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カバー株式会社にとって「ホロライブ」とは何なのか
※この記事は全て私の臆測なので、誤った情報が多く含まれている可能性があります。
これを書いているのはホロライブプロダクション所属の沙花叉クロエさんが来年の1月に配信活動を終了すると発表した直後だ。Xなどでは沙花叉クロエさんのファン、ホロライブのファンの方々からショックの声が上がっている。
ホロライブからは夏頃にも人気ライバーの湊あくあさんが卒業しており、グッズを買うほど湊あくあさんの事を推していた私は今回の事と同じくらいのショックを受けていた。
そんなホロライブから去って行った2人には共通点があり、それは理由が「運営との方向性の違い」という所だ。「こんな短期間で2人も方向性の違いでホロライブを去るという事は、おそらく運営のカバーに何か大きな変化があったのだろう」と思った私はカバーのIR、 CEOへのインタビュー、人材募集などのインターネットに転がっている資料を読み漁った。その結果、私は「現在のカバー社にとってホロライブとは何なのだろう」という疑問に行き着いた。
まず業績面では、収益のほぼ全てがホロライブプロダクション関連の事業である、配信/コンテンツ、ライブ/イベント、マーチャンダイジング、ライセンス/タイアップからくる物でありカバー社にとって「ホロライブプロダクション」とは、カバー社のほぼ全てと言って良いだろう。
しかしカバー社のビジョンという面で見ると、その答えは途端に難しくなる(私の読解力が無いだけかも知れないが)。今までのカバー社のインタビュー記事を見る限り「カバーにとって、ホロライブプロダクションが全て」とは言い切れない様に思える。最近のカバー株式会社CEOへのインタビュー記事↓では、
https://coveredge.cover-corp.com/list/315
CEOの谷郷氏は「カバーが目指している世界や、今後世間に浸透させていきたいこと、発信していきたいことを教えてください」という質問に対して、「ホロライブプロダクションを通してものづくりへの敷居を下げ、誰もがクリエイターとして活躍できる社会を目指しています。そのためにテクノロジーを活用しながら、クリエイターがコンテンツを作るための場を提供しているプラットフォーム企業として価値を提供していくことが私たちのビジョンです。今はYouTube上でのタレントプロダクションという見え方が強く、あまりプラットフォーマーとしての印象がないと思いますが今後メタバースなどを展開していく中で、よりプラットフォーマーとしての側面を見せていきたいと思っています。」と答えている。最初に「ホロライブプロダクションを通してものづくりへの敷居を下げ、誰もがクリエイターとして…」と答えているが、これは一体どういう事なのか。他にも谷郷氏はインタビューの中では「UGC」「プラットフォーム」という言葉を良く使っている。「UGC」というのは、「User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)」の略であり、ファンアート、配信の切り抜き動画などが含まれる。「プラットフォーム」とはシステムの基盤を表す言葉としてよく使われる(AWSや Windowsなど)。「UGCプラットフォーム」というのは、ユーザーが生成したコンテンツのプラットフォームなのでYouTubeやその他SNSを指す言葉だろう。
ここまでの話をまとめると、谷郷氏は「ホロライブプロダクション」によりUGCに関わるユーザーを増やし、カバー社が提供しているメタバース(ホロアース)などをプラットフォーム化し、カバー社をプロダクション運営企業からプラットフォーム運営企業に変化させようとしているのかも知れない。
すばりカバー社にとって「ホロライブプロダクション」とは公式HP↓
https://cover-corp.com/
に書いてある様に「ブームの火付け役」であるという事だ。(なら最初から公式HPを見ろという話だが)
※ここからは卒業に関する私の意見
これまでの事とライバー2人が「方向性の違い」によりホロライブプロダクションを去る事を掛け合わせると、カバー社がプロダクション運営企業からプラットフォーム企業へ変化しようとしている事により辞めてしまったのかとも読み取れるが、それに関しては全く分からない。本当にプラットフォーム企業への変化が原因かも知れないし、今年に入ってからカバーが本格的に進めている海外展開が原因かも知れない。もしくはカバー社が上場した事によりコンプライアンスの強化などが原因かも知れない。
しかし、たとえどんな理由でも変わらず言えるのは「辞めるのはライバー、会社側の自由だし、どんな会社の経営の舵取りをしようが CEOであり筆頭株主の谷郷氏の自由」という事だ。私たちが「運営はもっとライバーの意見を聞くべきだ」などと文句を言ってはいけないという事だ。
私は「ホロライブ」の事が好きだが、実はそれ以上に「カバー株式会社」が好きだ。カバー社や谷郷氏が掲げる「クリエイター経済圏の構築」、「UGCプラットフォームの構築」、そして「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」というビジョンに勝手ながら共感させていただいている。谷郷氏の「VRゲームプラットフォームを作る」という目標の為に設立されたカバー株式会社が今後、どの様な形で世界のエンターテイメントを進化させていくのか非常に楽しみだ。