働くママ:育児休業後復職時、配置変更と言い渡され、新職務は生活や育児に大いにインパクト、どうする?
事例
ある会社の本社バックオフィス職として勤務した正社員の母親が、法定育児休業を取得後、子供が1歳になった後の4月1日に職場復帰しました。
復職面談では、人事から「前の部署のポジションは満員となり原職に戻れない」と言い、本社職場の近くにあるB事務所でのクライアント対応勤務を指定されました(西東京の方にもう1個C事務所がありもっと遠い)、この新しい職務が原職の内容とは違うけれど如何に魅力的だと強引的な説明も押し付けられた。相談する余地がなさそうな会話だったので、ママさんはやりたくないが会社の言い分が強いと感じて「一旦やってみる」と返答した。
ところが、B事務所に入所面談の際、B事務所の所長は子供の送迎がしやすい勤務体制を整えるどころか、「自分も母親でもあり、(トップマネジメントである自分すら)これだけ頑張ってきたのだから、あなたはもし子供の送迎両方カバーできないのなら、旦那さんと協力してどちらかを送迎する方法を考えるしかないね」と一方的に主張し、会社として勤務体制の対応・変更ができないと、このママをかなり早朝の始業に指定した(始発を乗ってもギリギリ間に合う程度の早さ)。
これでだいぶ子育もバランス取れないし、かつ原職と全く違うレベル(新卒に戻った程度)の業務と指定され、とても困ってると悩んでいる様子。
どうすればいいのでしょうか?
関連法令を確認しましょう
1. 育児介護休業法第22条:企業にある努力義務
育休終了後における就業が円滑に行われるよう、労働者の配置その他の雇用管理等に関して必要な措置を講ずるよう事業主の努力義務を定めている。
2. 育休法「指針」 第7(1):原則上原職復帰
事業主は、育休後においては「原則として原職または原職相当職に復帰させるよう配慮すること」を求めている。
3. 「育児・介護休業法のあらまし」:原職相当職
もし原職復帰が難しければ、原職相当する職務へ復職するような義務は企業にあるので、原職相当に満たす3つの条件はここに定義された:
職位の低下がない;
職務内容が異なってない;
勤務地が同一である;
4. 「育児・介護休業法のあらまし」:不利益な配置変更
主に相当程度な経済的な不利や精神的な不利があれば、不利益変更に該当する。前者に関して、月の平均賃金の10%までだと私は考えています。
が、例外でも下記にある:
特に例外②をみて頂きたいが、2つの条件があり、従業員の同意について触れた。本人の同意も重要だが、その同意の前提として、有利なことが不利なことより大きいことを従業員へ客観的に説明されたこと。
では、どうすればいい?
この事例では以下の論点を考えられる:
1. 会社は努力義務を十分に果たしていない
一般的に、働くママの正社員が産休育休等に入り、担当業務が誰かをカバーしてもらいたい時、会社として原職復帰ができるような準備するには、その正社員の職務の確保が前提で、まだまだ増員する部門なら新規採用しても良いが、もう増員の余地がない部門なら、内部の短期勤務者がinsourceできなければ、外部の派遣や業務委託の形でこの休職をカバーする案を取るだろう。しかも業務の引き継ぎもあるから普通はこのママさんが休職に入る前にカバーする人員を配置済。
2. 会社は「原職相当職」の配慮が足りない
もし原職復帰が難しければ、会社はできるだけ原職相当職の配置をすべきで、当事例では3つの要件の1つしか果たしてなく、あからかに違反してる。
3. 会社の人事から無理やりその配置を押し付けた
復職後の職務から見れば、B事務所のトップマネジメントが働くママへの同情やサポートをすることもなく、子育てしやすい勤務スタイルの検討をするどころか、圧迫的に「自分もそう頑張ってきたママだからあなたもできるから」と子育てに大いに支障の出る始業時間をアサインした。これもこのママがしょうはなく受け入れたとしても、明らかに例外②の要件には満たさない。
当事例にある働くママが考えられる対策
1. 会社の就業規則、育児介護休業規定、育児介護休業規定に関する労使協定等を閲覧し、会社がどう定めてるかと確認する;1つ言うまでもないが、もし会社の定めた規定内容自体が違法なら、その規定は当然無効となる。
2. 会社現在採用オープンしてるポジションを確認する、もし自分のキャリアに合いそうなロールがあり、自分もそれを担当するスキルセットを持てれば、社内面接の準備を事前にし、人事面談へ臨む準備の一環として事前にやっておく。
3. なるはや人事面談をリクエストする。面談では、場面や空気により言い方を少し変えるかもしれませんが、主旨としては: a,まず会社が復職時の配置についての不適切な箇所を指摘する、b,タイミングをみて変更された配置は自分に利益より悪影響がはるかに大きいと説明する、c,また自分が復職面談時では「同意」ではなく受けるしかない雰囲気だったから「一旦やってみる」しかないと思わせられた状況にあった。
参考
育児・介護休業法のあらまし——厚労省
育児休業復職時の配置転換は不利益取扱いに該当するのか——大野事務所
免責事項
この投稿の内容は、経験や情報をまとめたもので、他者経験の参考と、知識を広げることを目的としても良いが、労使トラブルのケースはそれぞれ大きく異なるため、鵜呑みして適用しないでください。
また、何らかの行動を起こす際には、必ず専門家のアドバイスを受けるようにしてください。 作者は、不明や関連ないトラブルについて一切の責任を負いません。
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