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プリンセスも人間だった

彬子女王の著書『赤と青のガウン -オックスフォード留学記-』がSNSで話題になりベストセラーになったが、私もその話題に乗っかって読み始めた1人だ。

それまで彬子女王が日本文化に精通していることは知っていたものの、何歳の人でどんな立場の人で、普段は何をしている人なのか全く知らなかった。
皇族ということもあって、別次元の世界に生きている人のように思っていた。
そもそも皇室周りの人物関係もよく知らないし、お正月の一般参賀に出向こうと思ったことすらない。
皇居の三の丸尚蔵館に行ったことはあるが、それはあくまで伊藤若冲の絵が見たかったためで、皇居に行って皇族を身近に感じよう、みたいな気は一切なかった。
おそらく、そういう思いで皇室のことを見ているのは、たぶん私だけじゃないと思う。

そんな私が彬子女王の本を読んでから、彬子女王に興味を持った。
そこで見たのが、NHKで放送された『話題の肖像~ニュースなあの人を追ってみた~ あるプリンセスの素顔』という30分番組。
ナチュラルな彬子女王の姿が見れて、とても面白かった。
オックスフォードでなかなか愉快な生活を送っていたプリンセスが日本でも飾ることのなく活動をしていて、「皇族」というおよそ手の届かない立場の人を少しだけ身近な存在に感じさせてくれた。

本を読んだりテレビを見ていると、どうしても「皇族なのに」「女王なのに」という前置きをして感想を述べてしまう。
「女王なのに料理するんだ!?」「皇族なのに格安航空会社使うんだ!?」と、本を読みながら何度思ったことか。

本と違ってテレビは会話も乗せるので、ここでもまた新しいビックリを経験することになった。
「プリンセスの普段の喋り方ってこうなんだ!?」「女王自ら食事の後片付けするんだ!?」「女王もスーツ以外の服を着るんだ!?」などと目を丸くした。

しかしこれはとても残念な考え方で、人を立場で見て判断しているのと同じことなのだ。
「女王だから」「皇族だから」と一括りにしてしまう。
皇族側が「皇室をもっと身近に」と考えていても、こちら側が歩み寄ろうとしていない。
もう少し皇族を見る目を人間サイドに落としてみても良いんじゃないかなと思う番組だった。

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きんじょう めぐ
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