日本人が選ばないリトアニア大学院をオススメする3つの理由
修士論文の口述審査が終わり、無事に卒業が決まった。10段階評価で9の結果だったので、気持ちよく
卒業式を迎えられそうだ。
リトアニアの大学院では、
非常に充実した日々を過ごした。
一方でリトアニアの大学院を選択する日本人は極めて少ない。
交換留学生や学士学生はそれなりに出会ったが
日本人の大学院生とは1人しか遭遇しなかった。
円安で留学が難しくなる時代、
英語圏の国ではなく、リトアニアの大学院を
おススメする理由を記録として残したい。
なお、リトアニアの留学全般については
下記ブログでよく纏められている。
下記記事をベースに
このブログに載っていない視点やその他の
おススメポイントを紹介する。
1.大学の財政支援がスゴイ!
私の在籍するリトアニアで最も伝統的な総合大学であるビリニュス大学大学院では、様々な財政支援を学生に提供している。
まず、毎学期ごとに成績優秀者は600€のインセンティブ給付金制度がある。
私は、1・2セメスターで成績が良かった為
合計1,200€を受給した。
感覚としては、教授と良い関係を築き、真面目に予習・復習と課題をしっかりこなせば受給できると思っている。
西ヨーロッパの物価では微々たる金額かもしれないが、リトアニアの物価では月に500€あれば生活できることを考えれば給付金だけで2ヶ月分の生活費をカバーできる。
次にインターンシップ実施に対する奨学金”Erasmus+ Traineeship”が用意されている。
この制度は、リトアニア国外での
インターンシップに対して給付される。
基本的には、受け入れ団体が決まれば
誰でも給付出来る制度となっている。
2セメスター終了後に7月から12月の5か月間で
ラトビアのNGOにインターンを行った。
この奨学金を活用し月に12万給付された為、
これだけで十分生活が出来た。
この奨学金は、原則受け入れ先の国に滞在している必要があったが、私の場合
ラトビアはビリニュスからバスで4時間の距離(片道12€)なので、基本はリモートで月に一回程度ラトビアでNGOのプロジェクトに参加していた。
なお、フルリモートのインターンには給付されないため要注意。詳細は下記。
さらに、リトアニア国内のインターンシップにも奨学金がある。
私はリトアニアのNGOで1年間インターンシップを行ったが、2ヶ月間は下記のForeign Practices in Lithuania Program" (UPinLT)で
月650€×2を受給した。詳細は下記URLから確認出来る。
インターンシップ制度に関しては他の大学も同様の制度があるが、どの程度の人数が受給されるかは不明。
最後に、インターンシップだけでなく
大学院期間で交換留学でもErasumas 奨学金がある。
私の場合は、ベルギーの大学に1週間の短期留学に参加して、790€の給付をいただいた。
航空券、食費、宿泊費、雑費は、給付金額で全てカバーすることができた。
このように、リトアニアの物価・学費の安さに加えて大学側の財政支援で最後の半年間は、民間企業時代の貯金に手を出すことなく卒業を迎えられた。
結果的に、下記のように
大学に支払う金額より受給金額が上回る形となった。
なお、スポーツ・文化活動の功績に対して授業料の減額制度もある。スポーツの実績では、リトアニア学生大会で入賞すれば来期セメスターで授業料が3-9割減額になる。
私の場合は、バルト諸国柔道学生大会優勝で最終学期の学費7割減額となった。
海外大学院在学中にスポーツ実績での授業料減額は、大変稀なケースだと思う。
このことから、修士課程や課外活動に対して積極的に行動すれば沢山のチャンスを得られるだろう。
2.実務と理論を同時に追求できる修士期間
私の在籍するビリニュス大学大学院では
多くの文系学部は1年5か月間のプログラム構成となっている。
この程よい期間でイギリスの大学院と比較して、
腰を据えて修士課程を探求しながら、インターンシップで実務経験を積むことができる。
私の場合、卒業後は国際協力でのキャリア構築を考えていたのでリトアニアのNGOで貴重な実務を経験することができた。
通常インターンシップ受け入れ先から給与は支払われない事が多いが、大学から給付金をもらいながら将来のキャリアに関連する分野で
実務経験を積めるチャンスがある。
リトアニアでアルバイトをした場合、時給5-6€である。卒業後にキャリア形成に繋がらないアルバイトをするよりも今後のキャリア形成で有益な実務経験を積むことが大事だと考えている。
その意味では、インターンシップ奨学金を活用しながら卒業後の自己実現に向けた準備が出来る。
3.緑豊かな環境で幸福度UP
リトアニアの首都ビリニュスは勉学に集中するには最適な場所だ。
世界文化遺産がある旧市街と隣接する緑豊かな自然環境で幸福度が上がることは間違いなし。
※その分、冬のリトアニアは日照時間が短く、シンドイ。
私は2023年7月末まで民間企業の営業マンとして働き翌月末からリトアニアでの生活を開始した。
猛烈企業戦士として心身が疲労していたが
毎日、自炊をしながらビリニュス市内を散歩するだけで心の邪気が浄化されるような感覚だった。
収入は無くなったけど、幸福度は爆上がりした。
修士課程は楽ではない。テスト前は24時間開いている図書館で数週間深夜まで篭って勉強することもザラにあった。
それでも、豊かな自然と美しい街並みは勉強のストレスを軽減すると思う。
さらに、サウナ好きにとっては堪らないリトアニア独自のサウナ文化を楽しむことができるのも魅力の1つだ。
以上、他の方が書いたブログをベースに
私なりのリトアニア留学、とりわけ大学院進学をお勧めする3つの理由を紹介した。
リトアニアは、日本人の多くの海外大学院志望者にとって選択肢にない国だ。
一方で出願時の英語スコアのハードルが低く(IELTS5.5以上) 、社会科学の領域(マスメディア、ビジネス、経営、国際関係、政治学、ソーシャルワーク) で修士号取得を考えている方には
リトアニア留学を全力でオススメしたい。