キリンさん2

KiRiNさんインタビュー(後編)

キャリア紹介

1社目:
電柱又はマンホールで通信ケーブルの敷設・引込み(主に光ファイバー)

某キャリアの中継回線やユーザー回線の光ファイバー接続・切替・局内対応

オフィス/大学/工場/イベント会場/公共や官公庁案件などで、LAN環境など現場調査/設計/施工管理/ドキュメント作成/ネットワーク構築作業(若干営業を兼務していた時期もあり)

2社目:金融系での拠点間NWの構築対応/ドキュメント作成

現在:フリーランスSE
ネットワーク系案件を主に対応中

〜経験
有線・無線LAN環境の積算・物理設計・論理設計・設定・構築
ネットワークの設計・構築
(Cisco/YAMAHA/アライドテレシス/Apresia Fortigate)
監視カメラ環境の構築・画角調整
ピープルカウンター
無線LANサーベイ
照明工事の施工管理・設計・積算

物理から、頑張ってもレイヤ4まで。
Config書けるけど、コード書けません。ネットワーク機器の設定とマニュアルに沿ってZabbixとメールサーバ一立てたことがあります。
ろくに更新してないHPもあります。
https://kirinorks.net/

後編のトピック

後編ではKiRiNさんの考え方や今後の展望にもグイグイ突っ込んでいきます。インタビューというより対談に近い仕上がりとなりました。

KiRiNさんインタビュー

――1社目と2社目は領域が違いますよね。1社目はネットワークそのものの導入というイメージで、それをどう使うか設計構築するのが2社目なのかなという印象です。

だいたいその認識で合ってます。
1社目はそのものの概要をコンサル・提案~実際に設計・構築・ベンダーコントロールです。
2社目は、設計構築に狭まった業務です。
観てる広さは1社目のほうが広いです。属人的で大変でしたけど、楽しいのは1社目でしたね。
1社目は企業の内側や末端のインターネット/IP-VPNへの出口ばかりみていたのですが、キャリア系のバックボーンに興味があったのでそっちに移った感じです。

――経験で書いていただいた、いろいろなネットワーク機器に触れたのはどちらですか。

いろんな機器に触れたのは、1社目の何でも屋部署ですね。かなり貴重な経験をたくさんしました。変わり種(屋外無線LAN・フリーWi-Fi・ピープルカウンター・監視カメラ)も貴重な経験です。

――広い経験も大事ですが、割と2社目のキャリアがかなり深そうなのでネットワーク技術者としても核になりそうだと思いました。

そうですね。1社目で触れられない部分を2社目で補ってました。

――で、何気にフリーランスだったことは自己紹介で初めて知りました。キリノークス始まったのは知ってましたが。

あれはおまけです。デザイン系の仕事もしたかったのでどうせなら屋号つけようとしただけで。今はフリーのSEとして企業に潜り込んでます。

――お、おまけで屋号つけてロゴも作ったんですか。それがかっこよくてあまりに好きなので、この記事のサムネイル画像にもさせてもらいました。というか、デザインの経歴はここまで出てきてないですよね。

デザインはエンジニアの経歴にはひとつもないですね。もともと学生のころからデザインと映像作るのは好きでした。社会人になってからは、生活に忙殺されてスランプ気味でもありましたが、去年映像上映オフラインイベントへ作品を出したことでスランプ脱出できました
そしてフリーになるタイミングで、折角なら昔やりたかったことも合わせ技でやっていこうと思い今に至ります。

――その動機で活動できるのはツッコミどころですが、何かを作るって大変だから忙殺されるとできないってのはよくわかります。
気持ちに余裕があるかないかで、やりたいことやれるかどうかって変わりますし、物理的な忙しさと正比例しないんですよね。
読者向けにフォローすると、KiRiNさんはインフラ勉強会の運営もあってイベントの準備もあって、映像作品もそうですがシャツやリストバンドのデザインもあり、ものすごい多忙な中、他のこともやってたわけです。

物理的な忙しさと実際にやれることが正比例しないというは完全に同意で、忙しくても気持ちに余裕あるとか楽しいと実際にできたりします。

――ちょっと脱線するのですが、こないだジーンクエストの高橋祥子さんがnoteで書いてた記事で「なぜ人は思考停止するのか?」って話がありまして、「思考」という行動は生物学的にはとてもエネルギーを消費する行動なんだそうです。「脳を使うというのはとてもエネルギーを消費するため、エネルギー効率を考えると、生物は思考しなくてもよい環境であれば極力思考をしない方を無意識に選択すると考えられます。」
これ!ものすごい腑に落ちて、生物的には何も思考しないことが必要なんだって知って目からウロコだったんです。
だから、疲れることは考えないことが正しいと思いました。それは逃げとかじゃなくて、生物的に必要な行動なんだって思いました。

これいい記事ですね。あとでじっくり読みたいです。
たしかに思考を極力しないプロセスに持ち込むことは多々あります。必要なことは考えて、自己解釈して抽象的にまとめて無意識でも動ける仕組みにもっていくこととかしてます。

――ちなみに、デザインの仕事ってあるんですか?

この前1件終わりましたね。2件目の引き合いも頂いたところですがあまり本気で告知かけてないので(キャパ的にも)今は少なめにしてます。

――で、色々やると言われるのが、「何を目指してるのかわからない」みたいなこと。

そこで軸が問われますね。この前のインフラ勉強会で沢渡あまねさんもおっしゃってましたが(※「#0302-これから起業/フリーランスになる方にオラの知見をシェアしたい」のセッション)、軸は変わるものなんですよね。
それを聞いた時、わからない軸を都度自分に問いただして、アップデートしていかないといけないなと思いました。
軸を決めるのはいいことなんですが、それに固執するとどこかで分からなくなるんです。

――まさに沢渡さん道がないところを歩いて、最近社外取締役になったりテレビ出たりしてますよね。脱サラしてからもアップデートを続けて成功して、日本中を飛び回って講演されてるわけですが、一生やるのはきついとわかってるから会社への所属というのも一つの軸として必要だと判断したんでしょうね。

沢渡さんは自分の勝ちパターンを積極的にとりにいくのが上手だと思います。プライベートもうまく回るように考えつつ、自分が勝てる都合のいい環境を定義できるのは、分かりみが深い!と思いました。

――この流れで聞いておきたいですが、KiRiNさんの軸はなんですか?

2本の軸でエンジニアに役立つ知識の共有やデザインの課題解決がしたくて、今までにない文化やモノを作るMakerになるですね。
「ネットワーク」×「グラフィックデザイン」=Maker
KiRiNさんが影響を受けた記事のリンク
Makerとしてありたいときに、この記事に書いてあることは結構大事にしてます。合理的で正しいものを作ることも大事だけど、遊び心も大事にしたいです。

――確かに記事にあるように、役に立たないことに「才能の無駄遣い」するのって大事だと思います。

遊びがインプットにもアウトプットにも化ける魔法のステッキみたいなものですね。仕事とコミュニティに置き換えるなら、コミュニティはそういう使い方もしてます。

――「ネットワーク」×「グラフィックデザイン」の部分がイメージしにくいんですが、ネットワークって目に見えないものじゃないですか。そこに視覚的に何かするということでしょうか。

ネットワーク×グラフィックデザインをかけ合わせて何かを作ったあとの最終的な目的は3つあって
①その行動で自分の中でアウトプットの好循環がしたいですね。自分が可燃性タイプで誰かに火をつけられたとしても、常に自燃性で居続けるにはそれ相応のインプット(酸素)がないと燃え続けられないので、自燃性の自分が他燃性タイプの人に火をつけて、その人からのアウトプットやフィードバックをインプットし続ける。

②抽象化と具体的の道筋を見えるようにする(初学者向け)

③人と人をつなぎ合わせてみる。あるいは自分とつながることで、なにかインプットできるものがないか、そういう機会を作る(あるいは誰かの作った機会に参加する)

京セラフィロソフィとかにも載ってる話を自己解釈してます。

――なるほど。稲盛さんにとっての経営はフィロソフィ(哲学)なわけだから、彼の経営哲学は生き方そのものなわけじゃないですか。ものすごく納得できました。
KiRiNさんにとっては今手を動かしていることの中身より、考え方のこだわりが大事なんです。普通は目の前に見えてることのレイヤで考えがちですが、高いところにある目的を考える生き方をしてるからなんだと思いました。だから考え方が20代とは思えないほどしっかりしてるし、視野が広いのも興味があるのが経営や哲学や生き方だからなわけです。

目の前のことに集中する前に、その周りの依存関係は絶対考えてしまう節があります。気にしすぎか!って言われそうだなと時々思いますが。ところでこれコードレスエンジニアの話ですよね。

――あ、面白すぎて完全に忘れてました。だけどキャリアや考え方の話だからセーフです。特に思考は割と才能ですし、経営者の本を読んでそこに影響されて生きてるってだけでエンジニアだと希少種だと思います。
本当にいくら時間があっても聞きたいことがあってキリがないですが、今日はインタビューできて良かったと心から思います。ありがとうございました。


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