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ジョジョ7部

変わらないことを望むのは悪なのか。
ジョジョの奇妙な冒険なんて、今更説明するまでもなく人気漫画なんですけど、アニメから入った僕がどうしてもその先をみたくなってeBookで初めて購入したのがこの本です。しかもカラー。
あらすじは、ちょっと昔のアメリカで、大規模な横断レースみたいなのが開催されて、主人公のジョジョとジャイロが成長しながら、レース開催に隠された主催者の本当の狙いみたいなのに巻き込まれていく。みたいな感じで、3部とかに近い、一本道のアドベンチャーモノって感じでした。
癖があるとはいえ、圧倒的な画力と、どこか知的で気高い、そしてちょっと古めかしい台詞回しも絶品なんですが、顔の認識や名前を覚えるのが苦手な僕には途中で何が起こってるかよくわからないシーンもたくさんあり、そういうのには一々立ち止まらずに流して読んでいくのが僕の読書スタイル。
一区切りついた時に、なんとなく概観が分かればよしと出来ちゃうくらいが丁度いいのです。

で、ジョジョって、一部から脈々と続いていく血縁者が主人公になるのだけれど、前作のストーンオーシャンで、神父が世界を1巡させてしまったので、パラレルワールドになっちゃったんですよね。それがすごい嫌なんです。
長編漫画って、ストーリーの先を知りたい欲求と、でも終わってほしくない欲求のぶつかり合いなんですけど、続きすぎるとやっぱりもうええわ!ってなっちゃいがちなところ、部ごとに主人公が変わって、同じ軸の中でリフレッシュされるって言う、それらのパラドックスを解消してくれる構成になってたんですよね。
もう出てこなくなっちゃった前作の主人公もこの裏では生きていて、何かしら事件に巻き込まれて居るんだろうなあとか、そう言う安心感があったのですが、第七部ではそれがもうないんですよね。
一つの軸でやりくりするには、未来を描くしかなくなるので、そりゃいつか無理がやって来るのでしょうけど、これがかなり淋しいもんで。

アインシュタインの名言に「男は結婚する時、女が変わらないことを望む。女は男が変わることを望む。」って言うのがあるんですが、これは結婚以外にも当てはまるのかもしれません。
僕は結構新しい機械とかガジェットが好きなのですが、それは単に未来への期待感も少しはあるのですが、それよりも、「最高峰を手にした状態でいる」と言うことが好きなのかもしれません。
だから例えば最新機種のスマホを買ったとして、これがどんどん便利になるよりかは、自分が買った機種を最後に進化が終わりました。ってなった方が実は嬉しいのかもしれない。
これは僕だけなのかもしれないが、思い出とかもそうで、「もしあの時こうしてたらどう変わってたのか?」に興味がないと言うか、持ちたくない。
あのときにした選択、行動、言動は「正解だった」と思っていたいのだと思う。

昨今の風潮として、安定や保守的な姿勢が何かと批判され安い気がする。
こと仕事や人生において、変化や変革を求められがちだが、変化にはいい変化と悪い変化があることは忘れてはならない。
きれいな思い出や便利なモノであるならば、変わらないことと言うのはむしろ変化から守らなければいけないのだと思う。

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