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『皇室のみやび-受け継ぐ美-』第1期「三の丸尚蔵館の国宝」@皇居三の丸尚蔵館

年末も押し迫った頃、12月24日まで開催されていた『皇室のみやび-受け継ぐ美-』第1期「三の丸尚蔵館の国宝」に行ってきました。
実は私個人、初めての皇居です。
東京都出身のわりには皇居の中に入ったことがありませんでした。
和田倉のスタバに行ったこともあるし、皇居ランナーに混じってお堀周りを歩いたことはあっても、大手門から中に入ったことはありませんでした。


■ 展覧会について

今回の展覧会は『御即位5年・御成婚30年記念 令和の御代を迎えて―天皇皇后両陛下が歩まれた30年』と同時開催。
『皇室のみやび-受け継ぐ美-』の第1期ではそのタイトル通り、国宝しか展示されてません。
且つ、なんと写真撮影OKです。(あくまで私が行った第1期の話です。第2期以降は会場で確認してください)
今上天皇の展覧会の方は撮影NGだったので私の脳内に記憶させておくとして、『皇室のみやび-受け継ぐ美-』の方はしっかりと目で見た後、撮影もさせていただきました。

■ 動植綵絵

私の最たる目的は伊藤若冲の『動植綵絵』。
『動植綵絵』で描かれる細密な絵が好きで、特に鶏の描写が大好きです。

伊藤若冲『動植綵絵』《棕櫚雄鶏図》の一部

鶏の頭部を覆うような赤いトサカや肉ぜんは、生々しいほどに立体的で、その厚みさえ感じ取れるようです。
ただ赤く塗るだけでなく、表皮の凹凸まで描き込まれているのが若冲の鶏。
ひとつひとつ丁寧に皮膚を描き込んでいったのが見て取れます。

今回《棕櫚雄鶏図(しゅろゆうけいず)》を間近で見て、尾羽が欠けていることを知りました。
ただ絵の中にある鶏というわけでなく、その鶏は確かに生きていたのだと思わせます。
モデルとした鶏の尾羽が欠けていた時、ただ美しく描きたかったらきっとそこは欠けていなかったように羽を足したでしょうが、若冲は敢えて欠けたまま描きました。
鶏が好きで飼っていたという若冲ですが、欠けたところにすら愛着を抱き、生きていれば尾羽が欠けるということに何の違和感も抱かなかったのではないでしょうか。
だからこそ若冲の描く鶏は生々しく、生に満ち溢れているのではないかと思います。

伊藤若冲『動植綵絵』《棕櫚雄鶏図》の一部

■ 屏風土代

『動植綵絵』ともうひとつじっくり見たのが、小野道風の『屏風土代』です。
土代というからには下書きなんですが、それですら国宝になってしまう小野道風さん。
さすが三蹟が一人。

小野道風『屏風土代』の一部

書に対して全く知識はないものの、私はこの筆に力強さを感じて読めもしないのにじーっと見てしまいました。
徐々に筆の線が細くなったかと思えば次の文字では太くなる、すなわち墨継ぎをしたのがはっきりと分かります。
下書きだからなのか、流れるような線で文字を書いているところから察するに、丁寧さよりもスピード重視だったのでしょうか。
それにしても力強い。
下書きというからには、清書した屏風もあるのでは?と思いましたが、こちらは現存していないそう。
せめて下書きだけでも残っていて良かった。

■ 刀剣乱舞との縁

さて、三の丸尚蔵館も刀剣乱舞とは切り離せない縁ができました。
実装されて間もない「京極正宗」の所蔵先です。
今回は展示されていませんでしたが、いつか見てみたいものです。

余談ですが、10月に石川県立美術館で開催された「皇居三の丸尚蔵館収蔵品展」で展示されコラボもしたこともあって、現地でのコラボグッズ売上全額をニトロプラス社が能登半島地震の災害義援金として寄付したそうです。
こういう取り組みをしてくれる運営には、喜んで課金します。


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きんじょう めぐ
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