NHK大河ドラマ 私のベスト3
2025年は「べらぼう 蔦重栄華乃夢噺」
2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう 蔦重栄華乃夢噺」が始まった。
今回の主役は横浜流星さん。2,3年前にNetflixの「新聞記者」で、新聞配達の就活生を演じたの見た時から彼にきらめくものを感じていたので、この1年どんな蔦屋重三郎を演じるのか楽しみだ。
また大河ドラマは将軍や武士など勇ましい主人公が多かったが、今回は江戸時代のメディア王とのこと。江戸時代のコンテンツビジネスに興味津々である。
NHK大河ドラマ
私の育った時代、昭和はテレビの全盛期で、家族団らんの中心はテレビだった。そして日曜日の夜はNHK大河ドラマを見て、月曜日は学校や職場でその話題で盛り上がるという風景が多く見られた。
しかし我が家は違った。両親が大河ドラマに興味がなく、私も特に歴史に興味が無かったので全く見なかった。教育熱心な親なら、「これ歴史のお勉強になるから見なさい」とぐらい言いそうだが、ウチの親は放任主義で、裏番組の『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』なんかを見て一緒に笑っていた。
そんな私が大河ドラマをなぜ大河ドラマを見るようになったのか
2011年に東日本大震災が起こり、特に福島第一原子力発電所がある福島県は甚大な被害を受けたが、その福島県を励まそうと2013年に「八重の桜」が放送されたところから始まる。
「八重の桜」に始まり、どうしても見続けられなかった作品も2,3あるが、過去10年ほぼ見てきた。大河ドラマとなると、主演者の方々の熱量が半端なく高く、1年あるからというのもあるが、描き方が丁寧であるように思う。また子どもの時は日本の歴史に興味がなかった私だが、教科書に載っていたことが、ドラマ故の脚色もあるが、ほぼ史実に忠実に描かれ、遅ればせながら歴史の勉強もできるところも魅力の1つだろう。
その中で、2013年以降の作品で良かったベスト3を挙げてみよう。
八重の桜(2013年)
大河ドラマを見始めたきっかけの作品である。幕末の混乱の中で、八重を含む庶民が、お上の方針に翻弄される姿が描かれていた。会津(福島)はこの時もこんな苦境にあったのかと胸が痛くなった。そんな中にあっても、綾瀬はるかさん演じる八重が強く生きていく姿に感動。
またオダギリジョーさん演じる新島襄が学生の過ちは自分の責任と、右手ににぎった杖で自分の左手を何度も打ち付けたシーンは圧巻だった。
放送が終了した翌年、福島に行って、鶴ヶ城や白虎隊が自刃した飯盛山を訪れた。
西郷どん(2018)
これも幕末、明治維新の混乱期を描いた作品。鈴木亮平さん演じる西郷隆盛がとにかく豪快な人物で、大久保利通と友情を深めたり、薩摩藩主の島津斉彬と出会ったり、また島流しされたりと、波乱の人生がとても興味深かった。瑛太さん演じる大久保利通と最後は反目するが、西郷が西南戦争で亡くなったことを知った時の大久保の悲しみの演技は秀逸だった。また島津斉彬ほど目立つ役柄ではなかった島津久光を演じた青木崇高さんもいい味を出していた。
この作品には、当然のことながら鹿児島弁がよく出てきた。「じゃっどん」とか「~しもんそ」とか。始めはテレビの字幕が必要だった。
いだてん ~東京オリムピック噺~(2019)
中村勘九郎、阿部サダヲさんのダブル主演。日本で初めてオリンピックに参加した男と、日本にオリンピックを招致した男を演じた。2つの時代を描いたのは新しい試みではないのか。2人のバタバタが時代のバタバタとよくシンクロしていたように思う。
日本のオリンピックへの初参加の裏話や、マラソンの勝負の奇想天外な結果に驚かされた。また東京オリンピックの時代は、大河ドラマの中で最も現代に近い作品なので親近感が持てた。
また日本橋のたもとにあるバー「ローズ」のママ役マリーを演じた薬師丸ひろ子さん。マリーはいてもいなくてもストーリーには何の影響もないのだけれど、番組にぴりっとスパイスが加わってとても素敵だった。あの役はやはり薬師丸級の女優でないと演じられない。
以上、3作品を挙げたが、「軍師官兵衛(2014年)」や「青天を衝け(2021年)」「鎌倉殿の13人(2022年)」も楽しく見た。いつもビデオに録画して後から見るが、これらの作品は早く見たくて録画がたまっていくことがほとんどなかった。
今年の「べらぼう 蔦重栄華乃夢噺」はどうだろう。日曜の夜を飽きさせないでくれるだろうか。