フィクションくらいは現実と違って良いじゃない

「おっさんずラブ」のことを書いたついでに思ったことがある。

最近のLGBTQの流れでドラマや映画でもLGBTQを扱う作品が増えたように思う。
大多数はLGBTQの人たちをとりまく残念な環境だったりする。

ところが「おっさんずラブ」の同性愛者たちを取り巻く環境は、いたって普通のようだ。
”彼と彼女の恋愛”と同じくらいフラットな状況で”彼と彼の恋愛”を描いている。
「おっさんずラブ」を放送するテレビ朝日系列。
そこで私は思い出したのだった。
「Yuri on ICE!!!」である。

本格的フィギュアスケートアニメとして大成功を収めた作品で私も好きな作品。
ロシアのメドベージェワやラトビアのデニスを始め、世界中のスケーターさえも絶賛した作品である。
制作側はハッキリとした回答をしていないが、勇利とヴィクトルはカップルであると思っている人が大多数だ。
(しかし二人はソウルメイトと制作側が言っている時点で、もう何かしらの答えであるようにも思える。ソウルメイトといえば特別な恋人やら魂の伴侶やらの意味。「ソウルメイトと結婚したい」と言ったりもする)
アメリカのアニメ専門ニュースサイトでは「Yuri on ICE!!!」をLGBTQ作品と紹介している。
「Yuri on ICE!!!」のキャラクターを取り巻く環境も互いの恋愛に対してフラットだ。
タイ人スケーターのピチットが勇利とヴィクトルが結婚すると勘違いした場面で、スペインのレストランにいた誰もが祝福の拍手を送った。
誰も男同士で結婚することに嫌悪する人はいないのであった。

現実世界でいえば、日本での同性愛者への偏見は根深いし、いろいろな問題もあって会社でも嫌な目に合っているかもしれない。
カミングアウトもできないし、アウティングなんてことをされてしまうこともあったりする。
しかしテレ朝のこの2つの作品は偶然なのか分からないけど、どちらも同性愛者に対して優しい世界である。

しかしそういった苦悩を描かなければドラマといえないのかといえばそうではないと思う。
あくまで一般視聴者の私が思うところなのだけど。
フィクションだからこそ、現実とかけ離れたことがあって良いのではないかと思う。
そういう恋愛の胸くそ悪いところを感じないでドラマを見れた方が余計なことを考えないで良いかもしれない。

ぜひテレ朝にはこの調子で優しい世界を描き続けていってほしいと、勝手に願うばかりだ。

余談。
ちょうど「おっさんずラブ」の脚本家がテレ朝を評価していた。
やっぱりテレ朝は他とはちょっと違うみたい。
視聴率がいまいちなのはたぶん皆さん配信で見ているからだと思う。


サポートありがとうございます。サポートでいただいたものは今後の活動の糧にさせていただきます。