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家事をラクにするための収納術【料理編③食品ストックの収納・管理】
シリーズでお送りしている「家事をラクにするための収納術」の3回目。
前回は冷蔵庫の整理についてお伝えしました。
今回は、意外と収納場所に困るレトルト食品や乾物類、乾麺、缶詰などの食品ストックの収納・管理についてお話しします。
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食品ロスを減らすための「定位置決め」
食品ストックの収納場所は、使い勝手と家事動線を考えながら定位置を決めていくことが大切です。
定位置が決まれば在庫管理がしやすくなり、食品ロスも減っていくでしょう。
パントリーがない家庭では、キッチンに食品ストックや保存食などを収納するスペースが少ない場合が多く、やむを得ずキッチン以外の場所に保管しているという話をよく聞きます。
キッチンでもキッチン以外でも定位置がなく、空いているスペースに「なんとなく」収納しておくのはNG。
どこに保管しているのか忘れてしまい、いざ使おうと思ったときには消費期限が切れていたなんてことも…。
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こういった食品ロスを防ぐためには、適切な収納場所と定位置管理がとても重要なのです。
出し入れしやすく、何が入っているかひと目でわかるように
使い忘れをなくすために大切なのは、食品の「見える化」です。これは冷蔵庫整理のnoteでもお話ししたように、食品を積み重ねたり、手前から突っ込んだりすると、底のモノや奥のモノが見にくくなってしまいます。
最初に視界に入ってこないモノは忘れてしまいがち。
「見える化」を実現させるには、自立しないパッケージの食品はジャンルごとに分けた収納ボックスを用意し「立てる収納」にすることをおすすめします。
個包装されているモノは箱や袋から出してボックスにまとめて収納しておくと在庫管理がしやすくなるでしょう。
種類がいくつかある場合は、種類ごとに仕切りを使うと取り出すのが簡単になります。
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また、保存容器は透明のキャニスターやケースを利用し、中身の残量がすぐにわかるようにすると買い足すタイミングを逃しません。
フタが透明でない容器の場合は、フタに食品名を書いたラベルを貼っておくと家族全員が把握しやすくなります。
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実はキッチンに収納する必要がない食品も
食べ物だからキッチンに収納しなければならないと思い込んでいる人もいますが、必ずしもキッチンにすべてを収納することが正解とは限りません。
収納は「使う場所に使うモノを置く」ことが基本。その場にないから、使い忘れや食べ忘れが増えるのです。
たとえばスナック菓子のような袋物のお菓子は、お皿に出さずに直接袋から出して食べるほうが多いのではないでしょうか。
それならば、キッチンにお菓子を取りに行くよりもダイニングやリビング周りに収納しておいたほうがすぐに食べられてラク。
袋菓子専用の収納ボックスを用意し、まとめて入れておけば在庫管理もしやすくなります。
ペットボトル飲料や缶飲料などをまとめ買いした場合は、パントリーのないキッチンだとキッチン内にストックまで保管するのは難しいでしょうから、玄関からキッチンの動線上に収納スペースを確保することをおすすめします。
玄関近くに防災備蓄品をまとめているなら、一緒に飲料ストックを収納しておくのも1つの手です。
その場合は、ローリングストック法で消費していくことを意識すると消費期限切れを防げるでしょう。レトルト食品や缶詰も同様です。
ただし、レトルト食品や缶詰を頻繁に消費する家庭に、この方法は向いていません。いちいち取りに行くのが面倒になりますから、キッチンに収納したほうが効率的です。
あるいは分散収納にすれば、普段使いにも備蓄にもなり安心かもしれません。
食品ストックの衛生管理に注意を
消費期限内でも食品の管理方法に問題があると、カビが発生したり腐敗が進んだりする可能性があります。
そこで食品の衛生管理において注意する点をいくつか挙げておきます。
●湿度の高い場所は避ける(キッチンのシンク下や水回りの近くはカビやすい)
●段ボールに入れっぱなしにしない(湿気を吸収して虫やカビが発生しやすい)
●洗剤と同じ場所に置かない(誤飲や誤食、臭い移りを避けるため)
正しい方法で保管して、食品をムダにしないように心がけてください。
「定位置決め」と「見える化」で使い忘れのない食品収納に
食品ストックの収納は、家事の動線上に収納場所と定位置をしっかりと決めて「見渡せる収納」にすることがポイントです。
実は、わが家にはキッチンにパントリーがないため、試行錯誤を繰り返しながら食品収納の最適解を探してきました。
人によって正解は変わりますが、ご紹介したわが家の収納術で参考になるところがあればぜひ試してみてください。
時短家事全般の話はこちらのnoteをお読みください。
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【プロフィール】
藤野こと
整理収納アドバイザー、住宅収納スペシャリスト。片付けコラムニストとして整理収納や時短家事の記事を多数執筆。家事は「素早くラクに」がモットー。生活動線を短くして楽家事となる仕組みづくりを考えるのが得意。個人・企業向けに片付けのコンサルティングも手がけている。フランス語の翻訳家としても活動し、翻訳本には『feel FRANCE100〜写真と言葉で感じるフランスの暮らしとスタイル』などがある。神奈川県横浜市在住、夫と息子の3人暮らし。
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