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雨の音
朝から雨。
雨の日は、休息や心の落ち着きをもたらしてくれます。
梅雨時の集中した雨は、鬱を呼んでしまうけれど。
だから、農場で働いていたとき、晴れた方がよく働けるのに、心の何処かで雨を望んでいて、まったく複雑な気持ちでした。まるで働きたくないみたいでした。恵みの雨は大歓迎ですけどね。
軽い雨の日はハウスでの仕事が待ってますから、自転車乗って行ってました。いつも通りなんです。でも、すでに少し降ってるだけで、私は部屋で物思いにでも耽りたい気分に駆られるので、家を出るのがつらくなるくらいです。何でこんなときに、働かなきゃいけないんだろう、そう思ってました。
屋根に落ちる雨音を聴きたいのに。
働くことより、そちらのほうに惹かれる。
四年ほど前、香川の知人の家に遊びに行きました。もう、おつきあいは途切れてしまったのですが。知人が古民家をひとりで改造し、三年かけてよくやりました、60代女性です。ステンドグラス専門の方ですが、バラの庭と梁のある二階でカフェを開きました。古民家とステンドグラス。絶妙でした。
私は二階でしょっちゅう梁に頭をぶつけながら過ごしてました。相変わらず、夜中に目覚めてしまうので、大粒の雨が古民家の屋根に降っている音に聴きいってしまい、もう時間が止まってしまいました。
朝になって、雨の音がよくって、って言ったら、彼女は雨の音のどこがいいの!と、かなり強い口調で言われ、きょとんとしてしまい、それ以上何も言えませんでした。何か琴線にふれてしまったのでしょうか。
あの時、話の続きをすればよかったと、今でも思うのです。
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それでは、またお会いできますように。
ありがとうございました。