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一回目講義 書かずにはいられなかった。
頑張らないでねが分からない私
私は第一回漫画講義の開始を待たず、
漫画を描きまくっていたので
周りの方から「頑張りすぎないでね」とよく心配された。
でも私の人生は周りに
「頑張りすぎないでね」と言われてここまできたので
頑張るの基準が私はみんなと、根本からずれているのだと思う。
私は好きな事をしてると全く疲労を感じない、
だから普段は意識的に10時半から7時半まで必ず寝るようにしている。
正直睡眠は体を長持ちさせるためのメンテナンスだから
欠かさないし、渋々続けてる。
頑張ってる意識もないし、
楽しいから書いてるの一言に尽きたから
ただただ書いた。
そしたら漫画専科の先輩から声がかかった。
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私にはどうしてもわからないことがあったので、
恥を偲んで聞いてみた。
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感情が乗ってくると
ただ漫画を書いてるだけなのに
興奮で手が震え出す。息も上がる。
汗が出る、喉が乾く。
書いてるだけなのに運動してるようになる。
そんな自分になってしまうと、
もう自分が自分でコントロールできない。
音も聞こえないし、
気づけば朝なんてことが大半。
自分でも自分をどうすれば止められるかがわからない。
佐渡島さんに「頑張らないでね」って言われても
頑張ってる意識がないから、
頑張らない方法がわからない。
どこからが頑張りなのかのボーダーラインすらわからない。
どうやったら頑張らない方法を頑張れるのかがわからない。
だから、もう誰にでも良いから
聞いてみたかった。
そしたらちょうど声をかけてくれたのが水谷アスさんだった。
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アスさんの話はまるで私の話のようだった。
私は自分と同じような人にこれまで一度も会ったことが
なかったので、
話が止まらなかった。
アスさん流の止まる術は
一度派手にすっ転んで自信を喪失させることだと教わった。
正直、私もすっ転ぶ予感はしていたので妙に納得した。
「でも…痛いのはやっぱり嫌だなぁ。」
漫画専科講義一回目
そして次の日、漫画講義一回目の雑談が始まってびっくり…
みんながもう感情表現の話をしていたのだ。
だけど「なんかみんなすげー」とどこか他人事。
なぜなら私には感情表現より気になることがあったのだ。
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わからないことがあれば
私はすぐに相談する。
なので今回もすぐに相談だ。
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私が読者なら綺麗事の話なんて読みたくない。
むしろそれはある種の裏切りに感じる。
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そして、なぜ自分がこのコルクラボ漫画専科に入ったのか、
そしてプロになってからの苦悩を語ってくれた。
その話を聞いて私はムズムズした、
でも何にムズムズしてるのかがわからない
……あ…
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そうだあの時か…と
ふわふわと拙い記憶を手繰り寄せる
過去の記憶
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すぐに布団をかぶって寝たふりをした。
その先生は学年一怖いと言われていたベテラン女教師
ルールにとにかく厳しかった。
そんなのお構いなしに
先生はベットの横に腰掛けて。
「ふー…」と一息ついてから語り出した
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何を急に語り出したんだと驚いた。
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寝たふりをバッチリしているはずなのに
先生の話は止まらない。
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私が生き辛そう……???????
訳がわからなかった。
混乱していたら、
突然、先生の嗚咽が聞こえてきた。
もう更にわからない。
先生は涙を止めようとしては
何度も失敗して泣いてた。
二人しかいない
冷ややかな保健室に
大人の泣き声が響く。
そして何とか落ち着きを取り戻した先生は語り出した。
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「何でこの先生は泣いているんだ???」
と頭の中ははてなでいっぱいだった。
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意味がわからないのに涙が出た。
安心して涙が出たんだと今では思う。
でもつい半年前まで小学生だった私には
わからなかったし、
先生もそれがわかった上で話していたのだと思う。
でも泣いてるのがバレたら
それを認めるみたいで
必死に声を殺した。
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大切なことを思い出した第一回目講義だった。
noteを書いたきっかけ
ちなみにこのnoteを書くことになったきっかけは
南澤久佳さんが講義中に5分でさっと書いた
ラーメンの絵をみたことだった。
私はキーワードの「恍惚」の一点を攻めた絵を描いた。
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…
漫画の構造を描いて理解する課題なんだってことも
絵を書くことが重要な課題でなかったことも、
全部わかってるけど、
……もっと上手くなりたい。もっと描きたい。
南澤さんの絵をみて一瞬で私も5分でこんな
カメラアングルがコロコロ変わる絵が描けるように
なりたいと心の底から思った。
意識の中にカメラを持ちたいと思った。
絵には一人一人個性があるから
それを潰す必要はないし、する気もない
ただカメラスキルを身に付けたい。ものにしたい。
欲しいなら、
やるしかない。
20ちょっとのひよっこの私が
プロの南澤さんに近づくためにできることは
結局時間をかけて模倣することしかない。
構図もアングルも真似たのに
全然綺麗じゃない でも
感情だけはぶつけた気がする。
荒削りなものしかまだ書けないけど
これが今の私の魅力的な文だと思うから。
楽しくてもっともっと上手くなりたいと思った。そんな朝の8時。
ではメンテナンスタイムに入ります。みなさんさようなら。