遠雷の夕べ
今日は一日、遠くで雷が鳴っている。
近付くことも、
遠ざかることもなく、
「ずっとここにいるんだぞ」「いるんだからな」と時たま思い出したように鳴り響く。
そして、
その雷を真似るように、
わたしのお腹も連動してグルグルルと音を立てる。
「大型連休最終日、みなさまいかがお過ごしでしょうか。」
大型連休中は、
わたしはなんだか食欲があまりなく、
気付けば食パン一枚で夕暮れを迎えることもしばしばでした。
自粛要請の中で幕を開けた大型連休。
元来あまり観ていないもので。
テレビを観ると疲れてしまうから、なるべく情報は入れないようにしているのだけれど、おそらく様々な統計や数値からしても従来とは大きく異なる連休だったのではないでしょうか。
自粛を重ねるなかで更なる自粛が発表され。
ここ数日は夜分に「地震がくるぞ」とけたたましく音を立てるスマートフォン。
ここにきて一日がかりの遠雷。
「結局は自然には勝てないんだからな」と
だれかがだれかに知らしめているようなそんな大型連休。
ええ、少しは分かったつもりですので、
もう少しお手柔らかにお願いしたいものですね。
そんな中で最終日。
読書 散歩 体操 食事、気を紛らわせる方法を少しは身につけたつもりでいたけれど、最終日にして低気圧に大差をつけられ完敗。
家の中に、
湿っただれかの溜め息が沈殿しているような、
足元を満たしていくどろっとした見えない海。
気をつけないと、足を取られて流されてしまいそうだ。
存分に、なにもしない、をした大型連休。
来年の連休は、今年耐え忍んだ分、楽しいことがたくさん待っているはず。
そう思わないと、出口の見えないこの現状に立ち向かっていく気力も湧かない。と思う。
楽しいときを知っているからこそ、
たとえそれが現実でなかったとしても、
ここにまた戻ってこようと思って日々を頑張れるのだと。
この連休で読んだ本から汲み取った感想は、
きっといまにぴったりなのだろう。
そんな1日なので、
ぼーっとそんなことを考えながら、
天井の模様でも指で辿りながら、
もう少し暗闇で雨音に耳を傾けていようと思います。
さらば、「ゴールデンウィーク」。
いらっしゃい、大型連勤。
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