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英語習得の本質

 英語習得を達成する為の方法が世の中に溢れかえっている。そのどれもが多くの人にとって一定の効果があったのだろうが、脳機能の観点から考えて英語習得を達成する正しい方法は一つしかない。それは、「自分にとって意味の分かるインプットを五感を通して大量に行う」ことである。詳しい方ならクラッシェンのインプット仮説のことだとお気づきになられたかもしれないが、その通りである。この記事では、クラシェンのインプット仮説をベースに安価で独学で語学習得を行うための段階的アプローチと使用教材、心構えを記していく。たくさんの語学習得に関する知識や教材を集めるばかりで、なかなか語学習得の進歩を感じられない人(過去の自分(笑))や、語学習得の本質的方法を知りたい人に刺さる内容となっている。現在は無料公開にしているが、私の気分次第で有料化、値上げするかもしれない。その際は悪しからず。では、早速、語学習得の本質を共有しよう。


第1章:英語学習と英語習得は似て非なるもの

 あなたはいつ頃から英語学習を始めただろうか?生まれた時から英語環境にいた人も、日本にいながらインターナショナルスクールに通った人も、私のように中学校で初めてアルファベットから学び始めた人もいるかもしれない。いきなりだが、一つ問いたい。その英語学習の現在の状況はどうなっているか?
想定される答えは次のようなものだと思う。「まだ英語学習を継続している」、「学生時代に学んでそれっきり」、「海外育ち or 留学経験有り」ここで強調したいことは、英語習得のためには、英語学習を終了しなくてはならないということだ。
私が英語学習が終了した段階は下記のとおりである。
①簡単な英語を英語の語順で処理できる
②①の英文を聴いて内容を日本語を介さずイメージできる
この2点を達成した後は、英語習得の段階に入っていく。次章で使用教材と進め方を示していく。

第2章:基礎を身につけるための具体的な使用教材と進め方 

 実は、前の章に示した①簡単な英語を英語の語順で処理できるを達成できれば、②もほぼ達成できたことになる。この章では、①の段階を完成させるために私が使用した教材を紹介する。
それは以下のとおりである。
・絵で見る英語(1、2、3)/ IBCパブリッシング
・Jump start! / リンケージクラブ
・English EX / リンケージクラブ
・Distinction 2000
・英語喉・PhonicsのYouTube動画
以上が①の段階で必要になるものである。英語学習で買う教材はこれだけで良い。これらを拠り所として多読、多聴を積み上げて行くのが良いだろう。
 絵で見る英語(1、2、3)については、1から3にかけて長文になっていくという特徴がある。最初は、He is a man.のような短文と簡単な絵が描かれたページが続くが、シリーズ3になる頃にはアメリカ史や環境問題に関する文章が出てくる。このシリーズ3冊をやり込むことで中学、高校レベル英語力を身につけることができる。この絵で見る英語シリーズは元々は洋書であり、ハーバード大学言語学研究所で開発された方法が書籍化されたものである。洋書版は1945年に発売され、世界でベストセラーになった。
このような信頼のおける教材であるため、絵で見る英語シリーズをおすすめしている。
 Jump start!とEnglish EXは、リンケージ出版の教材である。前者は短文による様々な日常会話を掲載している教材で39日で完成することを宣伝文句にしている。短文かつ日常英語で「絵で見る英語」とは違った角度から英語へ慣れることが使用目的である。また、音声付きなのもありがたい。後者は文法・語法問題集である。この段階で文法・語法問題集を入れる理由は、英語という体系に骨組みを作るためである。この問題集の良いところは4択式でないところ。問題を解きながら例文確認ができるため、文法・語法を学びながら多読が可能である。前者同様音声付きなのもありがたい。
 Distinction2000は英語系YouTuberとして有名なAtsueigo氏の著作である。
覚えやすくするための工夫とネイティブチェックが入った例文が非常に勉強の助けになる。英語の感覚を日本にいながら身につけることができる素晴らしい書籍だ。
 Phonicsの理解も大切である。何ならIPAという発音記号の勉強より重要性が高く、子供に英語を最初から学ばせるならここから始めさせたいと考えている。大人の場合はリスニングをやり始めてスクリプトと聞こえる音に違いを感じたらその都度学ぶのが良いと思われる。YouTubeに動画がたくさんあるのでそれで十分学べる。実際、英語ネイティブが子供の時に学ぶのは発音記号ではなくてPhonics だと知って学び始めた。やって良かったと思ってる。

第3章:基礎を身につけてからの大量の英語インプット方法

1. 多読

  • 書籍: 自分が興味のあるジャンルやレベルに合わせた本をたくさん読もう。Oxford Reading Tree や Peason English Readersなどがおすすめである。

  • 記事: 興味のあるニュースやブログ、専門誌の記事を読むこともおすすめである。実際の英語現場で使われる英語に触れられるのが良い。

2. 多聴

  • ポッドキャスト: 自分の興味に合った英語のポッドキャストを聴くことで、リスニングスキルを向上させられる。リスニングは家事や運動しながらでもできるのが良い。

  • オーディオブック: 洋書のオーディオブックは耳から読書できるのでおすすめである。Audibleなどのサービスを使うと便利である。

  • 映画・ドラマ・アニメ: 英語の映画やテレビドラマを観ることで、日常会話や表現を学ぶことができる。最初は字幕をつけて見て、内容が分かったら字幕なしで見ると良い。特にNetflixはおすすめである。Language Reacterを駆使すれば分からない単語や熟語を調べることができるので英英辞典や英和辞典も不要である。

3. 語彙の拡充

  • フラッシュカード: 新しい単語やフレーズをフラッシュカードにして、頻繁に復習すると良い。 覚えの悪い単語や熟語を抽出して頻繁に確認するのが良いだろう。

  • 単語帳アプリ: AnkiやQuizletなどのアプリは使って語彙を増やすことができる。単語帳が苦手な方は一度試してみると良い。

4. 英語環境を作る

  • デジタル環境: スマートフォンやコンピュータの設定を英語に変更して、日常的に英語に触れる機会を増やすと良い。

  • 自己学習: 日記やブログを英語で書くことで、自己表現力を高めることができる。英語系Youtubeを始めてみるのも良いだろう

第4章:終わりに

 以上が私の英語の独学法である。留学をしなくても英語環境を構築することは可能であり、それは、インターネットのおかげでかなり安いコストで達成できるのである。


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