リサとハリーの舞台裏
リサの心のクレバス
リサ(ストレートヘアの女性)は
見捨てられることに敏感で、
人の顔色を過度に気にする。
リサは早熟の秀才だったが故に
不安型愛着になってしまっているのかもしれない
と最近のリサを見ながら感じている。
(私は不安型愛着の事を
軽くしか知らなかったので、
この本を読んでみた)
だから、トップデザイナーがリサの後輩として
新人の子を入れた事も自分への裏切り、
焦りに感じる。
そんなトップデザイナーが
「あぁはならないでくれよ(アル中)」と隠れて
新人ちゃんに言ってたのは、
尚更キツかったはずだ。
リサは否定的な事に過剰に反応する。
不安型は人に認められたいと必死
なので過剰なまでに「いい子」を演じようとする。
しかしそれも早晩、限界を迎えてしまう。
そうすると
堤防に亀裂が入ってしまったかのように
いい子からはかけ離れる。
いい子からかけ離れるというところが
この話では
りさがアルコールに溺れている所なんだろう。
リサは自分にも他人にも求め過ぎる子だ、
その関係を完璧にこなせていればいい子でいられるが、
それが敗れてしまうと悪い子になってしまう。
だからこそ不安型のリサには
マメな人が必要でそれがハリーだったんだ。
不安型の人はいつも自分のことを構ってくれたり、
関わりを持っている人を切実に欲する。
しかしこの物語のキーポイントは、
リサがハリーが欲しいのに
ハリーの才能に嫉妬してしまい悔しくて
情けなくて簡単にはくっつけない点だ。
リサはツンデレっぽい所もあるけど、
彼女の行動はツンデレでは片付かない。
不安型ならではの、
しばしば相手を戸惑わせたり、
本当は求めているのに、拒否したり
そっぽを向いてしまい、
素直でない反応を見せてしまうものなんだ。
こうした反応を見せるのは身近な愛憎関係のある存在のみ。
結局はそれがリサの甘え方のひとつの儀式でしか無かった。
でもそれに疑問すら持たず、
受け入れてくれたのがハリーだったんだなぁ。
二人の求めあいは健全なものでは
ないのかもしれないけど、
両者にとってお互いが救いの女神なのかもしれない。
おわり。