見出し画像

2023年下半期のNetflixエンゲージメントを見てみる

割引あり

※8/27の今日の注目記事に選ばれました。勢いでサブスク関連の話をまとめたマガジンを作ったのでよければフォローしてください。

※有料記事ですが、下記ポストをリポスト(リツート)すると最後まで無料で読めます。


今回は2023年下半期のNetflixエンゲージメントレポートについての記事を書いて行こうと思います。

昨年12月に一度目のNetflixのエンゲージメントレポートが公開されてから2回目はまだかまだかと思ってましたが、これが結構さらっと実は5月に公開されていました。いやー、普通にスルーしてしまってましたね。

公開から2ヵ月ちょっと経過してしまったが、今回はNetflixが公開したエンゲージメントレポートの中身をみていろいろと書いて行こうと思う。

5月に「実写ワンピースが去年の下半期にNetflixで一番見られてドラマだったよ」と話題になってた時が公開されたタイミングだったんですね…他の作品のエンゲージメントまで公開されてるとは思わなかった。
なんか一回目ほど盛り上がってないような気がする。


年2回報告すると発表されていて、現在までの発表スケジュールは以下のようになってます。
2023年1~6月分:2023年12月公開(第1回)
2023年7~12月分:2024年5月公開(第2回)

恐らく次回は12月ごろに今年の上半期分がアップされると思います。
ハイライトやレポートは公式サイトで閲覧、DLすることができます。

ちなみに第1回の結果に触れている記事はこちらになりますので併せて読んでいただけたらありがたいです。
それでは第2回のエンゲージメントレポートを読んでいこうと思います。



◇ハイライト

まず公式がハイライトとしてピックアップしている実写ワンピース実写幽遊白書についてです。

・ワンピースシリーズ

実写版シリーズ「ONE PIECE」(7,200万)は、アニメの映画とシリーズの視聴数を2倍以上に伸ばしました。

ドラマが7,200万再生され、ドラマとの相乗効果でアニメが再生時間が2倍になったとのこと、ExcelのデータにONE PIECEでフィルターをかけてTVアニメの視聴時間を計算すると2023年上期の2億2,860万時間から下期は4億6,370時間(+2億3,510万時間)と確かにほぼ倍増、さらに実写ドラマは5億4,190時間なので合計は10億時間を超えることになる。
今回公開されたTVシリーズの累計が約650億時間で、そのうち10億時間以上がワンピースシリーズと言うことになる。
これは全体の比率で言うと約1.5%です。数千コンテンツが配信される中で1つのIPが1.5%ものシェアを取ってるのはなかなか驚異的。

ちなみに10億時間は114,155.251142年です!!!!

それって何年なの????????

実写版の5億4,000万時間越えは上半期の作品と合わせて見ても4番目に位置するので成功か失敗かで言うと大成功だと言える。大成功と言われていた今際の国のアリスシーズン2の3倍以上と考えるとかなりの数字を叩きだしたと思う。

ワンピース凄いですね…単行本5億冊突破は伊達じゃない。
そりゃ、NetflixもWIT STUDIOと組んでリメイク作ろうとも思いますわ……始まっても無いので何とも言えないが、Netflixの次のアニメのキラーコンテンツとして継続的に作られ続けるアニメになりそうな予感がします。


・非英語シリーズ(幽遊白書)

もう一つは非英語シリーズについて触れられています。このシリーズは見た通り英語ではない作品群のことを指します。
ちなみに実写ONE PIECEは原語版の役者は英語で話しているため日本の漫画、アニメをベースとしてますが英語作品シリーズになります。
なぜかアニメのポケモンシリーズも英語作品として扱われたりするので結構謎なところはあります。ウィークリーのランキングにポケモンが入るときも英語シリーズとしてカウントされるし、エンゲージメントレポートにも片仮名で原題のポケットモンスターとは表記されずPokemonと表記される。

基本的に非英語シリーズだと日本のアニメ、ドラマ全般が対象です。最近だとサンクチュアリ-聖域-幽遊白書などが対象となります。アニメだと刃牙ケンガンアシュラがオリジナルの非英語シリーズになります。

世界中に広がるNetflixのストーリーテリングの強さ:Netflixの非英語のシリーズや映画はとても人気があり、視聴全体の3分の1近くを占めています。
英語以外の作品では、韓国語(9%)、スペイン語(7%)、日本語(5%)が最大の視聴数を獲得しました。
特に、ドイツの「汚れなき子」(5,300万)、ポーランドの「忘れられし愛」(4,300万)、メキシコの「Pact of Silence」(2,100万)、韓国の「マスクガール」(1,900万)、日本の「幽☆遊☆白書」(1,700万)、スペインの「ベルリン」(1,100万)、インドの「鉄道人: 知られざるボパール1984の物語」(1,100万回)などが人気を得ました。

