北欧ライフスタイル〜心地よい暮らしを送るためのヒント3-①自分らしいMYSIGミューシグを集めた住空間へ
1MYSIG( ミューシグ)
スウェーデンの言葉にMYSIG( ミューシグ)があります。日本語に訳すと「ここちのよい、リラックスできる、ほっこりする空間や時間」といったニュアンスで表すことができます。
スウェーデン訪問時にはミューシグな時間を共有することが多いです。
この夏のスウェーデン訪問時も、友人に連れられ森をハイキングしました。
友人は目的地を言わず、ずんずん奥へ進んでいきます。
「ちょっと!あとどれくらい歩くの?」
そう思った瞬間視界が広がり湖が現れました。
水面は鏡のように美しく息を呑むほど、時折ヨットやボートが現れますがそれ以外は無音の世界。北欧の沈まない太陽が深緑の湖面に反射してオレンジ色に輝いています。
岩盤に腰かけて、ただずっと先を見つめるだけのミューシグな体験。
友人はガイドブックには載ることがない、自分だけのとっておきの場所を教えてくれたのでした。
「ここちよい」とは、自分に向き合い素直になってリラックスする、そのようなことを意味するのではないでしょうか。
スウェーデン人にとってミューシグは、暮らしの中でとても大切にしているキーワードだと思います。
2北欧の長い冬について
北欧は日本に比べ緯度が高く、夏はいつまでもおひさまが沈まないですが、冬はその反対で、日照時間が非常に短いです。比較的南に位置するスウェーデンの首都ストックホルムでも12月は日の出は8時頃、日の入りは午後3時前になります。
実際11月、12月の北欧へ行った時のことです。
まだ2時なのに日か沈みだすと、視察でぎっしり予定を組み込んでいる私でさえ、もうホテルに帰ろうかなと思うほど行動力が落ちてしまいました。
北欧で生まれた人たちもやはり厳しい冬には工夫が必要だと皆口を揃えて言います。
北欧では寒く暗い冬期間が長く、必然的に家の中で過ごす時間が多くなります。
長く過ごす場所で少しでも居心地よくしたい、そのような思いから住空間のセンスが磨かれていったのでしょう。
3北欧のライフスタイルから簡単にミューシグ(ここちよい)な家になる工夫3つ
・手触りの良いインテリアファブリックやブランケット
北欧訪問でMYブランケットという言葉を知りました。
1人1枚ブランケットを用意して起き抜けに羽織ったり、毛布のように使ったり様々だそう。
私も北欧ブランドの大判ブランケットを何かと重宝しています。
在宅ワーク時はひざ掛けとして、ソファーでくつろぐまどろみタイムのお供として、使わない日はありません。
大判のブランケットは身体に巻きつける用途だけでなく、インテリアのアクセントにもなります。ソファーにかければアクセントとして、ベッドのスプレッドとしてインテリアのエッセンスになります。
クッションカバーも暖色系や、モコモコふわふわ素材を選んで、ほっこりミューシグな空間に早変わりです。
・自分のスペースとマイマグカップ
お家に自分だけの、お気に入りの空間はありますか?決して広くない我が家ですが、ソファーには私の定位置があります。その対角には愛犬がいつも陣取っています。私の定位置から部屋全体が見渡せ、気分よくくつろげるコーナーになっています。
そこへ腰かけて旅先で集めた、お気にいりのマグカップを掌で包みながらコーヒーを飲む、ゆったりとした時間が大好きです。
たったこれだけのことで日常のミューシグは叶えられます。
日々の暮らしの中でミューシグを意識して実践してほしいです。
・キャンドルと照明
北欧の冬は厳しいですが、実は冬の夜道は格別です。
北欧の住宅はほぼカーテンをかけません。暗くなるとどのお宅からもオレンジの優しい光が窓からもれます。
真っ暗な凍てつく夜道をオレンジの優しい光が雪に反射して、とても美しかったことを覚えています。
北欧の灯りはとても穏やかでここちのよいものです。
日本人は瞳の色や生活リズムが違うので、北欧のように毎日灯りを楽しめないかもしれません。
例えば時間にゆとりがある週末は…
シーリングライトを消して間接照明ですごしてみる
キャンドルは火の扱いが不安だけどLEDキャンドルで代用してみる
工夫次第でここちのよい照明演出は可能です。
考えるより行動に、一度試してみてはいかがでしょう。
デンマークのプロダクトデザイナーから教わった言葉を皆様にシェアします。
「昼間と同じ灯りにしなくていいんじゃない、夜には夜に似合う灯りがある。」
自分がリラックスできる過ごし方を北欧の人たちはよくわかっています。
それは自分の気持ちに素直で忠実だからかも知れません。
暮らしの中に私のミューシグをたくさん集めていきたいですね。