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AoW4 開発日誌第7回【序盤の要素と独立都市】

アイサツ

こんにちは、そして新しい開発日誌へようこそ!
Age of Wonders4のゲームディレクター、レナートと申します。
今日はゲーム序盤の探索と「プレイヤーと環境」のフェーズについて見ていきます。
ゲーム序盤の斥候による探索は後半のゲーム展開に影響するほど重要ですよ。

(訳注:この記事に出てくる「インペリアム」とは帝国ツリーを進めるのに必要なポイントのことだったと思う。ステラリスの影響力・統合力のようなものだろうか、とにかく、今作はそれを使って拡張なども行うようだ。)

戦略マップの表示

未踏の地」は、山の頂上を中心に霧が渦を巻く「戦場の霧」です。
霧の中には地形のシルエットが描かれており、大まかな地形が把握できるようになっています。あなたが送り出したユニットはこの地形を探索し、地形の特徴、集落や軍隊の存在を明らかにします。探索されたヘクスがユニットや建造物の視界から外れると、霧の中に入ってしまい、敵軍を追跡することができなくなります。

一部のユニットは隠蔽能力を持っており、特定の地形に隠れることができます。
プラネットフォールの「センサーレンジ」が、「リモートセンシング」として再登場します。これにより、霧の中にいる敵の存在を感知することができ、早期警戒に使えるでしょう。多くのアップグレードにより、この能力の範囲が改善されますが、デフォルトのリモートセンシングは0です。

スタート地点の周囲を偵察。カメラを回転させて周囲を鑑賞することができます。


斥候ユニット

すべての種族は、その文化から生まれた斥候ユニットを持っています。斥候は高い機動力と遠距離の視力を兼ね備えており、文化によってさまざまなボーナスがあります。主な用途はワールドマップ上での探索ですが、戦闘時には射撃攻撃で敵を排除する小兵として運用することもできます。

  • ダークアウトライダー…敵陣での視界が広く、隠蔽能力を持ちます。「浮遊する投影体The Floating Mystic Projection」は、知識とマナを与えるアストラル・エコーの落とし物を見つける能力を持ちます。

斥候は、スタート地点の町から複数の方向に派遣して、チャンスや脅威を探り、あちこちにある無防備な落とし物を手に入れるのに最適です。

ここでは、斥候や探索に役立つ注目の機能拡張を紹介します。特に大きなマップでプレイする場合、早い段階でこれらに投資することは非常に有意義です。

  • 「先導者の強化 Wayfinder Enchantment」と「カラスの眼 Enchanted Crows」…これらの強化スペルはそれぞれ斥候の移動速度と視界範囲を強化します。

  • 「海運 Seafaring」…この初期スキルは帝国のスキルツリーから購入することができる。しかし、最初に船出したプレイヤーは、海に散らばった浮遊財宝を回収でき、海岸線の知識を利用して有利になるため、その価値はあるでしょう…。

  • 「掘削 Excavation」…帝国ツリーから獲得できるもう1つのスキルで(ただし、地下種族はこのスキルでゲームを開始する)、ユニットが土を掘ることができるようになります。発掘によって財宝や…新たな脅威も発見する。気をつけよう。

  • 「第六感 Advanced Sensing」…アバターの枝に属する帝国スキル。「未踏の地」にいる敵を感知できるようになる。

  • 「死の行軍 Force March」…ゲーム序盤の後半に登場し、マナを消費して1ターンにスタックの移動量を2倍にすることができ、長距離を移動することができる。コストはスタックのサイズによって異なり、行軍はユニットにダメージを与えるため、ラッシュ戦術はあまり効果的ではないでしょうね。

もちろん、帝国ツリーや魔導書には斥候に役立つ他のスキルもありますが、それは後日のDDで紹介するとおもいます。

マップの地形

あなたの帝国建設に役立つポイントを発見することができます。
探索では、あちこちで無防備な落とし物を得ることができますが、主な目的は、拡張先や、霧の中から迫り来る脅威を特定することです。
ここでは、マップ上で遭遇する可能性のある主なロケーションのカテゴリを紹介します。

  • 落とし物…ゲーム序盤の経済を活性化させる資源の隠し場所。低レベルのものは無警戒で、1人の斥候でも拾うことができます。基本資源に加え、無料のユニットを獲得できる「怪物の檻」や、軍内の全ユニットのランク/レベルを上げる「戦いの軍旗」などがある。

