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社内ルール・規程を形骸化させないためテクニック【品質保証】

品質保証や品質管理部門の重要な業務の一つに、社内の品質に関わるルールや規程の作成があります。しかし、ただルールや規程を作成すればよいと思っているのは大きな間違いです。どんなに優れたルールを作っても、それが形骸化してしまうと意味がありません。そこで本日は、作成したルールや規程を組織にしっかりと浸透させ、効果的に機能させるための文書作りのコツをお伝えします。


1. 書式を整える

「書式なんて見た目だけの問題」と思うかもしれませんが、それは大きな誤解です。書式が整っていると、誰が見ても公式な社内文書だと分かり、「しっかり守らなければならないルールだ」と関係者に伝わります。

書式を整える際には、以下の点を意識しましょう。

  • 適用範囲改訂履歴を文書に残す。

  • 他のルール文書との関連性が分かるように、文書に附番をつける。

  • ファイル名称は具体的かつ内容が分かるものにする(「品質に関するルール」などの抽象的な名称は避ける)。

特に電子ファイルとして社内のイントラにアップロードする場合、ファイル名が曖昧だと中身を確認してもらえません。結果、ルールが浸透しないという事態を避けるため、名称は一目で内容が分かるように工夫しましょう。


2. 文書の目的を明記する

ルールや規程には、その文書が「何のために、誰のために作られたのか」を明記することが大切です。目的が明確であれば、ビジネスモデルの変化や時代の流れにより、ルールが古くなったとしても、その方針の真髄が伝わり、守るべき重要なポイントが理解されます。

また、文書を見直す際や後輩が改定する際にも、目的が明確に書かれていれば、方針を踏襲しながら適切に更新できます。


3. アクセスしやすい場所に保管する

ルール文書を作成したら、誰でもすぐにアクセスできる場所に保管することが重要です。製造現場の物理的な文書であれ、電子ファイルであれ、保管場所が分かりづらいと誰もその文書を見てくれません。

よくある失敗例として、フォルダの中が迷路のように複雑化して、重要なルール文書が埋もれてしまうことが挙げられます。これではせっかく作ったルールも無駄になってしまいますので、誰でも迷わず見つけられる格納場所を確保しましょう。


4. 分かりやすい文章にする

ルール文書だからといって、あまりに堅苦しい表現や専門用語ばかり使うと、読む側が敬遠してしまいます。ルールは読んでもらって初めて意味があります。できるだけ分かりやすく、簡潔な言葉で書くことが大切です。難解な文書は実行されにくく、形骸化する原因になりかねません。


5. 作成した担当者や担当部門を明記する

文書を作成した担当者や部署を明記しておくことも忘れてはいけません。文書を読んでいて疑問が生じた場合、作成者が明確であればすぐに問い合わせができ、スムーズに問題が解決します。逆に、作成者が分からない文書では、疑問点を放置されがちです。
組織がよく改変されるような会社では、特に注意が必要です。


まとめ

今回は、社内ルールや規程が形骸化せず、組織に浸透させるための文書作りのコツをご紹介しました。書式の整備、目的の明記、分かりやすい保管場所、分かりやすい文章、そして作成者の明記といったポイントを押さえることで、ルールや規程が実際に現場で活用される可能性が高まります。

より効果的な文書を作成し、品質活動に活かしていきましょう。
もっと品質保証がリスペクトされる日が来ますように。

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