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夜明け前

殻の桜が散り乱れ
浮き世の色が滲むとき
子どもの声も赤く擦れ
知らずに進む夜電車

ラッパ鳴り響き羽音止む
灰はそのまま動かない
夕陽が添える橙も
知らないあの子は何処いった

寄る壁もない長い夜
次の境はいつになる
二三と辛苦を乗り越えて
我が子に託す末の先

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