  • リソースノード…すべてのヘクスは収入をもたらしますが、牧草地、鉱床、マナ泉などの資源ノードはより良いボーナスをもたらし、都市の特別な建造物をアンロックします。

  • マジックマテリアル…これらは自分の領地内にあるとユニークな恩恵を受けることができ、1つの種類を3つとも集めると別のボーナスが発生しますが、希少価値が高いため、他のプレイヤーや独立都市と交換する必要があるかもしれません。敵の領地に置かれない限り、厳重な警備兵がいることでしょう。。。


例えば「秘術の鉱石」というマジックマテリアルはユニットの緊急生産コストを下げるらしい。

古代の驚異…これらのランドマークは非常に価値が高く、探索するには英雄が率いる軍隊が必要です。これらの場所にはかなりの工夫が加えられており、今後別のDDで紹介するかも。

上記の場所は「未開の地」にあるかもしれませんが、残念ながらNPCの独立勢力の領土内にあるものもあります。「独立都市」とか、常に敵対する「危険地帯 Infestations 」とか。

ノードの探索とレベルアップ

周囲の探索が済んだら、いよいよ自軍がノードから盗賊を排除し、集落を併合して収入を得られるようにするときですね!ノードの撤去はそれ自体も利益がある行動であり、戦闘後に大きな報酬を得ることができます。
そしてなにより戦闘の経験値は英雄やユニットをレベルアップさせ、回収した戦利品は英雄を武装させることができるでしょう。

AoW3では、このような初期のPvEバトルでユニットを失うと、スタート地点の都市の開発が滞ってしまい、代わりのユニットを作ることができず、非常に痛い思いをすることがありました。AoW4では、ユニットと建物の生産キューが分かれているため、そのような問題は起こりません。だから、ゲーム開始時に軍隊を放置せず、ノードを探索して先手を打っておきましょう!

前哨基地

首都から少し離れた場所にある資源ノードの集合地を発見してクリアした場合、英雄が率いる軍隊で前哨基地を建設して、それらを要求することができます。前哨基地は後にインペリアムの費用で完全な都市にすることができる。前哨基地は、その周囲に州の領有権を主張し、他のプレイヤーや独立都市との初期の緊張の原因となるでしょう。

AoW4では、前哨基地は複数の方法でアップグレードすることができます。壁や監視塔があり、古代の驚異のような近隣の州を併合することも可能です。

(訳注:AoW3では「城塞 fort」というシステムだったが、これはゴールドとビルダーで作る建造物だった。今作では特別なユニットはいらず、一種の研究リソースを要するようになるので、作るか作らないかの選択がより明瞭になったといえるだろう。)

危険地帯

前作までの「悪党たちの住処」に代わって登場したのが「危険地帯」です。山賊や狂信的なカルト信者、様々なモンスターなど、様々な悪党のテリトリーとなっています。

AoW4では、危険地帯は不吉な赤い枠で示された領域を持っており、その中心にはスポナーがあります。
危険地帯には3つのパワーレベルがあるが、いずれもゲームが進むにつれてサイズと強さが増していくことでしょう。

山の斥候中にアストラル・リフトに遭遇だ! まあ要はAoW3のダンジョンとかそういうやつだろう


アストラル・リフトのような高レベルの危険地帯は戦場の魔法を帯びています。このフィールドの呪文「妨害パルス」は3Tの間正の効果を打ち消し、抵抗力を低下させるようだ。そんなことより何だいこのエルドリッジ感あふれるモンスターは?
と思ったら第三回で紹介されていた。ロストメイジというたぐいのユニットらしい
  • ゲーム開始時、危険地帯は睡眠状態になっています。

  • スリープタイマーが切れると目を覚まします。近くの危険地帯が襲撃を仕掛けてくると、プレイヤーは警告を受けます。彼らはあなたの地方を略奪し、町を包囲することもあるでしょう。

  • プレイヤーは、危険地帯が強大化する前に対処しなければなりません。しかし、これはゲーム序盤の他の重要な場所(古代の驚異や都市など)を支配する機会を犠牲にすることになるかもしれません。

  • 危険地帯の支配領域は徐々に大きくなっていきます。自分の都市と重なると、自分の州の改善に対する襲撃が頻発するようになるでしょう。

  • スポナーを壊すと領域は破壊され、何らかの宝物、一般的には多額の資源報酬と英雄のアイテムが手に入ります。

  • 危険地帯の領土には資源が密集していることが多く、クリアすると移住地として最適な場所になります。

  • なお、世界の脅威レベルに応じて、ゲーム後半に新たな危険地帯が出現することがあります。

「カラグはユニットを食べる能力を持つ危険地帯のモンスターの一つです。」雑魚キャラのような見た目だが、Tier5の超危険ユニットだ。第5回のゴールデンゴーレムと同格といえば想像がつく。