全体の言語別で見るとやはり韓国語が強く、日本が5%に対して韓国は9%と日本語作品の2倍近くの視聴数を獲得しています。
人気作品としてドイツやポーランドの作品があがってますが言語別で日本語は3位となってます。恐らくオリジナル作品以外も含まれるため毎クール放送しているTVアニメの影響もかなり大きそう。

ドラマ版幽遊白書が1,700万再生と書かれていますが配信日が2023年12月14日だったため時期的にかなり微妙なデータとなってます。2週間ちょっとで年明けというタイミングのためTop10に居座る途中での集計になっているはずです。
年明け以降もグローバルTop10には残ってましたし、Top10に入っていた4週間のデータからでも1,850万再生されているところまでHPのデータからは確認できる。
年明け以降も視聴数を重ねて2,000~2,500万あたりまでは伸びてると予想します。
3週間弱での集計だったのでランキングとしては60位ですが、ある程度再生数が稼げる初速の範囲の3ヵ月くらいで見ると今回のランキングの30位くらいに来ててもおかしくはないと思う。
ちゃんとした評価をするには次回の2024年1~6月のデータと足し合わせて見たほうが良い。次回は忍びの家や映画で言うとシティハンターがどのあたりに来るかも楽しみ。


◇日本作品

大手メディアや報道では大体「ワンピースのドラマがが1位」「幽遊白書が大ヒット」くらいまでしか深掘りされないのでもう少し資料を見て分析していきたいと思う。
趣味でここまで見てるのって私くらいなものだろうな……

データには併せて邦題が書いてある作品と英題のみの作品が混在しているため目視での確認になる。抜けや漏れがあるのはご了承ください。
AIにぶん投げたほうが早そうだけど、タイトルの判別をどこまでできるか不明だし、目視で確認することで見えるものもあるだろう…きっとあるはず。

日本関連タイトルとしているのはブルーアイサムライなど海外制作の日本が舞台の作品もピックアップしたいと思いそのようなルールにした。
しかしながらここも私のさじ加減ではあるのでこっちも抜けや漏れはあると思う。

1〜25位

1~25位

堂々の1位は実写ワンピースで7,160万再生、リピーター無しで一人1周だと仮定すると総会員の約25%が視聴した計算になります。
ワンピース、幽遊白書も配信前はどちらもコケると言われ続けてた中でのこの結果は素晴らしいと思う。ワンピースはシーズン2(3も同時に撮ってるという噂もあり)に続いていくのでこれ位以上のヒットを期待したい。

鬼滅の刃呪術廻戦を抑えてTVアニメでNo.1になったのはわたしの幸せな結婚でした。
日本国内では大手プラットフォームをカバーしつつ、海外はNetflix独占配信とした作品でこれがハマったのか、グローバルランキングでは幽遊白書の4週を超える7週もTop10を維持した。日本以外に会員が2億7,000万人いるので正直海外配信でNetflixをカバーするのはかなり効果的だと思う。
SAKAMOTO DAYSが同じく国内複数プラットフォーム、海外Netflix独占の配信形態をとるようなのでこちらにも注目したい。

今回のレポートからランキングが視聴時間ベースから視聴回数ベースに変更になり、これにより週1更新のTVアニメには結構厳しい仕様になってしまった。そこに負けずに7週間もグローバルTop10を維持したことは他の作品にはなかなかできたことではない。

どのような仕様になり不利になったか1話を20分、視聴者を10人としたときを例に1週目と2週目の視聴回数を計算してみる。

1話放送時
総放映時間20分(1話分)
視聴者10人(1話視聴人数)
総視聴時間200分
200分÷20分=10で10回が視聴回数となる

2話放送時
総放映時間40分(1,2話分)
視聴者10人(2話視聴人数)
総視聴時間200分(10人が最新の2話のみを見た場合)
200分÷40分=5で5回が視聴回数となる。

視聴者数を維持出来ても毎週最新話のみを見る状態が続くと総放映時間の増加により見た目上の視聴回数は減ることになる。
リピート視聴や毎週新規の視聴者を増やすなど総放映時間の増加に対して視聴時間を増加に持っていく必要がある。

ここ最近毎クール前半だけ日本のアニメがグローバルランキングで強く見えるのはそれが原因だと思われる、感覚的に5週以上維持するのはかなり難しい。今期も7月は好調だが8月あたりからTop10圏外になるアニメが増えてきた印象。

25位までの中で他に気になるところをあげるとすれば6位のブルーアイサムライが入っている。グローバルランキングTop10入り、国単位では50ヶ国でTop10入りをしたものの舞台となった日本ではランクインせず、あまり見たという声も聴かなかった。
エミー賞にもノミネートされているため秋以降に再評価、再視聴で伸びる可能性もある。


