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映画『87分1の人生』

”A Good Person”が英語タイトルかな。

自分が起こした交通事故で、自分の婚約者の姉とその夫が亡くなる。その後のストーリー。

鎮痛剤の依存症となったアリソンは、「自分のせいじゃない。」と実家で薬と母に頼る生活。

婚約者の父ダニエルは、「善き人」であろうとアリソンに対して赦しの姿勢をとっていたが、孫娘に危害が及びそうになると、「2人が死んだのは、お前のせいだ。」と本人に突きつける。

そういうダニエルも昔は泥酔状態になると子供に暴力を振るう癖があり、そのせいで息子のネイサンは片耳の聴力を失った過去がある。

作中には「助けがいる」という言葉がよく出てくる。鎮痛剤、ドラック、アルコール、たばこ、スマホ。何かに依存しながら、でも誰かを助けようとしたり、助けられたり。

鉄道模型(87分の1の世界)のような理想郷ではない、辛いことばかりの現実だとしても。

善い感情ではない、激しい憎しみの感情だとしても。

昔のように綺麗ではない、薬に依存する惨めな自分だとしても。

誰のせいでもない、これが自分の人生だと受け入れること。作中でいう"amor fati"。

理想郷を正本に、現実の問題を脇に置いても、自分も周りも幸せにはならない。
人間味のある映画でした。

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