コミュニティ愛さえあれば必ず売れると信じている
結局の所、愛があれば売れるんだよ。
その愛は、自己愛ではなくコミュニティ愛。
プロゲーマーの梅原大吾はプロに必要な事は、競技の実力でも海外と交流する英語力やコミュ力でもなく、ひたすら業界に貢献するコミュニティ愛だと言っている。
UBIが叩かれてるのは日本に愛がないからだが、ゴーストオブツシマが人気なのは日本を愛してくれたからだ。
そういう意味で、マイナな分野であるロボットも、アーマードコア6が好調だったしMecha Breakも門外漢の自分が見てもジャンルを愛しているのがわかる。
流行だからとか好調だから出しただけの続編とか、そういうものは廃れる原因になる。
1作1作、これで最後かも知れないという覚悟で作って欲しい。そうすれば我々消費者はついて行く。例えば、スト6の人気もそうだ。格ゲーは滅びかけてスト5の失敗から学んで色々な事に挑戦して初動で転ばないように入念に準備した。その結果が今の人気に繋がっている。スト6なんて2年目のほうがプレイヤが増えているのだから凄いとしか言いようがない。
最近だと、Wizardryの最新作が楽しみでしょうがない。
確かにキャラデザがガキ臭いし演出過剰で諄くも感じる。
しかし、意図は明確でこれは新規、特に若者を取り込みたいが故なのは明らかで、実際にディレクタが明言している。
インタビュウとプレイ動画を見ればわかるが、確かに往年とは違う路線で古参から抵抗があるのはわかる。しかし、それを覚悟の上でシリーズ存続のために踏み切った判断だし、少なくともシリーズ作品やファンを舐めて作ってない。きちんと丁寧に作っているのは明らかだ。
今更Wizardryが任天堂並に売れるとは考えていない。しかし、少なくとも採算が取れるくらいには売れてくれると考えられる、それくらいの愛を感じる。
ゲームではないけれど、原爆の父オッペンハイマーを題材にしたクリストファーノーランの映画が日本でも売れた。
この映画は、アメリカ視点なので原爆には比較的に肯定的で日本人からは不快に見える要素もある。しかし、日本を敵として描いても悪としては描いておらず、また、ちゃんと原爆に批判的な目線もあり、原爆投下後に盛り上がるアメリカ市民に批判的と思われる描写すらある。
これなら我々日本人でも見られるし、ノーラン憎しとはならない。
確かに日本を肯定しているわけではないが、いたずらに批判もしてこない。それが作品愛だと思う。
ちなみに、ここで言う愛とはシリーズのマニアックな要素に愉悦するオタク的な偏愛ではない。格闘ゲームも縦横シューティングゲームも、だから滅びた。滅びかけた。
愛とは、大人も子供もお姉さんも、初心者もマニアも頷ける入り口と懐の深さ、この両立である。どちらも蔑ろにしてはいけないが、基本的にどちらかに傾いて失敗するケースが多い。それだけ両対応が難しいのがゲーム制作なのだけど。
売れる売れないは運もある。情熱だけではどうにもならない事は腐るほどある。それでも、インターネットの時代に愛の伝播は昔よりも容易だと思う。
門外漢すら簡単に知られる良い時代だ。
だから、愛があるなら長期的には必ず売れるだろうと、そう信じられる。