26位~50位

26位~50位

基本的にはHUNTER×HUNTER、ワンピース、刃牙、ケンガンアシュラ、終末のワルキューレなどの話数の多い過去シリーズが並ぶラインナップ。
HUNTER×HUNTERは2021年にアメリカでランクインして以降2022年、2023年と定期的に世界各地で局所的なヒットを飛ばしている。
ワンピースは前述の通りドラマ化の影響が大きい。
残り3作品はNetflixオリジナルの格闘アクションアニメで常に視聴回数を稼ぐ日本のオリジナルアニメでは一番安定しているジャンルになる。

大奥グッドナイトワールドなどこの下半期のタイミングで配信されたNetflixオリジナル作品も多い。
毎週公開されたデータでは日本とベトナム、台湾くらいで1~2週間程度のランクインだったのであまり見られてないと思ったが意外にも数字は良い結果になった。

また、2年前に配信されたサイバーパンクエッジランナーズも320万再生とまだまだ新作とほぼ変わらない人気。

そして49位に入ったのはポケモンコンシェルジュでした。本作は2023年12月28日に配信を開始だったためカウントされる日数は4日間しかありません。
短い構成で見やすいとはいえ4日で260万再生は凄すぎる。


51~75位

51位~75位

新作アニメ作品ではぼくのデーモン陰陽師がランクインしている。
ぼくのデーモンは製作はタイだが、原作が乙一なのでここで取り上げることにした。ぼくのデーモンは4ヶ国、陰陽師は6ヶ国でそれぞれ1週間Top10入りをしていた。

旧作ではロマンティックキラーやサンクチュアリ-聖域-が200万再生前後を維持している。ロマキラに関しては1,420万時間から1,110万時間と半年間でそれほど数字を落としていない。

Netflixオリジナルのバラエティ番組のトークサバイバーシーズン2が1,110万時間、190万再生で69位となった。海外でもTop10のランクイン実績は無くおそらくほぼ日本のみで見られていると思う。

76~100位

76位~100位

Netflixオリジナル作品以外の実写作品でトップだったのは全体で86位だったトリリオンゲームでした。TBSも世界配信に力を入れたと発表されていた通りU-NEXTのみにとどまらずに日本配信と同時にNetflixで世界配信を行ったドラマになります。
ちなみに国内では話題だったVIVANTもトリリオンゲームと同じ2023年夏クールのTBSドラマだったのですが世界配信のタイミングが遅くNetflixで配信されたのは12月末でした。2週間程度で100万再生を記録しているので半年で140万再生のトリリオンゲームと全然遜色ない記録です。
台湾以外でランクインしなかったので世界では爆死案件だったとメディアにはかなりの言われようでしたが数字だけ見ると大ヒットとも言い難いが爆死ともいえない。

過去には日曜劇場の日本沈没も配信しましたがこちらは本当に日本以外では全くだったので少しずつですが世界に浸透しているかもしれない。ただオリジナル以外のTVドラマは宣伝の効果があまり見込めないのでどうやって世界に展開していくかというのはまだまだ課題がありそう。
例えば我々がメキシコやインドなどのTVドラマの配信開始の情報をどうやって知るのか…みたいな段階であり、日本のTVドラマも海外の人にどうやってリーチするのかって話。これがオリジナルの韓国ドラマならNetflixの日本の公式アカウントからの宣伝もあり結構な人にリーチする。

84位にマッシュルが入っているが今回は1期のためBling-Bang-Bang-Bornがヒットした2期の記録が出る来期の結果が気になるところ。

◇まとめ

ということで今回は2023年下期のNetflixエンゲージメントレポートの分析っぽいことをしました。映画もやりたかってですが労力的にTVシリーズだけで限界でした。この記事が1万ビュー越えたら夏休み使って映画シリーズもやりたいと思います。
あとAmazonアソシエイトでの購入の支援もありがたいです。やる気出ます。

そしてVIVANTのところ書いていてやはり邦題のみを見ていると見落としがあるなと感じました。おまけで50万再生以上の作品をまとめていますがVIVANTが入ってません……そのほかにもBLEACHやPokemonなど邦題表記が無いものが結構抜け落ちています。次のレポートから制作国や第一言語情報みたいなのを含めたレポートにしてくれると嬉しい。

最後に再生時間ベースにランキングを並べ直した表もつけておきます。

イーストブルー編やはじめの一歩がジャンプアップ

以上!!!!

◇おまけ

おまけとして50万再生以上の作品をまとめました。全部で209作品となりました。
8月から9月まで有料記事のキャンペーンをやってるのでここから先は有料としようと思います。

視聴データに興味があるかたは是非ご覧ください。
こちらのXの投稿をRPしていただくと、無料で読めるようにもしておくのでXの拡散の方もよろしくお願いします。

それでは101位~209位までのデータです。どうぞよろしくお願いします。

ここから先は

1,414字 / 3画像

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Twitterのシェア、サポートいただけると嬉しいです。