白い國境線 (1950)
別題:白い国境線 (廉価版ビデオ題)
原題:Cuori senza frontiere
英題:The White Line
時間:87分
監督:ルイジ・ザンパ
製作国:イタリア🇮🇹
言語:イタリア語
VHS:PCVP-30819 (1992/05/21)
VHS:VZ-1176 (1998/08/28)
※ビデオ解説で〝小さな町〟と〝小さな村〟で相違がありますが、字幕では〝町〟になっています。
本作は実際のトリエステ自由地域で撮影が行われました。
ユーゴスラビア軍はトリエステ市内から撤退し、北部地域はイギリス軍、南部地域はユーゴスラビア軍が占領する暫定的協定が結ばれた。
本作は上記2点が背景となっています。
劇中では国境線が自由地区(西側)と共産地区(東側)
イタリアの小さな田舎町にある日、連合軍がやってきて突然、町の真ん中にラインパウダー(運動会などで使う白いライン引き)で国境線を引いてしまい農園、教会、井戸水など全てが東西に分断され、夜明けまでに東に行くか、西に行くかそれぞれ決めろと言われる。畑はどうする?牛はどうする?と町民が揉めに揉めるが、これも喜劇のような掛け合いだ。
西は自由だと言う。自由は退廃的だと言う。東はロシア人が共産主義だと言う。借金があるから西がいいだろうと言う。仕事があるから東がいいだろうと言う。子どもたちもそれぞれ集まり、どっちに行くか決めかねるが、やがて親兄弟が迎えに来て東へ西へと移動する。神父は教会の中で燭台やら移動せざるを得なくなる。
結婚を約束した恋人同士。
男「君の父親は(西側に)留まるそうだな」
女「仕方ないわ……あんたは東に?」
男「そうだ 腐敗している国(西側)にはいたくない」
女「もう会えなくなるわ」
男「なぜだ?町から離れない」
でも国境で自由に行き来できなくなるんだよねー。
そんな折にユーゴの政治犯がここぞとばかりに西側へやってくる。
女の父親共々もその男の面倒を見る内に恋心が芽生えてしまう……。
国境が引かれたことによって仲良し同士だった子どもたちも金網越しで喧嘩を始めてしまう。
やがて子どもたちは国境の標識があるから喧嘩になることに気が付き燃やし、谷底へ捨ててしまう。
突然に国境線が引かれ強制的に移動(移住)せざるを得ないなんてはた迷惑もいいところだ。それらの実際に起きたことを面白おかしく描いている。
機会があれば観て欲しい映画のひとつです。
レンタルもあります。