【ガールズバンドクライ まとめNo.1】トゲトゲはいかにしてヒットしたか分析

全国12名の私のガルクラマガジンのフォロワーのみなさんお待たせしました。
ガルクラ感想記事の執筆を再開したいと思います。8話以降の感想をすっ飛ばしたので1カ月ちょっと振りの更新となります。

マガジンフォローしてない方はフォローよろしくお願いします。


最終回も終わったので流石にしっかりと感想をまとめていきたいと思います。
ちょっと6月は執筆のモチベーションを上手く保てなかった感がありますが、最後くらいはちゃんとがんばります。

最後の感想にあたり、ビジネス面、サブタイトル、通しての全体感想まとめの3部構成で書いて行きます。
長くなるのでよろしくお願いします。

今回は第一弾と言うことでガルクラとトゲナシトゲアリを取り巻いたビジネス面の話をしたいと思います。

※なお、筆者は音楽関係者ではなく普通のサラリーマンのため詳細な業界情報については推測が混じってることをご了承ください。

今回は流れとしてまとめやすいと思ったので企画段階からある程度時系列順で話を進めていきます。


失敗から始まったガールズバンドクライ

今となっては誇るべきことかも知れないが私はガールズバンドクライをオーディションの時期から追っていました。

ちなみに最初にnoteでこのアニメに触れたのは2022年3月10日です。
プロジェクト始動でキービジュアルなどが出る1年ちょっと前になります。
note上の記事を見る限りでは恐らく最古参になります。

発表時点で座組的には超一流であることは間違えないって感じでした。
初期の告知段階で東映アニメーション、agehasprings、ユニバーサルミュージックの3社での共同企画とのアナウンスがなされていた。


オーディション告知時点でキャラデザは仕上がってる

リポスト数を見てわかる通り全く拡散されなかったわけです。
この告知が行き届いてのが原因でオーディション告知用のXのフォロワーは250人程度だった。様子を見守るためにフォローしていたがリポスト(リツイート)が2桁に乗ることもないような感じでオーディション終了や一次審査の突破者に関するアナウンスも特になく、そしてそのうち何も発信することが無かった。
2022年の3月になり東映アニメーションに対して大規模なサイバー攻撃が発生した。毎日監視していたわけでは無いがこのタイミングあたりでオーディション用の公式HPが閉鎖された。

この時点ではまだSNSアカウントは残ってたと思うが特に何も発信されることはなかった……企画がつぶれたのかと思った約1年後、ガールズバンドクライの始動が発表され。その1年後の今年4月からTV放送開始して今に至る。

そもそも知る人ぞ知る状態のオーディションだったこともあり結果はお分かりの通りです。

合格者0人!!!5人募ってまさかの合格者が0人です。

その後SNS上の歌ってみた、弾いてみた動画などをチェックしてDMでスカウトすることによりメンバーがそろったとインタビューでも語られています。根気強さと1000人以上からあの5人を引き当てる選球眼は流石と言ったところですが、だいぶ幸先の悪いスタートだったんです。


デジタルリリース期

プロジェクト始動からアニメ放送までの2023年の約1年間は顔を出さずにサブスクにデジタルリリースを続ける時期になります。

タイミングが良いのか、悪いのかほんの数か月前にぼっち・ざ・ろっくが終わり、毎月のようにリリースが始まるころにはMyGO!!!!!!が放送中という感じ。

本編のような103回とまでは言いませんがストリーミング回数はそこまで伸びて無かった。まぁ、アニメ作品なのに演奏する映像もろくになく、声優も新人、というか誰???の状態なのでこの時点では無理もない。


やっちゃったYoutube

そんなこんなしてるところに8月にリリースされた『爆ぜて、咲く』。このMVが綺麗に1週間で100万再生を繰り返しなんと1000万再生しています。それも11月に……古いコメントを漁ると批判的なことが多いがコメントの通りまぁ、これはやってるなと……YOASOBIのアイドルやクリーピーナッツのブリンバンバンが軽く億再生なんかしちゃってるので感覚がおかしくなってる人もいるかもしれないが、1000万再生というのはだいぶ雲の上の領域です。
よく比較されるバンドリのチャンネルでのMaxは4年前のRoseliaのライブ映像で約800万再生です。ちなみにチャンネル登録者は80万人弱です。

