はねる胸元
色っぽい話じゃない。
ぼけっとYouTube見ながら、カップヌードルを食べた。
その時キャミソールを着ていて、ずずっと麺をすすったら
スープが跳ねて、胸に落ちた。
すげえ熱い。
色っぽい話ではない。
麺はまだ口とカップの中をつないでいる。
でも熱いことに頭がいっていて箸がうまく動かせない。
麺をすすることもできない。
でも胸は熱い。すげえ熱い。
大丈夫。口の中はそんなに熱くない。
むしろ幸せ。
スープの熱が胸の上で冷めない。
情熱の熱いスープ。
色っぽい話じゃない。
なんだよ情熱の熱いスープって。
なんとか麺を飲み込んで
ティッシュペーパーで胸を拭いたが
胸にこぼれたスープのせいで
3分も待ったカップヌードルを味わうことなく半分食べ終わってしまった。
スープが胸に落ちたせいで、最初の美味しいところをすっ飛ばしてしまったのだ。
色っぽいどころのさわぎじゃない。
悔しい。
どうしてくれるんだ。
カップヌードルは有限なんだぞ。
がっかりしてばかりはいられない。
半分残ったカップヌードルを味わわなくてならない。
食べ始めより、少し柔らかくなった麺。
スープの味を吸い込んでいる。
花を添える具材のみなさんも最初より柔らかくなっている。
素晴らしい。
色っぽい話なんてしている場合じゃないのだ。
カップヌードルは待ってくれない。
カップヌードルは前半が美味い。
後半も美味い。
ひと夏の恋どころか、15分くらいで終わってしまう。
3分も待つのに。
さっきから3分も待ったと何度も書いているが
私は3分待ったことがない。
2分待ったらフタを開けて麺を混ぜてしまう。
麺の少しかたいところが好き。
スープもさらさらしていて、麺となじんでないところも好き。
まだかたい謎肉も食べないといけない。
謎肉は2回楽しまなくてはならない。
絶対だ。
フタを止めるシールを捨てる人とは絶対に仲良くなれない。
上司がそうだった。
シールを捨てているのを見て、嫌いだったのがさらに嫌いになった。
仕事の昼休みに、デスクで美味そうに
トムヤムクンヌードル食いやがって。
サポート頂けたらとても嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたしばす。