【サブスクよもやま話No.10】独占配信期間の短縮化とささ恋の円盤の話
今回は久しぶりに定期的書いている独占配信についてです。
一応書いておくと別にこの話題の閲覧数が良いとかそんなことでもないし、同じ話題について何度も書きたいわけでも無いです。
ただこの独占配信と言う一大ジャンルは1年、数か月単位で結構構図が変わるので面白いと思ってる(まぁ、あまり面白がることでもない気もする)
・さよなら独占配信
今年は元旦からいくつかの作品独占配信が解除された。独占が解除されてdアニメストアに追加された一例を挙げる。
括弧内は放送クールと独占配信元となっている。
・チ。-地球の運動について-(2024年秋アニメ/Netflix&Abema)
・らんま1/2(2024年秋アニメ/Netflix)
・キン肉マン(2024年夏アニメ/Netflix)
・物語シリーズオフシーズン(2024年夏アニメ/Abema)
・異修羅(2024年冬アニメ/Disney+)
・星屑テレパス(2023年秋アニメ/FOD)
・賭ケグルイ(2017年夏アニメ/Netflix)
星屑テレパスの約1年が独占配信解除の標準くらいで、賭ケグルイの7年はかなり遅い。
このレベルだと一生独占配信が解除されないかもと諦めるレベルだと思う。(この7年については後述します)
そのほかは1年未満と感覚的にはかなりスピード感が上がってきたと見える。
軽く作品単位で触れていきたいと思う。
チ。は連続2クールのため、2024年に1クール目が放送終了。現在2クール目が放送中です。
個人の観測の範囲だが放送中のクールの間で独占解除のケースは初めて見た気がする。
らんま1/2も早く、2024年12月に放送終了で元旦から配信。
1クール遅れているがキン肉マンも夏から秋に放送されて元旦から配信がスタートした。
キン肉マンは2025年1月から2クール目が放送されるので年始の休暇で追いつけるようになっていて、放送時期は未定だがらんまも2期放送前にリリースしているのは良いと思う。
物語シリーズは夏時点では配信アニメとしてAbema独占でリリース、9月から12月にかけてTV放送。
その後すぐに独占解除だったこともあり、こちらもほぼ独占配信のラグを感じない。
配信の形態や主題歌などなんやかんや言われながらも円盤も4000枚以上売り上げるのだから流石に凄い。
異修羅は放送からほぼ1年が経過したが、2期放送に合わせて独占が解除された。
これが出来なかったのが東京リベンジャーズの2~3期だと思ってる。Disney+も結構独占配信の手離れが良くなってきている印象。
・短縮される独占配信期間
このように独占解除までに7年かかったものもあれば、去年の作品などはほぼラグ無し放送終了の数週間後には独占解除とかなり振り幅がある。
ここの変化は各サービスが"独占配信"→"最速配信"へシフトしてきたと考えられる。
これについてはDMMかAbemaの担当者もインタビューで言っていた……(ごめん、ソース探せなかった)
また、DMMがアニメサブスクに参入する際のインタビューでも独占配信の期間を出来るだけ短くするようにしているとも言っている。
弊社ではいかにアニメファンに寄り添えるかに気を使っています。独占配信や先行配信についても海外のサイトであれば7年間独占とか長期的に独占することも結構ありますけれど、そうなると、他のサイトや地上波で見られることがないため、商品化の企画が動かないとか、そういうことも起こりえます。弊社はたとえ独占配信しても、1年ではなく半年でどうですかとか、3カ月ならどうでしょうかという形で作品にとってベストな方法は何かを窓口の会社とコミュニケーションを取らせてもらっています。
DMMは2023年参入なので業界全体がここから最速配信路線が加速し、独占配信期間が短くなってきたのかなと考察している。
このインタビューで7年と言っているのはまぁ、ほぼ100%でNetflixのことでしょう。
実際に亜人(2016年)は2024年の元旦、賭ケグルイ(2017年)は2025年の元旦に独占解除されています。
先ほど挙げた去年のらんま1/2、キン肉マンはすぐに配信でしたが、既に3~4年経過しているゴジラS.P(2021年)などは7年経過まであと数年かかる可能性がありますね。
この辺りはもう待つより加入して見なさいって話ですね。
ちなみにヴァイオレット・エヴァーガーデンは2018年放送なのでサブスク解禁日は来年元旦と予想します。
これ、当たったら凄くない???
コロナ以前に始まった長期独占配信とコロナ初期と鬼滅の大ヒットとは真逆路線をいってしまう結果になってると思ってる。
間口が広ければ広いほど浸透するのにそうもいかないのが過去の産物である。
製作・制作側としてはコロナ初期の巣ごもり需要とか考えると他サービスにもリリースしたかったでしょうが、恐らく配信開始時点で数年単位の契約だと思うので解除は難しいのだと思う。サブスク側からするとコロナ初期の爆発的な加入増加時期に強みになる独占作品があったのは大きいだろう。
いろんな制限があっても劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンなんかは大ヒットしましたし、サービスや独占配信の域を超える作品ってものも結構出てくると思う。
・加速する最速配信
今後もTV放送同時配信、30分先行速配信、1週間先行配信と細かい単位での最速競争が加速しそうな気がします。
現在だとNetflixでアオのハコが1週間先行で配信しています。
Abemaはリアルタイム配信があるため、TVに合わせてTVより少し先行してと結構枠を自由に使いながら配信をしている印象。
この加速する最速、先行配信のその先がTV放送より1クール先行とかかもしれない。
これは平家物語(FOD)、物語シリーズ(Abema)と同じ形ですね。
独占、最速配信については割りとこのくらいがMaxの落としどころなのかもしれないと思います。
ここから先1年以上の独占配信期間を設ける作品は減るかなと予想してます。
今回の秋アニメだと年末年始休暇にリリースになって一気見もしやすいですしね。
・【番外編】ささ恋問題
独占配信の話なので一応こちらにも触れておく、先日円盤のリリースの中止が発表されたがこれについて独占配信で話題にならなかったから円盤の予約数が伸びなかったみたいな指摘がチラホラとある。
個人的な感覚から言えば作品の良し悪しとサービスの大きさで円盤の売り上げが伸びるのには限度がある。それも限りなく伸びしろは小さいと思う。
2024年現在純粋に作品面白さ、クオリティで伸びるのは5000枚程度、あとは倍率の高いイベント申し込み券などが必須条件だろう。
円盤の購入は基本的にコア層に限られるため、購入者=Abema独占orTV放送でも見ていると言って良いと思う。
逆にAbemaで見れなかったから数万もする円盤を買おうと言う人は少ないだろう。
と言うことで、ささ恋が他サービスに展開していたとして売上枚数が格段に伸びるとは想像し辛い。これは他の作品にも言える。
実際Abema独占だった物語シリーズは話題性は過去シリーズより劣ったが4000枚近く売り上げた、これは同クールの一番売れたマケインとほぼ遜色ない。独占配信だから売れないと言うわけではない。
ただ、前者は過去の売れ行きから爆死と言われているのが少々可哀想ではあるが、独占配信でも売れるものは売れる。
配信サービスが多くて話題性があっても売れないものは売れない、現時点ではほとんど作品がこの枠にあてはまるだろう。
放送中に視聴が伸びたところですぐに製作費に還元され、完成度が高くなったりもしない。
今回の件ではクライドハーツが火の車だったのではないかと言われているが、正直火の車状態で放送開始して走り出した時点でもう止めることは出来なかったと思う。
この話題は悲しい事件だったね…で終わりです。
最低限製作期間を生き抜く会社の体力は必要だなと感じました。
ユーザーが買い支えれるのは完成、放送、何かしらのものが出てからになるのは歯がゆいことだなとお思う。
・まとめ
結構フラットな目線で見てると思ってます。
何度も書いてますがサブスクサービスが生き抜くために独占配信、先行配信はそのサービスの強みになるわけですから必須だと思ってます。
50作品放送されてAサービス50作品、Bサービス50作品、Cサービス50作品配信してるとユーザー的には1つ入れば万事解決ですが配信者側からすると値段を下げるくらいしか差別化が図れなくなります。
こうなると何かキラーコンテンツを1作品でも独占にして50、49、49と言う優位な点を作りたいものです。
数年にわたる長期独占は作品にとってもあまりよくないと思いますが、7~8年前にコロナ禍を含めこのような状況になると予想できた人も少ないでしょう。
現行のコンテンツに限ってみれば配信スピードがあがってるので結構いい流れだと思います。
はい、以上です。
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