見出し画像

【Netflix分析番外編】2021年 日本で1番見られた作品は何?

こんにちは、今年に入ってからNetflixの人気作品についてのマガジンを作成してます、しょうです。マガジンでは毎週Netflixでどんな作品が人気か分析しています。気になる方はフォローお願いします。

初めて書いたNetflix分析記事はありがたいことに公式さんのツイートにもとりあげて頂きました、全体ビューも初めて9000を超えました。今回は番外編ということでNetflix以外の配信サービスも取り上げています。

・鬼滅の刃vs呪術廻戦

いきなり何だか穏やかではない感じの章になってしまいましたが、今回番外編としてとりあえずたいと思ったのがこちら記事です。

この記事は端的に見ると『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『東京リベンジャーズ』が年間通して強くて大人気だった『イカゲーム』が16位で日本のアニメに惨敗してるように見えます。
秋からのイカゲームブームは物凄いものがあったにも関わらず何故ここまで日本国内では日本アニメが人気で海外作品が不人気に見えてるのか少し説明したいと思います。

・このランキングの妥当性

まずはこのランキングの妥当性を考えてみます。集計方法などは以下のようになっているようです。

【調査方法】インターネットアンケート
【調査対象】日本在住の15~69歳の男女
【回答者数】各回 約7,000人
【数値重みづけ】総務省発表の人口統計を参考に回答者を性年代別に重みづけ
【集計方法】視聴したコンテンツについては自由回答方式で聴取。これをGEM Partners開発によるエンタメコンテンツ辞書を用いて名寄せ・集計を実施。コンテンツごとの視聴したシーズン数やエピソード数等は区別せず、一部でも観たと回答した人を視聴者としてカウント。また、劇場/テレビ版や海外/国内版も同一コンテンツとしてカウント(一部例外あり)。複数回観ても1カウントとしている。
※名寄せ辞書のアップデートに伴い、過去に遡って値が修正されることがあります

集計方法の詳細は不明ですがこの書き方的に7000人にアンケートして視聴した作品を自由回答で複数列挙してもらってるのだと思います。男女比、年代は人口ベースで考えられているとする場合、会員数の多さからAmazonプライム会員が1番多いと思われます。
また「一部でも観たと回答した人を視聴者としてカウント」という文言もポイントだと思います。こうなってくると回答者の記憶にも左右されることになってきます。1週間どのサービスで何を見たか覚えておく必要があります。

私の場合複数サービス契約していてFireTVからアニメを再生する場合どのサービスを使用しているか意図せずに決めてるケースがあるのでこの手のアンケートは答えづらいなと思いました。再生回数や再生時間より人の記憶に関連するランキングだと思います。

・サービス横断ランキングの意味

19サービスを横断的に見てランク付けすると問題になるのは配信作品の偏り、独占配信の問題で正確なランク付けが難しくなることです。例として1位だった鬼滅の刃とNetflixの人気作品イカゲームで比べてみます。
簡単に言うとNetflixでしか見れないイカゲームと19サービスほとんどで見ることが出来る鬼滅の刃を同じ軸で語るのは難しいということです。
大手サービスの会員数が出ているので具体的な数字を見ながら説明します。

SOVD会員数:4400万人
Amazonプライム:1460万人(33%)
Netflix:600万人(14%)
Hulu:280万人(6.4%)
dアニメ:250万人(5.7%)
U-NEXT:240万人(5.5%)
Disney+:180万人(4.1%)

https://eiga.com/l/voC4v

この他にテラサやParavi、FODなどありますがここでは6サービスで比較します。
アンケート対象の7000人を上に出ている割合で計算してみるとわかりやすいです。

イカゲーム : 7000×(Netflix会員)14%=980人
鬼滅の刃 : 7000×(6サービスの会員)68.7%=4809人

先程出てない小さなサービスを含めると鬼滅の刃を見れる人はもっと増えますがイカゲームは独占配信の為これ以上は増えません。視聴出来る人がこれだけ違うのですから結果として鬼滅の刃1位、イカゲーム16位になるのは当然です。
むしろ独占配信タイトルとしては大健闘と言っていいと思います。

1~30位まで大人気作が並んでるだけで特定の作品がどのくらい見られたとか、鬼滅の刃はイカゲームの5倍見られてるとかそういうランキングではないのです。

引用RTをみるとかなり否定的な意見が多いです。

・この調査間違っているのか?

ではこの調査結果が間違ってるのか?意味がないものなのか?

これはNoだと思います。サービス横断ランキングはちょっと無理があると思いますがサービス別ランキングはかなり面白いと思います。

定額制動画配信サービス別 Top10

Amazon、Netflix、Huluの大手3社ではTVドラマは唯一『君と世界が終わる日に』のみなのに対して主にテレビ局が運営しているParaviやFODはその局で放送したドラマがかなり見られてます。『半沢直樹』『ドラゴン桜』などの過去作品だけでなく『最愛』『リコカツ』『天国と地獄』『オーマイボス』など2021年放送作品がしっかり見られてるところが面白いデータです。
日テレのドラマも同じ方式でHulu独占で配信しているケースが多いのですがこういった違いになるのは興味深いです。

サービス個々に見るとかなり特徴の現れたランキングだと思います。これが毎週30位くらいまで見れると非常に面白いと思う。何より視聴者の記憶としても残っているので動画配信サービス側にも見て欲しいデータです。

・Netflixのランキングについて

Netflixについてはこちらで視聴時間ベースのランキングの分析をしています。

興味深いのは『全裸監督』です。年間通して7位と好調で日本のドラマ作品としては唯一のランクインをしています。
しかし、Netflixが公開している視聴時間ベースのランキングでは1位を1回、Top10入り4回と配信開始から1ヶ月程度で圏外に落ちてます。
逆に『全裸監督』より下の『ヴィンチェンツォ』はTop10に10回、『梨泰院クラス』に至っては下半期だけでTop10入り25回しています。
このあたりが大きく実際のランキングとは乖離してる部分になります。

前者はちょっとでもかじるとランクインする、後者は最初から最後まで見られた人気作品がランクインするランキングとなります。

・結論

サービス横断ランキングとNetflixのランキングを見ましたが正直なところあのデータで特定の作品の人気度を測るのは難しいし、この作品が一番見られたとは言い難いと思います。人の記憶に依存しない再生時間、再生回数があって初めて数字で評価出来るものだと思います。
しかしかながら1週間で数十作品見た回答者が全作品アンケートに書けるかと言う点を考えると面白かった作品、好きな作品が優先的に上がると思うのでランキング意味がないものとは思いません。
かなり興味深かった結果なので継続的に追ってみようかと思います。

最後にNetflix分析マガジンを毎週更新しています。気になる方はフォローお願いします。

・おまけ

Netflixの他にHulu、Amazonプライム、dアニメストア、Disney+も契約しているのでそれぞれのランキングと現在の状況、特徴についても書いておきます。
申し訳ありませんがここからは有料とさせて頂きます。興味のある方は是非お願いします。手は抜きません!

ここから先は

1,594字

¥ 100

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。Twitterのシェア、サポートいただけると嬉しいです。