独立都市

独立都市は、Age of Wonders 4の小規模な派閥で、あらかじめ配置されたマップ上の地方群を支配する一つの都市で構成されています。近くにあるものもあれば、もっと遠くにあるもの、地下に隠れているものもある。魔人同士の争いでは、外交や武力によって大きな帝国に参加し、忠実な家臣になったり、自分の帝国に吸収されたりする。

ともかく、その在り方はAge of Wonders 3から大きく変わりました。

友好的な隣人だ
独立都市は貴重な資源を持っていることもある!

独立都市は英雄によって統治されています。英雄は交渉や物語上のイベントにおいて自由都市の交渉人となります。独立都市が平和的に加盟した場合、領主や女伯は英雄の一人としてあなたに加わります。(あるいは、攻撃する場合は、戦場で彼らと対峙することになります!)
独立都市には、領域内の主要な種族のいずれかが住んでいます。一般的に、スタート地点の近くにある町の1つは、あなたのスタート地点の種族と同じ種族である。

独立都市の規模は様々で、支配している領土、自由に使えるユニット、都市の防衛に影響を与えます。一部の大規模なものは、特定の親和に同調しており、魔法の力や変身を利用することができます。これらは戦闘で不利に働くこともあるが、仲良くなれば有利に働くこともある。

「大規模都市のトードキン。ユニット、スキル、領域に干渉する影の親和を持っています。」ヒキガエルにしてはイケメン、かもしれない。

独立都市との交渉は、自分の「囁きの石」を1つ渡すことで開始され、彼らとの交信が可能になる。ほとんどの派閥は「囁きの石」を1つ持ってスタートしますが、エンパイアスキルや開始時の特性によって「囁きの石」を増やすことができます。
独立都市の中には、あなたに対して敵対的な状態でスタートしたり、あなたとの関係が希薄になると敵対的になったりするものがあることに注意してください。危険地帯と同じように、あなたの土地に襲撃を仕掛けてくるかもしれません。放っておくと危険です。(特に善/秩序のプレイヤーには有効な戦略です)。
独立都市は、領地の外にも守備隊を置き、貴重なリソースノードやマジックマテリアルを守ることがあります。これは興味深い交渉を生み出すでしょう。彼らをその場所から追い出したい場合は戦うことができますが、物語マップの遭遇イベントを通じて、より外交的なアプローチもあります。

リソースノードの守備隊の中には独立都市に所属しているものもあり、攻撃することで結果を出すこともできます。
「『鉄塊』を守っている守備兵はどうやら疲れ切っているようだ。」
「私は独立都市からこれを守るよう命じられているが、ろくに装備も配給されない。守り続ける
のも疲れたよ」
→「『鉄塊』と貴公の献身、その両方を買い上げるとしよう」
「怠惰なクズめ!貴様の弱さが破滅を導くと知れ」

「囁きの石」を設置すると、その町はあなたへの忠誠心を高めていきます。忠誠の蓄積速度は、その町との関係性によって決まり、関係性が高いほど早く統合することができます。UIには同盟の進捗バーが表示され、その上に協定が表示されています。ライバルと交渉している場合は、その進捗もゲージに表示されます。中立から順に、外交協定が表示されます。

  • 協力状態…国境を開放し、基本的な貿易を可能にします。

  • 忠誠状態…視界を共有する。領有権を主張するヘクスに建設できるようになる。増援システムを利用した近隣の略奪者との戦闘に参加し、「領主の集会」に参加することができるようになります。

  • 臣従状態…収入と魔法材料を共有し、戦争に参加します。交渉の結果、より多くの利益を得ることができ、最終的には完全な統合を目指すことができます。

しかし、独立都市の忠誠心を追い求めるのはあなただけとは限りません。他の支配者も同様に、臣下を獲得しようと考えているからです。このような激しい競争の中で、独立都市との臣従関係を結ぶと、他の支配者を怒らせてしまうかもしれません。
親和とアライメントの相性によって、ゲーム開始時に関係性が初期化されます。ほかにも「生ける戦士の起源? Mortal Champion Origin」を持つ支配者は、すべての自由都市に対して+100の関係ボーナスを得ることができます。

