![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/172491520/rectangle_large_type_2_e5d999fee9f2d08169a278af9d1f4b43.png?width=1200)
私が興味を持った芸人さん、親友は嫌いだった話
いまから、もう10年以上も前の話。
当時、ウーマンラッシュアワーがよくテレビに出ていた。
まだ村本さんが、一人で
社会派と言われるネタをしていなかったときのこと。
最近興味を持った、ウーマンラッシュアワーの
村本さんの話をしたら、
親友Tが
「あの人嫌い」
と、はっきりと嫌いと言った。
あの早口が、お客さんを置いていっている、そこが嫌だと。
嫌悪感を出す彼を見たことがなかったので、こんな風に、好き嫌いをはっきり言うんだ、と内心、Tにちょっと驚いた。
確かに、漫才のとき、村本さんは早口だ。聞き取れない人もいるだろう。
しかし、私が早口な人なので
(これは遠まわしに私に言ってる……? 気づいてない?)
と、いまのTの発言で、
私ちょっとTに嫌われてる?
早口を直したほうがいい? と
思ったことをTに言おうかどうか迷って、結局言わなかった。
自分が好きな人(恋愛感情じゃなくて、人として、友達として)
が、私が興味を持っている人を嫌い。
それなら、と合わせたつもりはなかったけど、
影響は受けたのだろう。
そのときテレビで見たウーマンラッシュアワーの漫才が、
村本さんだけが一人で演説のように話し続けるものになっていて、
当時の私は、それがあまり受け入れられなかったようで、
だんだんと村本さんへの興味が薄らいでいった。
あれから時は経ち。
田原総一朗さんが、村本さんに「猛烈に興味を」持っている。
田原さんは、村本さんが日本のテレビで見かけなくなった理由は、
同調圧力が原因だとおっしゃっている。
日本人は、みんなと違うもの、いままでしたことがないことをする人に、この同調圧力を向けることが多い。
YouTubeを芸人が始めたときも、最初はみんな、すごく批判的だった。
いまは、芸人もYouTubeをするのが当たり前のようになっている。
時間が経つと、人々の気持ちが正反対に変わっていた、なんてことはよくある。
村本さんはアメリカに行った。
なんでウーマンラッシュアワーは、テレビで見られなくなったのか。
おそらく、日本のテレビ番組は、村本さんの「社会派」な部分を敬遠したからではないか、と思う。
(唯一、フジテレビだけ、特番でウーマンラッシュアワーの漫才を見たことがあるけど、それもだいぶ前のこと)
漫才で、「原発」という単語が出てくるネタをする人はいない。しかも、批判的なことも言う。
深夜のニュース番組だったら問題なさそうなんだけど。
でも、アメリカだと、
「芸人が社会にツッコミを入れる」
のは、芸人にとっても観客から見ても普通のことだ。マイク1本片手に1人で舞台に立ち、芸能人から政治家まで、ネタになるなら人種差別だってネタにする。もちろん発言には気をつけて。
おそらく、村本さんに密着したドキュメンタリー映画『アイアム・ア・コメディアン(I AM A COMEDIAN)』は、テレビで放送されることはないのだろう。
この映画がテレビで、ゴールデンの時間帯にごく普通に見られるようになったら、日本って、ちょっとは寛容になったのかなぁと思う。
バラエティ番組のひな壇から離れ、日本からも出て、自分で群れから離れた狼のような選択をした村本さん。いま、すごい人に興味を持たれている。