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毎年4月2日は世界自閉症啓発デー・8日まで発達障害啓発週間です!@吉川市
春の天気は目まぐるしい。コートのいらないポカポカ陽気かと思えば、強い寒気と雷雨がやってきたり。アンバランスが特徴な春。そう、今日のキー・ワードは「アンバランス」です!
年度初めの4月1日、世界自閉症啓発デー・発達障害啓発週間の取り組みを行ってきました。
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国連が定めた「世界自閉症啓発デー(World Autism Awareness Day)」。4月2日は各国で「自閉症(Autism)」を理解してもらうための取り組みが行われています。
診断名として用いられるのは「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD)」という医学用語ですが(この意味については後日解説したいところ)、ここでは「自閉症」と短く表記することにします。
さて、5年前の2019年、世界自閉症啓発デーに合わせて、「Amazing Things Happend!(すごいことがおきる)」という動画(日本語訳)が公開されました。アレックス・アメリーンズさんというイギリスのアニメーターが、自閉症を分かりやすく伝えるために制作した動画です。
この動画では、
・脳の機能(はたらき)は、一人ひとり“違う”ということ
・それにより、学び方や感じ方、意思疎通の仕方、状況の捉え方、対処の仕方も一人ひとり“違う”ということ
が描かれています。人と人の間には当たり前に「違い」があり、「違いがある」ということは、病気でも壊れている訳でもないのです。
英語版の動画では、Autistic brainという言葉が使われています。このAutistic brain(日本語にすれば、自閉みのある脳といったところでしょうか)をもつ人は、周囲と比べて「上手くいくこと」や、周囲と比べて「上手くいかないこと(あるいはそのようにみえること)」があるといいます。例えば動画の中では、数学や音楽、絵画が得意な一方で、友達をつくることが苦手という様子が描かれていました。得意と苦手がはっきりしていて、つまり “アンバランス”なのです。
もう少し詳しくいうと、Autistic brain(自閉みのある脳)をもつかどうかは、主に①臨機応変な対人関係の苦手さと②こだわりの強さがあるか、で判断されます(DSM-5より)。しかし、このような特性をもっていても、それが生活上の問題となっていなければ、自閉「症」とは診断されません。①臨機応変な対人関係の苦手さと②こだわりの強さの度合いによって、“生活上の問題が生じているときに初めて”、自閉「症(Disorder)」と診断されるのです。
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終わりに
皆さんは、「自閉症や発達障害のある人は、私とは違う」と捉えていないでしょうか。しかし本来は、自閉症や発達障害のある/ないに限らず、人と人である上で、違いは当たり前にあるのです。
世界自閉症啓発デー・発達障害啓発週間を通じて、皆さんが、自分とは違う家族や友達のことを理解しよう/理解したいと思うように、Autistic brainをもつ人の理解にポジティブになっていくこと、また、「変わった人」「理解し難い人」という見方から解放されて、互いの「違い」を楽しみ共に過ごしていくことを願っています。