2/5「紙、1000年前、今、1000年後。」
紙について。
和紙は1000年もつ、って言われてる。
薬品を使わずにつくられた和紙を、きちんとした環境で保存したらだけど。
洋紙、とくに酸性紙は100年ももたない。
中性紙は300〜400年くらい。
酸性紙ってのは1800年代半ばから主流だった紙で、すぐぼろぼろになる。紙の表面に塗った薬品が酸化するから。今でも新聞とか週刊誌とか、消費のサイクルが早いものに使われてる。
酸性紙を改良したのが中性紙。薬品の原料を変えて、だいぶ長持ちするようになった。本とか長く保存したいものに使われてる。
和紙の、1000年もつって希望だよなあ。
深海生物でも1000年は無理なのでは。
1000年前の美術ってどんな素材でつくられてたのか。
今は2025年。
1000年前は、1025年。中世ってやつだ。
プラマイ150年として、
ヨーロッパだとロマネスク美術。
教会のフレスコ画、ステンドガラス、モザイク。彫刻は石。写本は動物のなめした皮に鮮やかな石の顔料や金箔。
日本だと平安美術。平安時代中期〜末期だ。
平等院鳳凰堂は木、仏像も木。絵巻は和紙に岩絵具、墨。
1000年間いろいろあったけど、生き残ってきたんだ。
時間とともに消えていく作品、映像や機械を使った作品、行為による作品は、今しか味わえないナマモノとしての強さがある。音楽の演奏みたいに、消えるものほど今ここにあること、生きている凄みを感じる。
まあじぶんは演奏ではなく楽譜をつくりたい。なので時間に負けない強い素材がほしい。
そんなかんじでめちゃめちゃいい楮100%の和紙を買った。職人さん、売ってくれたお店、ありがとう。
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