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ぼっち在宅介護 フッと介護が楽になる瞬間がやってくるねという話

先日、なつさんのnoteを拝見していて、
「そう!そう!」と思いました。

長く介護を日々していて、フッと毎日のルーティンが楽にできるようになる瞬間がくるというお話です。


ずーっと介護を毎日していると、本当にクタクタになるし、心身共に疲弊してきます。

それが、ある瞬間「あ…いける、これならいけるかも!」というような、フッと楽になる感じがやってくるのです。
このフッと楽になる感じは、在宅介護の醍醐味かもしれません。


だからと言って、在宅介護を強くオススメする気もないですし、全然「やりがいはあるよ!」とも思っています。

人にはそれぞれ向き不向きもあるし、どこで何をやるかなど、「絶対これが正解!」なんてことは言えないので。


ただ、在宅ですと、ずーっと横についてるわけではないけれど、ずっと近くで存在しているので、だんだん物音がしてることに安心しはじめる感じがわかってきます。


うちの父は、介護がはじまった当初、家族内のトラブルからストレスを抱えていました。私を介護する側の担当に父が任命しましたが、当時は、疑心暗鬼なところはあったかと思います。その後、外野からちょこちょこと彼の心に強いストレスが加わることがあり、せん妄に陥っていきました。

「窓から人が顔を出して何かを言ってくる」
とか
「子供が家の中を走っている」
とか
「ヤツがくる」
とか


とにかく、窓を一切開けたがらないし、カーテンも開けれなくて、家中の鍵を掛けて欲しがりました。特に、私が出かけるのを本当に不安がりました。

心臓は命が危ぶまれる状況まではないのに、みるみるせん妄に陥っていったので、とにかく不安を取り除いてあげたくて、父が深く眠っているタイミングで買い物や薬を取りに行くなどをしていました。
出歩く時間は最小限にして、全てとんぼ返り。
家中の全ての鍵をかけまくって出ていました。
万一、私が戻るまでに父が目覚めてしまうと、さらにせん妄に陥ってしまい、眠れない日々に逆戻りしてしまうからです。

その時期は、どんな言葉をかけても、父の心を穏やかにすることが難しかったです。


父の不安や不穏は、外的ストレスからくる不眠と、お下問題でした。
どうしても、お下のケアをされたくない。
自分でしたい。けれどできない。
せめて、オムツの中が変なことにならないようにと思うみたいですが、そのストレスと水分不足からさらに便秘になります。

なので、看護師さんにカンチョウ液を入れてもらい摘便をするのですが、摘便時に全てを出しきれません。看護師さんが帰り、夜遅く、雪崩のようにお腹を崩すのです。
体格の大きな父の排便は、オムツから漏れることもありましたし、おさまっていてもあけたとたん溢れてしまう状況で、父と私だけではケアしきれず、夜間に看護師さんに何度も来ていただいたりしました。

その状況にも父はストレスを感じはじめ、便意を感じた間にせん妄になったりすると、オムツに手を入れたり、汚れた手でベッドや柵やらあちこちを触ってもがいて、えらい事故現場になることもありました。

もちろん、あちこちは汚れるし洗濯物も鬼のように出るし、そこもいっぱい事件はおきていて。毎日毎日、おかしくなりそうな日々でした。


どうしよう?どうしたらいいんだろう?
いつまで続くんだろう…こんな生活。
なんで私だけこんな目に。
ここまでしてるのに、なんでオヤジは私の気持ちをわかってくれないの?

ずっとこんなことを考えながら洗濯していた気がします。


今でこそ、ストレスの原因がアレとアレか!とわかりましたが、当時はわからなかったし。
何より、わかったところでストレスの原因が私の存在ではなかったので私にどうこうできるものでもありませんでした。

で、考えを変えてみました。
(泣いてばかりに飽きてしまったんです)



なぜ、私は今ここにいるのか?
に立ち返ってみました。

いろんな事情があって仕方なかったとは言え、
「私がオヤジの最後はみる」と主人に宣言したのは私で、私が決めたことでした。
私は来たくて来たんだ!と思いました。
(いや、思い込むことにしました)

私は任務を果たしに来たんだ!(敬礼🫡)
どんな爆弾も処理してやる!

で、どうする?

●父が、どんなに便で汚れていても、嫌な顔は一切見せない。(嫌な顔は見えないところでする!)

●父が嫌がりそうなことは未然に防ぐ!
(下半身を丸見えにケアされるのをすごく嫌うので、タオルで隠したり気遣いをする)

●二人で処理できない量のときは、父にもちゃんと話して、素直に看護師さんや主人の手を借りる。(この頃は点数はいつもギリギリだったので悩みどころでした)

●頑張って二人でできそうな日は、
「大丈夫、今日は二人で頑張れるよ。頑張ろう」と声をかけ、体位をキープしてくれる父に「ありがとう、もう少し頑張って」と声をかけ続けました。
無事に終われば「助かった、ありがとう!」


あくまでも、父のことを手伝ってやってるのではなく、
私の任務(介助、介護)に父が協力してくれているんだ、という考えにシフトしたんです。

すると、父がめきめきと協力姿勢を取る努力をはじめ、お下の交換も嫌がらなくなり、交換したいかどうかも教えてくれるようになりました。せん妄も治療のかいもあり、みるみる回数が減っていきました。


たぶん、推測するに、
「コイツは、どんな俺でも助けてくれる気概でいる。どんな俺でも俺と思ってくれている」という認識をしてくれたんじゃないかと思います。

オヤジの行動が変わってくると、私にも少しずつ余裕が出て来て、父の謎解きがどんどんできるようになってきました。
(下痢の原因もわかり、今では雪崩はほぼありません。あっても二人でできるようにコントロールできています。)


そんなやりとりになったあたりから、フッと楽に介護ができるようになりました。

父はいろいろ身を任せてくれるようになりました。私の作業量は増えていますが、父はこちらの意図に沿うように行動してくれるのです。私自身もスキルアップもしてますし、父自体も介護される側としてのスキルや意識を身につけたのもあります。


今は、父は食べることと出すこと以外は、私頼みです。なので、私の存在が感じられたり、生活音が聞こえているときはよく眠ります。
人に話すと「子供みたいだね」と言われます。

実際、父が自身でまだトイレに行こうともがいていた時よりも、私の作業量は多いですが、気分が楽に介護ができています。


どなたかの参考になれば幸いです。


めっちゃ長くなりましたが…

フッと介護が楽になる瞬間がやってくるねという話でした。

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