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白い國境線 (1950)

別題:白い国境線 (廉価版ビデオ題)
原題:Cuori senza frontiere
英題:The White Line
時間:87分
監督:ルイジ・ザンパ
製作国:イタリア🇮🇹
言語:イタリア語
VHS:PCVP-30819 (
1992/05/21)
VHS:VZ-1176 (
1998/08/28)

子供たちの遊び場までを
冷酷に《分断》してしまう国境線、
この悲喜劇をイタリア映画独自のタッチで描いた作品!

 ナゼが国境というものが必要なのだろうか?兄弟愛にあふれた感動のドラマである。舞台はユーゴとの国境近くのイタリアの小さな町、それ迄も決して平穏だったわけではないが、第2次世界大戦が終了して間もなくの1947年に《新しい国境線》が敷かれ、小さな町は分断される。昨日までは一緒に仲良く遊んでいた子供たちも、東西に分かれて敵対する。
 まさに国際社会の紛争が、のどかな小さな町を襲った感じだ。憎悪、不安そして恐怖心が増幅されて、ついには町全体が爆発しそうなピリピリした雰囲気につつまれるに至る。まさにこの作品は1950年代以降の国際社会に、新しく作られた激しい対立《冷戦の縮図》を見事に描いた傑作である。そして1990年代の《世界情勢》を知る上でも必見の作品である。
 イタリアが生んだ若々しい国際スターのラフ・ヴァローネと、目を見張るような美人ジーナ・ロロブリジダの共演は最高のコンビネーションを発揮している。不滅の名作『自転車泥棒』で世界中を沸かせた名子役、エンツォ・スタイヨーラの熱演ぶりもまた大きな感動を呼ぶ。

出典:VHS:PCVP-30819ジャケット解説

戦争が残した傷跡が、
村と子供たちの心を引き裂くーー国境線

 戦後、北イタリアの小さな村に連合国の定めた国境線が引かれ、村はイタリア領とユーゴ領に二分された。少年パスカリーノは、農園をユーゴ側に引き離 され、遊び場を失ってしまう。ユーゴ側に渡った姉の恋人から国境を越えてくるように説得されるのだが、そんな折り、ユーゴ側からやってきた政治犯ドメニコが姉と愛し合うようになる・・・
 戦争の引き起こした悲劇を独特のタッチで描いた、イタリアン・ネオ・リアリスモ第一期の代表作。

出典:VHS:VZ-1176ジャケット解説

※ビデオ解説で〝小さな町〟と〝小さな村〟で相違がありますが、字幕では〝町〟になっています。

本作は実際のトリエステ自由地域で撮影が行われました。

ユーゴスラビア軍はトリエステ市内から撤退し、北部地域はイギリス軍、南部地域はユーゴスラビア軍が占領する暫定的協定が結ばれた。

本作は上記2点が背景となっています。
劇中では国境線が自由地区(西側)と共産地区(東側)

イタリアの小さな田舎町にある日、連合軍がやってきて突然、町の真ん中にラインパウダー(運動会などで使う白いライン引き)で国境線を引いてしまい農園、教会、井戸水など全てが東西に分断され、夜明けまでに東に行くか、西に行くかそれぞれ決めろと言われる。畑はどうする?牛はどうする?と町民が揉めに揉めるが、これも喜劇のような掛け合いだ。

西は自由だと言う。自由は退廃的だと言う。東はロシア人が共産主義だと言う。借金があるから西がいいだろうと言う。仕事があるから東がいいだろうと言う。子どもたちもそれぞれ集まり、どっちに行くか決めかねるが、やがて親兄弟が迎えに来て東へ西へと移動する。神父は教会の中で燭台やら移動せざるを得なくなる。

結婚を約束した恋人同士。
男「君の父親は(西側に)留まるそうだな」
女「仕方ないわ……あんたは東に?」
男「そうだ 腐敗している国(西側)にはいたくない」
女「もう会えなくなるわ」
男「なぜだ?町から離れない」

でも国境で自由に行き来できなくなるんだよねー。

そんな折にユーゴの政治犯がここぞとばかりに西側へやってくる。
女の父親共々もその男の面倒を見る内に恋心が芽生えてしまう……。

国境が引かれたことによって仲良し同士だった子どもたちも金網越しで喧嘩を始めてしまう。

やがて子どもたちは国境の標識があるから喧嘩になることに気が付き燃やし、谷底へ捨ててしまう。

突然に国境線が引かれ強制的に移動(移住)せざるを得ないなんてはた迷惑もいいところだ。それらの実際に起きたことを面白おかしく描いている。

機会があれば観て欲しい映画のひとつです。

レンタルもあります。


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