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1日行動を共にしてもこれっぽっちも記憶に残っていなかった旅人とは【中国・湟中】

「そういえば、こんな人もいたなぁ」

自分で言うのもなんだが、私はわりと記憶力がいいほうで、どこの国でどこに行き、誰と出会ったのか、どんなエピソードがあったのか案外憶えている。身をもって体験したことは簡単には忘れないのだ。

けれども今回、この記事に出てくるアメリカ人のことはすっかり忘れていた。お寺に行ったこと、中国語を訳し間違えたこと、そんなエピソードは覚えていたが、この人に関しては全く記憶がなかった。ちょっぴりなんだかなぁと思ったくらいでそこまで嫌な思い出でもないのだが、そんなこともあるのだ。
どんな人だったかはぜひ読んでみて欲しい。あえてここで言葉にはしないが、なぜ彼女は記憶の彼方へ追いやられていたのか、なんとなくわかってもらえると思う。


2016/5/28投稿

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中国・青海省の西寧滞在3日目は、自力でショートトリップ!湟中(こうちゅう)まで行ってきた話。

昨夜、青海湖から帰ってきたあと、それまで2日間1人で使用していたドミトリー部屋に新しいルームメイトが加わりました!Nというアメリカ人女性です。
Nは一晩だけここに泊まり、次の日の夜には拉薩へ向かうというスケジュール。日中はノープランだったらしく、一緒に湟中に行くことになりました。

まずは朝ごはんに餃子を食べに行こう!…ということで、ゲストハウスの近くにあるお店に入ります。
が、私たちが行った時間にはまだ、餃子は出していなかったようです。左から中国語で何か言われ、右から英語で「何と言っているのか?」と聞かれます。そんな私の頭の中は日本語で「書いてもらうか…」なんて考えていました。

店主が私のノートにこう書きます。
「十一点半」

…なるほど!オーケーオーケー。待ちましょう!

私は理解できた気でいました。…が、待てど暮らせど餃子は出てきません。
15分くらいたったころ、Nが私に聞きます。「私たちの餃子は?」
そこで私はやっと自分の間違えに気が付きます。「点」=「分」と訳していましたが、それは間違いで「点」=「時」なんですよね。現在時刻は10時半。そりゃあ待てど暮らせどでてきやしませんわ。

中国に来ておよそ1週間。「中国語も少しずつ覚えてきたな~」なんて思ってた自分が恥ずかしい!Nに平謝りしつつ別のお店に行くことに。

で、次に入ったお店で無事に餃子を食しました。15元(約252円)

完全な水餃子ではなく、スープ餃子のような感じ。2人で鼻をずるずるさせながら食べました。

さて、今日向かう湟中には何があるかと言いますと、「塔爾寺(塔尔寺・タール寺)」というお寺があります。チベット仏教ゲルク派のお寺で、開祖のツォンカパの生誕地でもあるんだそう。
西寧からも多くの人が訪れるため、バスもたくさんあるみたいです。

私が宿のオーナーに聞いていたのは、きちんとしたバス停の看板が立っているような場所ではなく、「なんとなくこの場所にバスが来るから、なんとなくこの場所から乗ってね」というような曖昧な情報。バスには路線ナンバーはなく、窓に「西寧・塔尔寺」と文字で書いてあるのみです。
北京では日本と同じようなイマドキのバスにしか乗らなかったので、初めての体験です。

…案の定迷いました。Nが「聞いてみた方がいいんじゃない?」と言ってきたので、街の人に聞いてみます。親切なお姉さんやおじさんに助けてもらい、なんとかバス乗り場らしき場所にたどり着きます。が、いかんせん何も標識がないので不安です。

バスを待っているらしきおばちゃんに聞いてみたところ「私も一緒だから、大丈夫よ!同じバスに乗りましょう!」とのこと(…中国語かチベット語なので、表情とジェスチャーを見て翻訳)。
結局、おばちゃんの方が1個先のバス停で降りてしまったのですが、このおばちゃん、降りる前にも声を掛けてくれたのです。

Nに「なんて?」と聞かれたので、「私はここで降りるけど、あなたたちは次のバス停だからね。…だって」って言っておきました。(…勝手に翻訳、またの名を超訳)。バスは片道3元(約51円)でした。

西寧から50分ほどでバスは終点に到着。門前町になっている坂をのぼり、タール寺にたどり着きました。

かなり大きなお寺で、チベット仏教徒以外の人もたくさん訪れているようです。時々日本語の案内もありました。
拝観料80元(約1344円)

中は基本写真禁止なんで、外観の写真多しです。

"車が走ればクラクションの音が聞こえる"中国国内であっても、ここのなかはクラクション禁止。静かです。

タイミングよく、儀式的なこともやっていました。

ちなみにタール寺で1番見たかったのが、色付けされたバターを練って作られた彫刻がたくさん飾ってある 酥油館でしたが、私が行った日にはあいにく閉まっておりました。残念。…いつの間にか雨も降ってきたので、そろそろ西寧に戻ることに。

帰りもバスに乗って帰ります。先に降りていく人々を見ていると、どうやらこのバスは、降りるときに自分で運転手に申告しなければならないようです。もちろんバスの中に電光表示やアナウンスはありません。

私たちが降りるのは「警官学校」というバス停。車窓の風景がだんだんと都会的になり、西寧の市街地に戻ってきたことを知らせます。

ここでまたNが私に行ってきます。
「バス停はまだかしら?聞いてみた方がいいんじゃない?」

…いやさ、お互い中国語わかんないんだからどっちが聞いたって変わんないじゃん。というか、自分のガイドブックも持ってきてないし、道順も自分でリサーチしてないとか…なんで全部私任せなのよ…なんて思いつつ、近くにいたおばちゃんに聞いてみます。

やはり英語は通じません。が、「警官学校」の文字を見せたところ理解してくれたようです。そして、なんと運転手のところまで行き、「あの外国人たち警官学校で降りたいみたいだからよろしくね」(超訳)と伝えに行ってくれたのです!…本当に優しいよね!

地元の人の優しさでなんとか無事にショートトリップを終えました。

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オウミ
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