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SFの世界を考えることは「祈り」だと思う

フィクションを読んだり見たりするのが好きなのだが、少し前までは二次創作なんてこともしていた。
とあるジャンルでコミケにサークル参加もしたし、本も買った。

一番長く二次創作で書いていたのが、実は『PSYCHO-PASS』だったりする。
100年後の未来を描いた作品であり、刑事ものである。
SFなので現代にはない技術なんかも妄想できるし、願望も詰められる。

『PSYCHO-PASS』の世界では相性診断によってパートナーが決まり、そこに性差はない。
男女で結婚する人もいるし、同性で結婚する人もいる。
その世界を支配するシステムに間違いはないので、多くの人は相性診断を信じて性別の如何など関係なく付き合ったり結婚したりする。
しかし当然そこに疑問を投げかける人もいる。
『PSYCHO-PASS』の世界には現代にない便利なシステムも存在する。
高度なホログラム技術によって作られた洋服を買って、瞬時に着替えることもできる。
ファッション好きの私としては、早くこの技術が出来上がってほしい。
一方で、犯罪係数が一定以上上回れば即処刑されるので、人々は日々のメンタルケアが欠かせないし、数値によって行動を制限される。
思想の自由もない。
最大多数の最大幸福のために作り出された最高のシステムは、そうとは知られずに人々を制限するが、しかし飼い慣らされた人々はそれに疑問を抱かないまま人生を謳歌する。

SFの世界はいろいろと妄想できるので楽しい。
自分が不満に思っていることをSFの世界になら押し付けることができる。
私がかつてSFの世界に望みを託したのは、男性妊娠の世界。
これはもう20年以上前から、男女どちらも妊娠出産できたら良いなと思っていた。
性別問わずに好きな人と恋愛して子どもを作る体を得られることは、たぶん私だけが考えているわけではないと思う。
「時間」が何か解明されない限りはどこでもドアはまだまだ夢の遥か向こうで、男性妊娠も人体の構造上実現は難しいだろう。
しかし考えたり創作することは自由なので、いつかできるのではないかと物語に託したりする。

SF作品に未来を託すのは、ある種の「祈り」にも似ている。
今はできないけど将来的に可能になることで悲しむ人が少しでも減るように、という願い。
SFの世界を考えるとき、多くの人の幸福がそこにあることも考えておきたい。

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きんじょう めぐ
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