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2023年7月読了本まとめ【10冊】

7月に入ってから、読書ペースがダウン。
読みたい本や積読本がたくさんあるのに読む気になれなくて…
こんな時は軽いものからリハビリ、、、と思い詩集やエッセイなどに手を出してみた。結果、また読書の魅力に気づいてしまった、、!だから読書はやめられない、、、!!


【1冊目】サラダ記念日/俵万智

サラダ記念日に合わせて購入。
パッと読んだだけでその情景が目の前に広がり、自分がそこに溶け込んだような感覚に何度もなった。三十一音でいろいろな世界に連れて行ってくれる短歌の魅力に気づいたし、詩や短歌にもっと興味が出た。言葉の無限の可能性を感じた。
好きな短歌をハイライトしたら似たようなものばかりになり、自分の好きなものの傾向がわかった。

【2冊目】書店ガール/碧野 圭

書店が舞台のお仕事エンタメ小説。
特に序盤は登場人物が多く、役職を整理しながら読み進めたため時間がかかった。
後半は閉店の危機から救うため、店員やアルバイトたちが一丸となって売り上げ増加に協力していくシーンがスピード感あって楽しく読めた。
出版業界や書店減少が叫ばれる中で、どうしたら衰退せずにいられるか、書店員さんは日々工夫されているんだな、と思った。始めは女性同士のイザコザに振り回され、プライベートと仕事が絡み合うところにイライラしたけど、読んでよかった。

【3冊目】はるか/宿野かほる

10歳のとき恋に落ちた少女、はるかにもう一度会うため、賢人は人工知能の研究者として膨大な時間とお金をかけて仕草や声、表情などをなるべくはるかに近づけたAI「HAL ーCA」を発明。そこまでする賢人の愛情の深さと近い未来に起こりそう、というワクワク感や恐怖感のようなものを感じた。でも同時に、どんなに技術が進んでも、人間は唯一無二で全く同じようには作れないということも感じた。
確かに面白かったけど、帯で期待させられたほどではなかった。

【4冊目】母という呪縛 娘という牢獄/齊藤彩

母に超難関の国立大医学部への進学を強要され、9年にわたる浪人生活を送り、その後も助産学校に進学することを強要された末、母を殺害した娘、あかりの人生を書いたノンフィクション。生まれた瞬間から医者にさせようと決められ、まるで牢獄にいるような生活は想像を絶する。助産師にこだわった母の思いは謎のままだけど、気になってしまう。あかりさんには、これから自分の生きたい人生を送ってほしいと思わずにはいられない。

【5冊目】AI分析でわかったトップ5%社員の習慣/越川 慎司

「仕事ができる人」とはどんな人なのか、参考になるものがあればと思い、Unlimitedで見つけたので読んでみた。既知なものも多かったが、その他95%の社員と比較してこうだった、という行動や習慣を観察してまとめた結果がまとめられていてわかりやすかった。

【6冊目】六人の嘘つきな大学生/朝倉秋成

IT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。
その最終選考に残った6人の大学生たち。与えられた課題は、1ヶ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというもの。全員で内定を得るため何度も話し合い仲を深めていくが、本番直前に「一人の内定者を決める」という課題に変わったことが通達され、ライバルに。ディスカッションでは彼らの告発文が入った封筒が発見され、過去や罪が明かされていく。
最初からメモしながら読み進めたので、なんとか混乱せずに読めた。日本の就活のやり方に疑問を呈するような、現代的な内容もあって、文体も読みやすくて一気に読んでしまった。
人間を「月」に例えるところが印象に残った。

【7冊目】蛭子能収のゆるゆる人生相談/蛭子能収

自由でゆるゆるで、でもしっかりした芯がある蛭子さんが色々な人からの相談に答えている。ほとんどが自分とは異なる考え方で、面白かった。

・「やりがい」は職業を変えるより、今の仕事を真面目にコツコツとやっていれば、いつか見つかるもの
・気楽に生きても、ストレスを抱えながら真面目に生きても、迷いや悩みは必ずあるもの

【8冊目】あやしい求人広告、応募したらこうなった。/多田 文明

軽作業、清掃員、チラシ配り、着ぐるみ…など、短期や単発でできるバイトを実際にやってみた筆者の「実体験ルポ」。そこまであやしい仕事はないけど、誇大広告には必ず裏があるし、うまい話はないということが改めてわかる。
どの仕事もそれなりに大変そうで、その具体的な内容やキツさが体験した人だからこそわかる視点で書かれていてリアル。知らない世界を覗き見できたようで、面白かった。

【9冊目】東京百景/又吉直樹

ピースの又吉さんが上京したばかりの頃、養成所時代、前のコンビ時代、ルミネの舞台に立つようになった頃…などの思い出を東京の風景とともに綴られているエッセイ。途中から、こんなに繊細で引っ込み思案な又吉さんが芸人やっているのがすごいと思えてきた。でも、そんな性格だからこそ、面白いことがどんどん思いつけるのかもしれないとも思った。独特な感性の持ち主で、周りにいる後輩たちも似たような人たちが多い。東京のあちこちに仲間や記憶と結びついた思い出がつまってて、その思い出が今の又吉さんを作っているんだなと思った。知っている場所が出てきても又吉さんのフィルターがかかると全く別の場所に見える。

【10冊目】ホス狂い 歌舞伎町ネバーランドで女たちは今日も踊る/宇都宮 直子

ホストクラブのYoutubeなどはよく見るけれど、ホストにハマる女の子の心理は深くは理解できていなかった。でもこの本を読んでみて、多少はわかった気がする。歌舞伎町に集まる女の子は、様々な事情を抱えていて、自己肯定感が低く、”誰かに認めてほしい”という気持ちが根底にある人が多い。歌舞伎町に行けば、似たような人たちに出会えて、応援したい”担当”に出会える。
普段は光が当たることのない、シャンパンタワーの業者へのインタビューもあり、興味深かった。


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