろそろ人生全体を俯瞰して見る年齢になって、この人生のどこかで、日々のご飯が食べれてない人にどうぞってしたい、私は。それもなぜか日本じゃなくて。日本にも食べれてない人はいるのに。
長い長い前置きでしたが、そのために今私に出来ることは、毎日運転中や料理中に聴いているPodcastを英語のリスニングに変える事なのでした。実際に外国へ行くことが出来るのは5年後くらい?1年間は無理でも1ヶ月なら家を空けられるかも。1週間。2泊。転職、大人のインターンシップ、ボランティア。調べればいくらでも情報は出てくる。今まで知ろうとしなかったんだなと気付いた。
そんなわけで、私の、いま始めたいこと。まずは英語。そして、情報収集。始めるなら今、な気持ち。人生全体を考えるようになったら目前の仕事も別の見方が出来て、捗るから不思議。
今だけかもしれないし、何にもならないかもしれない。高すぎるハードルを見上げて終わるかもだし動く元気なんて残ってないかもしれないけど、でもやりたいんだよ。だって毎回勝手に泣けるってきっとそういうことなんじゃないかなって、思っちゃったんだもん。ついでにずっと心に引っ掛かっていたピアノもまた弾き始めています。
そんな最近にちょうど#いま始めたいこと募集やってたので、文章にまとめてみました。全然まとまってない。長い。精進します。