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きゅうりのきつね

行きずりの4歳児とトークバトルしたお話。


「さんどいっちいらない~!!!!」
「ほらぁ、食べないとお昼これしかないんだよ」

ショッピングモールのフードコートで
平日のお昼どきを過ぎたころ
40代くらいの細身の疲れたお父さんと
4歳ごろの子供が遅めのランチを食べていた。

私も仕事で近くに来て寄ったこのフードコートで
同じく遅めのランチを食べていたときのこと。


「やだやだ~ぜったいやだ!」
「ほらぁ、いい子にしてないと**ねに来てもらうよ」
「え~~!!!それもぜったいやだ!」


ん?なんか聞きなれない諭し方😅

子供にエサを使ってなだめるのはよくないけど
どうしようもない事情もあるんだろう。
そこまでは推測できたのだが、何に来てもらうかは
聞こえなかった。

そうこうしてるうちにお父さんがトイレに立つ。

こんな小さな子をひとりにするのはどうなんだと
思ったのでしばらく観察することにした。

すると、その子が私の目前に歩いてきて
私の目の前にちょんと座る。
人なつっこい目をしている。

「おっちゃんこわいものある?」

なにかにすがるような目でこちらを見つめながら
必死に聞いてくる。

「あるよ~。おばけかな。👻こんなやつ(笑)」

と、おどけながら笑わせようとしてみると
その子は手に持ったサンドイッチからきゅうりを
取り出して私にだまって差し出した。

「これあげる…」

どうしたんだろう😅
いきなりなぜきゅうりなのか?
お父さんはどうやら💩のようだ。
帰ってくるには暫くかかるみたい。
しょうがない、ひさしぶりの
4歳児とトークバトル。

差し出されたきゅうりをそのままにせず
トレイ上にあったきれいな紙ナプキンで受け取る。
そしておもむろに質問をしてみる。

「いいね~おっちゃんきゅうり好きなんだ。ぼくは?」
「だいっきらい」
「ふ~ん、どうして?」
「だっておっかけてくるんだ」
「きゅうりが?」
「うん」
「足、生えてたっけ?」
「ううん、しっぽ」
「え?きゅうりにしっぽ?」
「うん」
「そうなんだ・・・」

たった数往復の会話のやりとりだけど
これにどれだけのパワーを使うのか。
絶賛子育て中の皆様はおわかりかと思う。

とうに子育てなど終えてる身にしてみれば
彼らとのトークバトルは
楽しい面・しんどかった面の両方を思い起こさせる
起爆剤みたいなもんだ(笑)。

結局最後までその子の言いたいことが引き出せず
お父さんが💩から戻ってきてひとこと。

「あぁすみません、見ていただいてて」

なんか言ってやろうかとも思ったけど
子供の前で父親に苦言をいったところで
その子にはメリットなし。よって黙認。

それよりも別れ際にその子に聞いてみた。

「ねぇさいごに教えて、何がおっかけてくるの?」
「ん~とね、きゅうり、きゅうりのきつね! ばいばい!」

なんかふっきれたように楽しそうに
手を振ってお父さんのところに戻っていった。


さぁこっからがまたパワーを使うことになる。
この話、どう消化しようか(笑)。

きゅうりのきつね、というのはわかった。
きつねはたぶんお父さんも言ってたので、狐、で
間違いないだろう。

そしてきゅうりも、あの子がサンドイッチから
抜き出していたから 胡瓜で間違いないはずだ。

問題は「きゅうりのきつね」が何かだ(笑)


かなり考えた(笑)。
そしてわかった~!

きゅうりのきつねのイメージは最初こんなんだった。


でもその子がいっていたきゅうりは、👆ではなくて

これだったwwww。九尾。
これわかったときはひっさしぶりに
大喜利一番とった気がした(笑)。


そしておそらくお父さんが
その子にいっていただろう九尾の狐は

こんな怖いヤツだったに違いない😅


帰り際、お父さんに手を引かれながらその子は
「いやだ、きゅうりのきつねはいやだぁ~!」
って叫んでた(笑)。

まぁ当たりだな。
しかしもらったきゅうりはもう捨ててもいいかな(笑)
その子もう行ってしまったし😅。

一瞬で4歳児になつかれ
わけわからんトークバトルに巻き込まれ
頭を?にしてすごしたしばらくの時間が
仕事で疲れた頭をリフレッシュさせてくれたことは
偶然のありがたいこと。

大きくなったらまたフードコートで会おうぜ。
ただそのときは、もう少し言葉をしっかりな(笑)。


#子供 #相手 #子育て #コミュニケーション #面白い話



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