『空間デザイン事典』
皆さんはお気に入りの建物はありますか?自分の住んでいる地域の建築について意識したことがありますか?この世界の建物は、すべて誰かによってデザインされたものです。この本は、タイトルの通り空間デザインについてのありとあらゆることが載っています。興味がある人も、そうでない人も、今回紹介するこの事典を読めば、普段何気なく歩いている街並みが違って見えるかもしれません!
改めまして、今回紹介するのは、日本建築学会編による『空間デザイン事典』です。学校の図書室にある、年鑑・白書・事典から一冊選んで紹介するという課題が出されたのですが、本棚を見てもどれも難しそうでなかなか決まりませんでした。そんな中、デザインに興味があったのでそのあたりを見ているとデザインの文字が!!さっそく手に取り開いてみると、空間デザインについて、立てる、覆う、囲う、積む…など20個の動詞で分類して書かれていました。
事典って字が多くて難しそう…という私の不安をよそに、下の図のようにたくさん写真が掲載されていて、私のように文字が苦手な人も目で見て楽しみながら理解することが出来ます。ぱらぱらめくっていると、前回の記事で紹介した五稜郭公園が目に留まりました。”囲う”についての項目で、囲うことは、本来周囲から内側を守る行為である。また、現在では内外の区別をつけることで役割を差別化する目的でも使われる手法である、というような内容が書かれていました。今と昔で手法の意味合いが変わってくるのはとても興味深かったです。このように気になる写真から内容に入るのも、この事典だからこそできる読み方だと思います。
次に”自然を取り込む”の地形を生かすについてが目に留まりました。近年は環境問題の観点から、地形やその地域の自然を取り込むような街づくりがなされています。人々が地形の特性を生かし、その中で生活しやすいように、様々な建築的工夫がなされ、通路や屋根の織りなす独特の構成形態が生まれるとありました。紫外線が強く、カルデラ地形を生かした、白い街並みが美しいサントリーニ島のように、地形を生かすことは地域性をより発展させることに繋がっているのだなと感じました。
このように空間デザインの手法についてわかりやすく丁寧に分類、解説されている事典なのでスラスラと楽しみながら学ぶことができます。ぜひ読んでみてください!
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