3/6訂正 そういえばゲーム開始時に「アスラ側の指導者」としてスタートするか、「帰還者たる魔人」としてスタートするか選ぶとか言ってた。
前者の場合そうなるんじゃね?みたいなことをスレで言われた。確かに。

ゲームプレイ中、あなたの関係はプラスまたはマイナスに修正されることがあります。一般的な修正要素には以下のようなものがある。
物語上の出来事…あなたの援助を求めたり、宴会に招待したり、他の独立都市にいるライバル領主を倒すように要求したりする。あなたの反応は、一般的にあなたの関係や忠誠に影響を与えます。
彼らの領地に侵入したり、彼らの近くに領土を主張したりすると、適切な条約を結んでいない場合、関係に悪影響を及ぼします。
独立都市出身の英雄は、あなたのサービスに参加することができます。彼らを雇うことで、あなたの関係はより深まります。しかし、無為に殺されないように…。(ただし、彼らの遺体を保管しておけば、将来的に面白い選択肢があるかもしれません)

その他にも、このような英雄を捕獲するイベントもあります。

英雄を倒すと英雄は地下室や牢屋で軟禁され、何かイベントが起こります。「ステキなお客様がいるぞ」

インペリアムを消費することで、1ターンに1回、「忠誠心」を高めることができます。これにより、より早く町を手に入れることができ、他のライバルに差をつけることができるでしょう。しかし、交渉でインペリウムを使い果たすと、帝国スキルの習得が遅れ、結局属国を完全に統合した町にしたり、新しい町を建設したりするのに時間がかかるので、賢く使ってください。

忠誠度が高くなると、その町は属国になり、他のプレイヤーは武力以外では手に入れることができなくなります。
特に、自分の帝国が都市数の上限に達して、これ以上町を管理できない場合は、このまま属国にすることができます。自分の都市を属国にすることで、都市数の上限によるペナルティを防ぐこともできます。属国となった都市は、収入と「領主の集会」のためのポイントを提供し、自分の領地やユニット名簿の外から軍隊を徴発するのに良い方法となります。
これらの属国からのボーナスは、都市の忠誠心や属国状態が変化してもさらに増加(または減少!)します。(「属国の拒否」から「属国の繁栄」まで)最終的には都市を完全に占領して統合することができる。
「属国の拒否」は、忠誠心の低い属国、特に敵の支配者から町を奪った後に服従させられ、完全な統合を目指すのではなく、属国化を選択した属国のためのものです。

領主の集会

「忠実なるあなたの属国が雇用できる傭兵の一覧を提示しています」

自由都市やクリアした古代遺跡からユニットを獲得できるイベントです。自由都市やクリアした古代の驚異からユニットを募集することができ、自分の首都にユニットを集めることも、自由都市を強化するためにユニットを使うこともできます。
属国を集めることで、資源やユニットを確保することができます。適切な帝国スキルを選択することで、アンロックのタイミングが良ければ、他のプレイヤーに対して戦術的に有利になることもあります。例えば、次のようなものです。

秩序の親和にフォーカスしているなら…より早く忠誠心を獲得し、「囁きの石」を追加で獲得できる強力なアンロックにアクセスできますが、加えて、一度だけ無料の「領主の集会」を瞬時に開始することも可能にします。
影の親和にフォーカスしているなら…独立都市からさまざまな利益を得ることができます。「囁きの石」が視界を広げるだけでなく、「囁きの石」を他人の属国に割り当て、その都市から自分の属国と同等の貢ぎ物を得ることができるのです。

まとめ

この日記で、Age of Wonders4の序盤のゲームがどのようなものかを知ってもらえたらと思います。システム自体はAoW3から大きな進化を遂げていますが、最大の違いは、これらのシステムが互いに織りなす範囲にあり、興味深い取捨選択や驚き、多様なゲームプレイにつながると考えています。
次のDDでは、古代の驚異、戦闘、都市、対人戦での外交について深く掘り下げていきます。

おまけ

前回のDD第6回の趣旨…AoW3のちょっとフレーバーテキストだけあるクエストとかだけじゃなくてCK3とかVic3みたいな感じのイベントがたくさんあるよってこと

一足先に発表されたDLCのタイトルたち。「竜の目覚め」「異次元領域」「帝国と灰」「原始の怒り」うーむ。ワクワク。

早期購入が解禁されたついでにDLCのタイトルが解禁された。ドラコニアン要素、クトゥルフ要素?、ネクロマンサー要素?、過去作要素のカムバック?と予想。

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