「バイデン大統領、アフリカの指導者と面会 - 自由貿易が主要な論点となる理由」Voice & Viewpoint 2022/12/13
【記事の要約】
アフリカの首脳は貿易政策の選択を迫られている。二国間貿易協定は、米国の産業を不当に優遇する政策になりやすく、アフリカ大陸自由貿易協定を弱体化させるだろう。一方、アフリカ成長機会促進法(AGOA)は、アフリカ38カ国に対し、1,800以上の製品の輸出にかかる関税を免除している。この制度を十分に活用している国はほとんどない。しかし、アフリカ域内で貿易が拡大し利益が生まれれば、付加価値の高い産業に投資できる。米国とアフリカの貿易関係は、アフリカ大陸自由貿易圏のアフリカ域内貿易の拡大という目標を損なわないような形で設計されなければならない。
【私の考え】
アフリカは一次産品を先進国に輸出し、完成品を製造することが少なかった。そのため、アフリカでは、東南アジアに見られるようなサプライチェーンが少ない。この問題を解決するため、アフリカ域内の関税を無くすアフリカ大陸自由貿易協定が生まれた。二国間貿易協定では、アフリカ諸国が一次産品の輸出に特化する構造が固定化され、自由貿易協定の効果を打ち消す可能性がある。そのため、メリットが少なくてもAGOAを推進した方が良いのだろう。また、リカードの比較優位の理論があるが、実際にはその国が目指したい将来像に沿った自由貿易が必要であると考えた。