対してガルクラは当時チャンネル登録者数1万ちょい(うろ覚え)でたかだか3ヵ月で1000万再生しました。Spotifyの月間リスナーも2万人弱でした。

さらに比較するとほぼ同日にリリースされたONE OK ROCKの新曲MVと約10カ月間ずっと競っている状態です。

2024/7/1現在の再生回数:1223万再生

2024/7/1現在の再生回数:1214万再生

わずかにワンオクが勝ってますが昨年8月のリリース時点ではほぼ無名コンテンツだったことを考えると結構意味が分からない状態です。

これによりちょっと歯切れの悪い『放送前からMV1000万再生』の枕言葉が付いて回るようになります。裏工作みたいなの嫌いな人多いですし変にレッテルが貼られてしまったし、これはヒットしないかもと放送前時点では思ってた。

なんかもうちょっとこう…宣伝するなら100万再生を10曲とかにすればよかったのに……とは思いますね。


放送開始とSpotifyでの大躍進

放送前はSNSでのオーディション告知もYoutubeもダメダメだった印象でしたが放送開始と同時にSpotifyで謎の力が発生します。
1話放送直後にSpotify公式からプレイリスト公開の投稿が…

新規IPでのこのSpotify公式を使ったプロモーションはかなり異例だと思います。

ここ数か月のアニメ関連の公式プレイリストの告知を見てみると、ゆるキャン△、魔法科高校の劣等生、進撃の巨人、鬼滅の刃、怪獣8号とここ数年続編が作り続けられている人気アニメと鳴り物入りでアニメ化した期待の新作ばかりといったところ。
ここに新規作品、しかもオリジナルアニメとしては追加されるのはかなり異例、ユニバーサルやageha側の手厚いプロモーションがあったと思われる。

Spotifyにおけるプレイリストの重要性は徳力さんも書かれている通りです。

音楽アニメにおいて楽曲を網羅できるプレイリストの重要性というのはかなり理解できる。
3年ほど前にVivyというSFと音楽を掛け合わせたアニメがあり、放送中に結構な頻度で挿入歌がリリースされていた。
アーティスト数もそれなりにいたため網羅できるプレイリストが必要だろうと思ったが公式の動きが遅かったため私が作成した。

結果はフォロワー1.8万人超えである

後に公式がプレイリストを作成するが動きの早かった私の方をフォローしてくれている人が多すぎるため消すに消せない事態になってる。スピード感マジ大事!!!

その点ガルクラは公式で楽曲を網羅したプレイリストを提供し、さらにライブ回後には本編で描かれなかった曲も含めてセットリストを公開するといった徹底した楽曲の推し方をしている。

最終回のワンマンも8曲しかないのは若干の詰めの甘さが見えるがこういったSpotifyの展開もあり、月間リスナー数は25万を越えている。
女性声優アーティストで二大巨頭とも言える坂本真綾、水樹奈々が26万ちょいことを考えると25万人というのがどれほどの数字かわかりやすい。バカ売れです。


売れ続けるアルバム

音楽アニメの多くは挿入歌が一通り出そろった終盤や放送終了後にアルバムがリリースされることが多いが、放送前に撒いたデジタルリリースの種がアルバムとなって4月にリリースされる。

Spotifyのリスナーは4月末ごろに10万強を越え少し停滞を見せたがアルバムリリースとともに5月頭に微増から爆増へシフト、現時点では25万人を超えた。

その他特筆すべきはDLサイトで非常に人気が高く、Billboardチャートだと発売以降9週連続でTop10入り、ここ最近はHot Albums20にも返り咲いてる。DLが強いのは結束バンドの売れ方と似ている。


怒涛のライブスケジュール

オーディションや放送前の楽曲の再生数的に正直売れないのではないかという不安の方が大きかった。
結果は大成功、放送終了の次の日には初の野外フェスとなるかわさき100フェスに出演。9月には2ndワンマン、BAYCAMP出演。11月には3rdワンマン、12月には4thワンマンと着実にライブをこなす予定になっている。
キャパも1300人、3000人、3100人と着実に増やし、放送終了から半年あまりで日本最大級の豊洲PITにたどり着く予定になっている。

昨今、ライブハウスやホール不足が叫ばれかなり早い段階で箱を抑えないとライブが出来ない。実際3rdワンマンを行う東京ドームシティホールは6/1時点で来年の3月までの土日は完全に埋まっていて、平日も月に2~3日キャンセル待ちがある程度です。
ヒットを予想して(願って)1年近く前に箱を抑えてた可能性があります。

本当にヒットして良かったねという気持ちです。

まとめ

はい、以上。
オーディションから見てきたちょっとビジネス寄りの話でした。こんな大成功まで来たのは本当に感慨深いですね。

これで余裕で3000字超えてるのでサブタイトルと感想もそれぞれ別に書きたいと思います。

感想やコメントはマシュマロで気軽に投げてください。返します。


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