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苦手な相手との会話のコツ

先日、スコットランド人の友人と夕食を食べた。久々に会ったという事もあり、僕の中で、会話のリズムを掴むまでに時間がかかった。その理由の一つは、ジョークの多さだ。

スコットランドはグレートブリテンの一部で、よく、イギリス国民はどんな事案でもブラックヒューモアに変えると言われるが、スコットランド人も全く例外ではない。彼らは目に入ったものをダイレクトに表現はしない。少しアイロニーにそして、頓知のきいた質問形式のジョークを飛ばすことが多い。スピード感覚と謎解きの冴えが彼らの笑いへと繋がるのだ。

とはいえ、スピードは人それぞれ違う。僕の友人は、とにかくせっかちで、そのくせ説明が長い。だからジョークを言ってから、相手が理解したかどうかを待つ時間がすこぶる短い。それもあって会話のリズムを掴むのに時間が掛かった。

でも、30分くらいするとジョークをジョークで返し、友人を大笑いさせるくらい、会話の手綱を掴むことができた。

では、そんな異文化のしかもジョーク連発な会話の中で、どのようにして手綱を掴んだのかを説明したい。

英会話も日本語会話も等しく、メンタルとリズムと少しの知識量だと思っている。特にメンタルがカギになる。相手の言っていることを理解するには、やはり落ち着いてわかる単語を拾い、点を沢山拾い上げる必要がある。ここで注意が必要なのは、無理に線にする必要はない。点のままでいいのだ。そして、点を拾い集めていく中で、自信のあるジャンルや知っている単語を拾い、会話の中でリピートする。そうしているうちに相手の会話の速さ、使用頻度の高いワード、癖などが少しずつわかってくる。

「そんなバカな」と思う方は、是非一度試してみてほしい。

007カジノロワイアルの中で、ダニエル・クレイグ扮するジェームス・ボンドがポーカーを敵地で 偵察中に行うシーンがある。彼は途中参加のハンデとして、しばらくは勝たないと約束してスタートする。そして、本気で始めた頃には前半で見抜いた各々の癖を突き、勝っていく。彼は負けていると周りが思っていた時間、他のメンバーの癖をリサーチしていたのだ。

それと似ているが、会話において焦りは禁物だ。無理に相手に張り合って自分のポジションを見失ってはいけない。よく分からない話や、相手に初めての相手或いは、苦手な相手なら尚更肩の力を抜いて相手のリズムに浸ってみることが重要だ。すると人間は凄いもので、慣れが生じる。そうしたら会話はあなたのものだ。モテる知識量で会話に色をつけていけばいい。

ジョークも同じだ。
文化の違いがあるので、日本のようなオチがあって、つっこんでといった流れから生まれる笑いではないことが前提になる。でも相手は笑わせようとしていることに違いはないのだ。自分の持つ「ジョーク」、「笑い」の固定観念は捨てて、相手のリズムを掴むことが大切なのだ。

日本人でも同じだが、同じジョークを言っても場が沸く人と、シラける人が存在する。それは、リズムが大きいと思う。間は大切だなとつくづく思う。

それが外国人に変わっただけで、リズムを掴めばあとは、そのリズムで少し遊んでみればいいのだ。それが笑えなくても、なかなか日本人で同じ土俵に立ってジョークを楽しめる人間が少ないので、それだけで喜んでくれる。そうしていくうちにトライ&エラー的に相手のツボがわかるようになる。

大切なのはメンタルとリズムと少しの知識量なのだ。

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